SYMBIONT

Living Sound Engine

V1.0.4 — C++20 / JUCE 8 — 56ノード / 89アルゴリズム / SIMD 76%

SYMBIONTは一人の人間が自分のために作った道具である。既存のDAW、プラグイン、シンセサイザー——全て試した。残ったのは疑問だけだった。なぜこの周波数なのか。なぜこのワークフローなのか。なぜこのインターフェイスなのか。誰も答えない。正確に言えば、誰もその問いを立てていなかった。

個々の仕様の問題ではない。私が知覚している音の世界と、既存の道具が前提としている音の世界が、別の場所にある。気づいた時点で、取りうる手段は一つしかなかった。結果が、768kHzのリアルタイム合成をネイティブで動作させる、現存唯一の音響エンジンである。

SYMBIONTはLLMとの共生から生まれた。人間が認知し、構想し、判断する。LLMがそれを構造化し、実装する。どちらか一方では成立しない。「共生体」という名前は、この開発プロセスに由来する。

以下に記すのは、その結果として生まれた体系の記録である。思想基盤が認識の構造を、設計原則以降がその技術的実装を扱う。

思想基盤 — 辺境からの示唆

01 — 起源:転機と環境の再構築

— De Schoolでの滞在制作

2019年5月——令和元年の初日。Studio The FutureのVincent / Klaraの協力のもと、アムステルダムの De School における初代アーティスト・イン・レジデンスとして、2ヶ月間の滞在制作に招聘された。私の最初で最後の「アーティスト」活動である。

滞在中は数千人を超えるDe Schoolの来訪者と積極的にコミュニケーションをとりながら、ほとんどの時間を現地での研究・開発に充てた。

この期間に偶然体験したスーパーツイーターを備えたスピーカーシステムを通じて、ハイパーソニックエフェクトの存在を知った。可聴域を超えた周波数帯が人間の知覚に作用するという現象は、デジタル音響の限界に対する認識を根本から鋭くした。

この地でシロシビンを体験した。認知形態の拡張における決定的な契機だった。内部状態(Set)と外部環境(Setting)の組み合わせが体験を根本から変容させる。SYMBIONTにおいてパッチ(Set)と再生環境(Setting)が異なる音響体験を生む設計は、この認識の直接的な反映である。

制作したシステム Resonance は、Max/MSP、SuperCollider、TidalCycles、openFrameworks、ReaperをOSCで接続し、空間系演算の一部をアナログモジュールで補完する構成を取った。人の動きを音に変換する Synesthesia と、それをさらに映像に変換する Feedback——二つのサブシステムから成る。Victoria Galvaniがデザインした鉄のプレートの迷路と、Children Of The Lightが提供したライトで構成された幻想的な空間の中で、天井のカメラが移動する人々の動きをキャプチャし、ジェネラティヴサウンドとフィードバック映像を二つの異なる空間にリアルタイム生成する。

Victoriaとの協働によるコンタクトマイクロフォンのインスタレーションが、フィードバック系にさらなる深度を加えた。完成品ではなくプロセスそのものを展示するこの構造は、SYMBIONTの .symt ファイルの設計思想と相似形を成している。

— 帰郷と感覚の回復

これらの体験を携えて帰国した時点で、東京の情報密度は暴力的だった。都市環境への再適応は不可能だと判断した。親族の法事がきっかけで数十年ぶりに訪れた長野の山に触れ、即座に移住を決断する。信州——日本列島中央部の複数の巨大プレートと生態系が交差する地。祖父母の古民家を片付け、最初の1年は消耗した感覚系の回復に費やした。温泉と伏流水による身体的回復を経て、知覚は徐々に機能を取り戻していった。

コンクリートから木造住宅へ。自然音が常時聞こえる環境がデフォルトとなった。鳥の声、虫の声、風、木々のしなり——自然界に溢れ続ける音のエネルギーを日常として体感する中で、波動現象を「観察」することが制作の根幹となった。SYMBIONTにおいて「観察 > 構築」が設計原則となっているのは、この原体験に由来する。

— モジュラーシンセの探求

この環境の中で、それまでのコンピュータによる創作行為を完全に停止し、モジュラーシンセサイザーの探求に没頭した。DAWによる編集的な構築行為に興味を失い、電子回路を自由に組み合わせて独自のアルゴリズムを構成できるモジュラーシンセの世界に夢中になった。すべてのアルゴリズム的な探究をインプロヴィゼーションとともにDSDで記録するという、イニシエーション的な録音スタイルもこの時期に確立された。モジュラーシンセが教えたのは、音は「設計する」ものではなく「パッチし、観察し、介入する」ものだということだった——SYMBIONTのノードグラフ設計は、この体験の直接的な延長線上にある。

SYMBIONTを開発する直前の大きな体験として、バックミンスター・フラーが唯一認めたデザインサイエンティスト、梶川泰司氏との出会いと交流があった。交流の期間は短かったが、その密度は極めて濃いものだった。彼が現在探索を続けているテンセグリティなど、一般にはあまり知られていない技術的概念やプロトタイプの数々を見せてもらい、フラーの思想をさまざまな実体験を元に直接伺えたことは、SYMBIONTの Less is more な設計思想に大きな影響を与えている。同じく信州を拠点に、雄大な自然の中で孤独な思案を重ねていた彼の存在には、強く勇気づけられた。

— 収束

定型的認知から外れた知覚構造、幼少期から並行して走り続けた古代叡智とコンピュータ技術の探索、P2Pが示した分散と自律の思想、De Schoolでのレジデンス体験による認知拡張、信州の自然が教えた「観察」の原理、そしてフラー/梶川両氏のテンセグリティ研究との出会いが示した Less is more——これらの経験と認識が一人の人間の中で収束した結果、既存のどのツールにも適合しない音響探索の形式が必要になった。SYMBIONTは、その必然から発生したエンジンである。これらの体験は、音そのものへの認識を不可逆に変容させた。

そしてこのエンジンの実現には、もう一つの共生が不可欠だった——LLMエージェント群との協働である。ハイパーフォーカス状態の私が設計意図と音響的直感を注ぎ込み、エージェントがそれを14万行のC++として具現化する。人間の認知特性と機械の計算能力が相互に増幅し合うこのプロセスそのものが、SYMBIONTの名が示す「共生」の実践であり、一個人では到達し得なかった密度のエンジンを生み出した。

02 — 音への認識論:衝動・観察・精度

— 衝動とエゴの消去

信州の自然の中で日常的に波動現象を観察する生活は、音に向かうプロセスそのものを変容させた。「曲を作ろう」という目的意識から始まることはほとんどない。自然の中で受け取ったエネルギーが蓄積されたとき、直感的に「今だ」と感じて触る。衝動が発生したときに触る。触りたくなるまで触らない。

このプロセスにおいて意識的に行っているのは、エゴの消去である。鈴木大拙が禅の非二元論で示した、観る者と観られるものの境界が消滅する地点——そこに自らを置く。観察と感受を軸にし、思考に支配されない。最初の数時間で衝動的な骨格が現れ、その後パラメータを精緻に詰めていく——変調の入れ子構造を観察し、パッチ上のアルゴリズムを身体的に把握する。

SYMBIONTが「Living Sound Engine」を名乗り、.symtファイルで「プロセスそのもの」を共有するのは、この体験に根差している。De Schoolで完成品ではなくプロセスを展示したように、SYMBIONTのパッチもまた録音物(バイナリ)ではなくソースコード——再生するたびに異なる軌道を描く、生きたアルゴリズムそのものである。複製されたメディアを介した時点で、再現不可能な領域が発生する——一次情報以外は体験とは呼べない。SYMBIONTが外部プラグインに依存せず、エンジン内部で全ての音響現象を完結させる設計を選択しているのは、この認識の帰結である。

— 言霊と音の生成力

この「音は生成されるものであり、記録されるものではない」という認識は、私の中では言霊思想と深く結びついている。古代日本の言霊(ことだま)の概念において、音声は現実の表象ではない——音声そのものが現実を生成する力である。ホツマツタエは48音の言霊体系を宇宙生成の原理として記述し、楢崎皐月が発見・研究したカタカムナウタヒは、48の音素と幾何学図象の直接的対応を渦巻き構造の中に記した。楢崎は物理学者としての素養をもって古代文献を解読し、音・形・力の等価性を科学的視点から再構成した——古代叡智と近代科学の接点を一人の人間が体現した稀有な例である。

音が物質に先行し、振動が形態を決定するという認識は、近代科学のCymatics(音響振動による形態生成)と構造的に同型である。SYMBIONTが録音物(過去の音の痕跡)ではなくリアルタイム生成(現在進行形の音の発生)を設計の中心に据えているのは、音を「記録する対象」ではなく「発生し続ける力」として扱う、この認識論に根差している。

— 量子化への応答

自然界の波はなめらかな曲線を描く。デジタルはどこまでいっても量子化の影響下にあり、階段状の近似を計算することしかできない。時間領域方向の情報量が圧倒的に不足している——De Schoolでハイパーソニックエフェクトを体感し、可聴域を超えた周波数が人間の知覚に作用する現象を目の当たりにしたことで、この制約への認識はさらに鋭くなった。SYMBIONTはデジタルの限界を認識した上で、可能な限りの数値的精度を追求するという応答を選択している。倍精度浮動小数点(f64)による演算、612-TETの1.96セント格子による周波数解決、RK4積分のO(dt⁵)精度によるカオス軌道の追跡——量子化が不可避であるならば、その格子を知覚閾値を大幅に下回る解像度まで細かくする。数値的精度への執着は技術的な過剰ではなく、アナログ的な音響体験への誠実な近似である。

同時に、デジタルの編集スタイルそのものへの疑義がある。異なる時系列を同列に扱い、カット&ペーストで虚構を構築する——その方法論の内部にいる限り到達できない領域が存在する。信州の自然が教えたのは、音は「編集」するものではなく「観察」するものだということだった。SYMBIONTがDAW的な編集ではなく、リアルタイムに流れ続ける信号経路の「観察と介入」を設計の中心に据えているのは、この認識に基づく。パッチは編集されるものではなく、パラメータの変化によって異なる振る舞いを見せる生きた系である。音をこのように知覚する以上、設計における恣意的な選択は許容されない。

03 — 原理:導出としてのデザイン

— 導出の認知的必然

前提が定義されていない算数を16進数で解く子供は、「なぜそうなるのか」の根拠なしに何かを受け入れることができない。色が美しいから採用する、慣習だから踏襲する、ユーザーが期待するから実装する——そのような判断プロセスは、私の認知構造においては機能しない。全ての設計判断には導出可能な原理が必要である。これは美学ではなく、認知的な必然だ。

一般的な音楽ソフトウェアの設計判断は、市場調査、競合分析、ユーザーテスト、デザイナーの審美眼に基づいている。SYMBIONTはそのいずれにも依拠していない。色彩は色相環上の幾何学的角度関係から、音律は数論的性質から、空間スケーリングはFibonacci数列と黄金比から、モジュレーション体系は力学系の分類学的多様性から——各設計判断は、それぞれの領域における数理的・物理的原理から一意に導出されている。「なぜその値なのか」という問いに対して、全ての回答が原理まで遡れる。恣意的な選択は存在しない。

— テンセグリティと最小構造

この設計態度の通奏低音となっているのは、梶川泰司氏から直接学んだバックミンスター・フラーの思想である。フラーは「自然は最小限の構造で最大限の機能を実現する」と述べた。テンセグリティ——圧縮材が互いに接触せず、張力材のネットワークによってのみ構造が成立する体系——は、この原理の物理的証明である。SYMBIONTのノードグラフも同じ構造を持つ。各ノードは独立した処理単位であり、直接的に結合せず、信号という「張力」によってのみ接続される。ノード単体では単純な機能しか持たないが、接続のトポロジーによって全体としての複雑な振る舞いが創発する。最小限の要素から最大限の可能性を引き出す——Less is more は標語ではなく、設計の方法論そのものである。

SYMBIONTの全ての技術的選択は、一つの原理に収束する——周波数を可能な限り正確に扱うこと。432Hzという基準周波数も、612-TETという音律格子も、カオス・アトラクタの軌道精度も、この原理から導出されている。以下の4つの導出例は、この方法論の具体的な適用である。原理から設計判断への方向は常に一方向的であり、逆は成立しない。これらの導出は、より深い構造的パターンを共有している——対立する原理の共生である。

Derivation

幾何学的色相分離 → カラーシステム

SYMBIONTの5色パレット(olo / flux / sig / null / gray)は、HSL色相環上の幾何学的角度関係から導出されている。背景色の補色(+180°)を基準色 olo として定位し、そこから直交(-90°)→ flux(変調・エネルギー)、三次(+60°)→ null(分析・スペクトル)、対蹠(+180°)→ sig(警告・臨界)、そして無彩色 → gray(静止・中性)を配置する。デフォルト背景(黒)では olo = 171°(シアン #01FED7)を起点とし、全ての派生色が一意に決定される。「見た目が良いから」ではなく、知覚的に最大分離する角度関係から導出された色彩体系である。空間スケーリングにはFibonacci数列(2, 3, 5, 8, 13, 21, 34px)と黄金比 φ=1.618 を適用し、色彩と空間の両層で数理的一貫性を保っている。
Derivation

カオス力学系 → モジュレーション体系

17種のカオス・アトラクタの選定は、力学系の分類学的多様性を基準としている。連続力学系(Lorenz、Rössler、Chua、Aizawa、Duffing、Halvorsen、Chen、Sprott、Van der Pol)は4次ルンゲ=クッタ法(RK4)で積分され、O(dt⁵)精度で位相空間の軌道を追跡する。離散写像(Hénon、Ikeda、Logistic、Tent、Clifford、Gingerbreadman、Chirikov)は直接反復で状態を更新する。DoublePendulumはラグランジュ力学に基づく4次元状態空間(θ₁, θ₂, ω₁, ω₂)を完全なRK4で解き、重力・質量比・振子長が生むカオス的振る舞いを音響変調に変換する。Chuaの区分線形非線形性 |x+1| - |x-1| は条件分岐なしで評価され、SIMD親和性を保ちながらストレンジアトラクタの分岐構造を保存する。各アトラクタは3軸(X/Y/Z)の独立したスカラー出力を同時に提供し、一つの力学系から複数パラメータへのポリアディック・モジュレーションを実現する。
Derivation

数論的純粋性 → 612-TET 音律体系

SYMBIONTのデフォルト音律 612-TET(612音平均律)は、恣意的な数値ではない。612 = 2² × 3² × 17 は18個の約数を持ち、12で割り切れる(612 ÷ 12 = 51マイクロトーン/半音)ため、従来の12音体系との完全な互換性を保ちながら、1ステップあたり約1.96セント——人間の弁別閾(JND: 5-10セント)の約1/2.6——の超微細分解能を提供する。基準周波数 A4 = 432Hz との組み合わせで、E612モードではC4 ≈ 256.87Hz、Just IntonationモードではC4 = 256Hz = 2⁸ が正確に出現する。純正音程の近似精度は驚異的で、完全5度(358ステップ)= 誤差0.006セント、完全4度(254ステップ)= 0.006セント、長3度(197ステップ)= 0.039セント、短3度(161ステップ)= 0.045セント(許容差 ±3マイクロトーン ≈ 5.88セント以内)。
Derivation

内的体系 → 命名規則とビュー構成

WireView(信号経路の俯瞰)と FocusDive(単一ノードへの没入)という2つのビュー、PULSE.CORE / METAL.CORE / GRAIN.CORE というエンジン名とパラメータ群の階層的命名、olo / flux / sig / null / gray というカラー名——これらは既存のDAWやシンセサイザーの慣習に従ったものではない。開発者自身の認知モデルにおいて、概念がどのように分類・接続されるかを反映した固有の言語体系である。PULSE.CORE の「PULSE」はエンジン名、「CORE」はパラメータ群名であり、合成表示が認知的階層を直接表現している。

04 — 共生の定義

— 名称の由来

「Symbiont(共生体)」という名称は比喩ではない。転勤族として孤立と接続を反復した幼少期、P2Pが示した中央なき分散の思想、IRCで地理的制約を超えて共振したアーティストたち、信州の自然が教えた人間と環境の共生——これらの原体験が、対立する原理の共生によってアーキテクチャを成立させるというエンジンの根本構造に結実している。共生は理念ではなく、このエンジンの動作原理そのものである。

— 思想的先行者

この共生の概念には、思想的先行者がいる。西田幾多郎は「絶対矛盾的自己同一」を提唱した。対立するものがヘーゲル的に止揚されるのではなく、矛盾したまま同一であるという認識——これはSYMBIONTの共生原理の最も直接的な哲学的定式化である。決定論とカオス、離散と連続は、矛盾したまま一つのエンジンの中に共存する。

岡潔は「数学は論理ではなく情緒だ」と述べた。数理的構造の発見には非論理的な直感が不可欠であり、両者は分離できない。SYMBIONTにおける倍精度の数値的精度とカオスの有機的偶然の共存は、この認識の技術的実装である。

九鬼周造は『偶然性の問題』で、偶然が無秩序ではなく固有の存在論的構造を持つことを論じた。『「いき」の構造』では、媚態・意気地・諦めという相反する契機の緊張関係から美的概念が成立することを示している——対立の解消ではなく、対立の維持が構造を生む。

John Cageは偶然性の操作が無秩序ではないことを示した——厳密な構造の中でこそ偶然は機能する。Brian Enoはジェネラティヴ・システムにおいて制約が生成の条件であることを実証した。これらに共通するのは、対立を解消する方法論ではなく、対立の緊張を維持したまま創造の駆動力とする態度である。フラーのテンセグリティもまた、圧縮材と張力材の対立によってのみ構造が成立する——共生原理の物理的証明である。

SYMBIONTの決定論的グラフとカオス変調、離散と連続の同時実装は、これらの思想の帰結である。対立を解消するのではなく、対立の緊張そのものがエンジンの生命力となる。以下の5つの共生は、いずれもアーキテクチャの異なる層——グラフ構造、数値精度、力学系、インタラクション、配布形態——に具体的に埋め込まれている。

Symbiosis

決定論 ↔ カオス

Kahnのトポロジカルソートによって厳密に順序付けられたノードグラフ——完全に決定論的な信号経路——の上を、17種のカオス・アトラクタによるk-rateモジュレーションが流れる。Lorenz系の σ(y-x), x(ρ-z)-y, xy-βz という3つの連立微分方程式がRK4で積分され、その3軸出力がフィルタのカットオフ、オシレータのピッチ、エフェクトのパラメータを同時に変調する。グラフの秩序が構造を提供し、カオスの初期値鋭敏性が生命を与える。
Symbiosis

数学的精度 ↔ 有機的偶然

SIMD最適化による倍精度浮動小数点(f64)の数値計算と、カオス・アトラクタの初期値鋭敏性が生む予測不可能な軌道。612-TETの1ステップ ≈ 1.96セント精度で周波数を解決し(純正5度の近似誤差はわずか0.006セント)、RK4のO(dt⁵)精度でアトラクタの軌道を追跡する。この数値的精度が高いからこそ、カオスの微細な分岐——Lorenz系のバタフライ効果における翅の厚み——が消失せずに保存され、音響パラメータの変調として知覚可能な差異を生み出す。
Symbiosis

離散 ↔ 連続

カオスエンジン内部で、連続力学系(ODE: Lorenz, Rössler, Chua等)と離散写像(Hénon, Ikeda, Logistic等)が std::variant による型安全なディスパッチで共存している。連続系はRK4積分で滑らかな軌道を描き、離散写像は反復ごとに状態が跳躍する。音律においても、612-TETの離散的な51マイクロトーン格子と、純正律の連続的な周波数比が4つのテンペラメント(Equal / E612 / Just / Pythagorean)として並存する。離散と連続の境界そのものが、音響的な豊かさの源泉である。
Symbiosis

観察者 ↔ システム

SYMBIONTのユーザーは楽曲を「作る」のではなく、アルゴリズムの振る舞いを「観察」し、パラメータを通じて系の状態に介入する。DoublePendulumの質量比を変えれば軌道は全く異なるカオスへ分岐し、Chuaの区分線形抵抗の傾き m₀/m₁ を調整すれば周期軌道とストレンジアトラクタの間を遷移する。観察者とシステムが相互に影響し合う——量子力学的な観測問題と構造的に類似した関係性である。
Symbiosis

孤立 ↔ 伝播

辺境(信州)で一人の開発者が構築した内的体系が、.symtファイル(数KB)を通じて他者の環境に移植される。共有されるのは完成品ではなく、プロセスそのもの——音のソースコードである。受け手はそれを改変し、別の軌道へ分岐させることができる。カオス系の初期値鋭敏性と同様に、わずかなパラメータの違いが全く異なる音響世界を生み出す。

共生原理の最も具体的な適用が、音律体系である。

05 — 音律:数学的純粋性への回帰

— 産業的標準への疑義

西洋音楽の標準である12音平均律(12-TET, A4=440Hz)は、産業的な標準化の産物である。幼少期から既存のパラダイムに疑義を持ち、産業化以前の叡智を探ってきた人間が、この慣習をそのまま受け入れることはなかった。SYMBIONTは数学的な根拠に基づいた音律体系をデフォルトとして採用している。

12-TET / 440Hzが標準となったのは20世紀の産業的合理化の帰結であり、音響的な必然性に基づくものではない。SYMBIONTが432Hzを選択するのは数理的合理性に基づいている——Just IntonationにおけるC4 = 256Hz = 2⁸が正確に出現し、オクターブ関係が純粋な2のべき乗で表現される。612-TETの超微細分解能(1.96セント/ステップ)は、人間の弁別閾を下回る精度で周波数を制御するための格子である。

— 古代叡智との構造的一致

この数理的選択は、産業化以前の叡智が保持していた認識と構造的に一致する。岡本天明が自動書記により記した日月神示は「音は生命なり」「数は力なり」と記す。天明自身は画家であり、論理的に記述したのではなく、意識を超えた経路から降りてきた言葉をそのまま写し取った。にもかかわらず——あるいはそれゆえに——そこには音と数と力の等価性という、SYMBIONTの設計原理と驚くほど一致する認識が含まれている。言霊思想において、特定の周波数は特定の力を持つ——音律の選択は単なる技術的パラメータではなく、存在論的な選択である。数理的格子と古代の認識が同じ結論に到達しているという事実が、この選択の正当性を二重に担保している。

Tuning

A4 = 432Hz — 2のべき乗連鎖

432Hzを基準とすると、Just Intonationモードにおいて C4 = 256Hz = 2⁸ が正確に出現する(E612/Equalモードでは C4 ≈ 256.87Hz——平均律の数学的制約による0.87Hzの乖離が生じる)。Just Intonationでのオクターブ関係は純粋な2のべき乗——C3 = 128 = 2⁷、C2 = 64 = 2⁶、C1 = 32 = 2⁵——で表現され、周波数空間における数学的純粋性が保たれる。440Hz基準ではC4 ≈ 261.63Hzとなり、いかなるテンペラメントでもこの整数性は得られない。SYMBIONTが432Hzを選択するのは、オカルト的な理由ではなく、Just Intonationにおいて2のべき乗で表現可能な周波数体系が成立し、E612においてもその近傍(+5.87セント)に位置するという数理的合理性に基づいている。
Tuning

612-TET — 12との整除性を持つ微分音格子

612 = 2² × 3² × 17(18約数)。12で割り切れる(612 ÷ 12 = 51マイクロトーン/半音)ため、従来の12-TETと完全互換でありながら、1ステップ = 1200/612 ≈ 1.9608セントという超微細分解能を提供する。人間の周波数弁別閾(JND: 5-10セント)の約1/2.6であり、純正音程の近似精度は: 完全5度(3:2)= 358ステップ(701.961セント、誤差0.006セント)、完全4度(4:3)= 254ステップ(498.039セント、誤差0.006セント)、長3度(5:4)= 197ステップ(386.275セント、誤差0.039セント)、短3度(6:5)= 161ステップ(315.686セント、誤差0.045セント)。周波数計算式: f = 432 × 2^((n×51 - 3519) / 612)(n = MIDIノート番号、3519 = 69×51 = A4基準点)。
Tuning

79種の倍音分布 — 数理から民族音階まで

HarmonicSeriesノードは79種の倍音分布モードを搭載し、単一のインターフェースから自然倍音列、和声的倍音(23種のコード型)、民族音階(アラビア、インド、中国、アフリカ、バリ、日本)、数学的数列(Fibonacci、黄金比、素数、Lucas、Pell、Padovan)、物理モデル(オーバートーン、アンダートーン、フォルマント、共鳴)、実験的分布(カオス、フラクタル、量子、エントロピー)にアクセスできる。79モードの全てが612-TETの微細格子上で正確にマッピングされ、西洋和声から非西洋音律、純粋数学まで——あらゆる倍音構造を統一的に探索できる。

この体系は、楽器設計の歴史の中に先行者を持つ。

06 — 位置づけ:パーソナルインストゥルメントとしてのソフトウェア

— 辺境からの楽器設計

楽器設計の歴史において、設計者自身の認知構造が設計原理と不可分であった道具は、常に辺境から現れた。フラーが辺境から「宇宙船地球号」を構想し、梶川氏が信州から孤独にその原理を実証し続けているように——個人的な必然から生まれた道具が、結果的に普遍性を獲得する。SYMBIONTもまた、この軌道の上にある。

Don BuchlaはVoltage Controlという概念で電子楽器の語彙そのものを発明した。Serge Tcherepninは「パッチによって楽器の性格が変わる」というモジュラーの本質を体現した。Peter Blasserは Ciat-Lonbarde の楽器群を自身の音楽的探求のために設計し、それが結果的にカルト的な支持を得た。Rob Hordijkは Blippoo Box をカオス理論の音響実験として構築し、電子音楽の語彙を拡張した。いずれも、まず自分自身の制作に必要な道具として完成し、その設計原理が事後的に他者の探求を触発した。SYMBIONTが意図しているのも、この順序である——自分の道具を作る、それだけだ。

SYMBIONTはこの系譜にもう一つの伝統を交差させる——最小限の構造から最大限の複雑性を引き出すという音楽思想の系譜である。La Monte Youngは持続音の中に知覚の変容を見出し、音の「時間的厚み」を作曲の対象とした。Terry Rileyは『In C』において、最小限の断片と単純な規則から演奏のたびに異なる全体像が立ち現れることを示した。Steve Reichは位相のずれという一つのプロセスを設定し、そこから生まれる干渉パターンを「観察する」音楽を確立した。最小限の構造から最大限の複雑性が創発するという原理——SYMBIONTのノードグラフ設計とLess is moreの思想は、この系譜と構造的に同型である。

SYMBIONTは万人に向けて設計されたソフトウェアではない。25年の音響探索から結晶した、一人の人間の認知構造である。価格は市場の相場ではなく、この体系の密度に対する正直な応答として設定した。30日間のTrialで全機能を試し、必要か判断してほしい。

Trial

30 Days

CORE相当の全機能。保存3件まで。
Core

$269

エンジンの核。伝播の起点。
Full

$649

56ノード・89アルゴリズム・全機能解放。

サポートや機能リクエストは受け付けない。対話には応じる。何か伝えたいことがあれば、直接コンタクトしてほしい。会いに来てくれるなら、なお良い。

辺境で一人の人間が構築した道具が、同じ辺境に立つ誰かの手に渡り、別の軌道を描き始める。SYMBIONTが「共生体」を名乗る理由は、エンジンの中だけにあるのではない——作り手と使い手の間に発生する、まだ名前のない関係性の中にある。既存の道具との断絶から始まったこの設計が、誰かにとっての認識の外側への通路となるならば、辺境は辺境のまま、静かに接続される。

symbiont.audio

設計原則

上述の思想基盤を技術的に実現するために、SYMBIONTは以下の設計原則に基づいて構築されている。始まりも終わりもなく変化し続けるLiving Sound Engineを、数キロバイトで生成し、探索し、共有するための道具——それを支える具体的なアーキテクチャと設計判断を概観する。

C++20とJUCE 8を駆使したロックフリー・リアルタイムセーフティSIMD最適化(76%カバレッジ)により、人間と機械、有機的な混沌と数学的な秩序が「共生(Symbiosis)」する音響空間を実現する。

Design Principle

神経多様性ユニバーサルデザイン

ASD/ADHD/LDを持つ開発者自身の当事者性から設計。FocusDive(一度に1つのノードに没入)とVoid System(視覚的ノイズゼロ)により認知負荷を極小化。89アルゴリズム切替やジェネラティブパネルで、短時間で巨大な音響変化を実現します。
Experience Concept

体験型シンセシス — 観察 > 構築

従来のシンセが「楽曲を構築する道具」であるのに対し、Symbiontは音の振る舞いを「観察」し変化を「体験」するためのプラットフォーム。アルゴリズムが生み出す永続的な変化を探索すること自体がゴールです。保存形式の.symtは完成品ではなく、プロセスそのものを記録します。
Sharing Architecture

超軽量シェアリング — 数KBで音響世界を共有

.symtパッチファイル(数KB)で、プラグイン依存なしに制作手法まで丸ごと共有可能。受け手はパッチを開いて改変・探索でき、録音物(バイナリ)ではなくソースコード(パッチ)を共有する——音楽の「Git」に近い設計思想です。
Design Principle

神経多様性ユニバーサルデザイン

ASD/ADHD/LDを持つ開発者自身の当事者性から設計。FocusDive(一度に1つのノードに没入)とVoid System(視覚的ノイズゼロ)により認知負荷を極小化。89アルゴリズム切替やジェネラティブパネルで、短時間で巨大な音響変化を実現します。
Experience Concept

体験型シンセシス — 観察 > 構築

従来のシンセが「楽曲を構築する道具」であるのに対し、Symbiontは音の振る舞いを「観察」し変化を「体験」するためのプラットフォーム。アルゴリズムが生み出す永続的な変化を探索すること自体がゴールです。保存形式の.symtは完成品ではなく、プロセスそのものを記録します。
Sharing Architecture

超軽量シェアリング — 数KBで音響世界を共有

.symtパッチファイル(数KB)で、プラグイン依存なしに制作手法まで丸ごと共有可能。受け手はパッチを開いて改変・探索でき、録音物(バイナリ)ではなくソースコード(パッチ)を共有する——音楽の「Git」に近い設計思想です。
Sound Philosophy

432Hz E612 Natural Tuning

グローバルチューニングは標準の440Hzだけでなく、自然界のフラクタル構造と共鳴するとされる432Hz(E612)をネイティブサポート。5つの歴史的テンペラメント(純正律、ピタゴラス音律等)をリアルタイムに切り替え可能で、周波数本来の持つ数学的な美しさを引き出します。
Modulation Concept

Polyadic Chaos & Ecosystems

従来のLFOやエンベロープに加え、LorenzやRösslerなど17種のカオス・アトラクタを搭載。3次元(X/Y/Z)の座標変化を複数のパラメータへ同時にルーティングするポリアディック・モジュレーションにより、予測不可能で有機的な「生きた」サウンドスケープを構築します。
UI/UX Vision

The Confluence Mixer

これまでの難解なモジュラーUIを廃し、信号の流れが川のように合流(Confluence)する洗練されたNodeGraph UIを採用。120fpsの滑らかな独自レンダリングと、インスペクターによる直感的なマクロ制御により、思考のスピードで音を彫刻できます。

システムアーキテクチャ

Symbiontは UIスレッドオーディオスレッド(RT-Safe) を厳密に分離した設計です。Session がグローバル状態を管理し、NodeGraph がトポロジカルソートされたオーディオグラフを実行します。全てのスレッド間通信はロックフリーで行われ、リアルタイム安全性を保証します。 この分離は単なるソフトウェア設計上の判断ではない。観察する意識(UI)と、流れ続ける音響現象(Audio)が互いを阻害しない——共生の原理をスレッドモデルとして実装したものである。

UI THREAD AUDIO THREAD (RT-SAFE) WireView Canvas Inspector Session 状態管理 + Undo/Redo ModulationRouter 接続CRUD + 可視化 StateSnapshot JSON永続化 NodeGraph トポロジカル実行 モジュレーション 8×8 ルーティング AudioSystem (ECS) processGraph → processBlock Generator Processor Modulator Console addNode / connect assign / unassign

スレッド安全性

オーディオスレッドではメモリ確保・ロック取得・例外送出が一切発生しません。パラメータ変更は std::atomic<float> 経由、グラフ構造変更はロックフリーキュー経由で安全に伝達されます。

スレッドモデル

UI Thread

  • SymbiontShell / Panels
  • WireView / NodeCanvas
  • Inspector / Browser
  • State mutations (via SymbiontContext)
↕ Lock-Free Queue

Audio Thread (RT)

  • AudioEngineCore
  • NodeGraph / GraphProcessor
  • DSP Engines / SIMD
  • Zero allocations / Zero locks

Shadow Graph Architecture

RCU Triple-Buffer

UI→Audio間の状態転送にRCU(Read-Copy-Update)パターンを採用。3つのバッファをローテーションし、Audioスレッドは常に整合性の取れたスナップショットを参照。Writer/Reader完全分離でロックフリー。

Lock-Free

Command Queue

全ての状態変更はCommandオブジェクトとして直列化され、SPSC(single-producer single-consumer)キューでAudioスレッドに転送。Undo/Redo対応。

Thread-Safe

ECS (Entity Component System)

128
Max Nodes
AudioProcessorNode上限
256
Max Connections
ワイヤー接続数
64
Max Modulations
モジュレーションルーティング
1
SSoT
EngineContext唯一の真実源

EngineContextが全Audio状態のSingle Source of Truth (SSoT)として機能。 各Node、Connection、ModulationはIDで参照され、インデックスO(1)アクセスを実現。

RT-Safety契約

Audio Thread で禁止される操作

  • new/delete — メモリ確保
  • malloc/free — C API確保
  • std::vector::push_back — 再確保リスク
  • std::map 操作 — ツリー走査
  • mutex lock — 優先度逆転
  • std::cout / printf — I/O syscall
  • file I/O — ブロッキング
  • system calls — コンテキストスイッチ

Audio Thread で推奨されるパターン

  • std::array — 固定サイズ
  • std::atomic — ロックフリー同期
  • Lock-Free Queue — SPSC/MPSC
  • Pre-allocated buffers — prepareToPlay
  • noexcept — 例外禁止
  • memory_order_acquire/release — 明示的順序

SIMD最適化 (Float4 / Double2)

SIMD Coverage: 68/89 (76.4%) Float4 NEON/AVX2 + Double2 SineAlgo/SawtoothAlgo

AlgorithmEngineの89アルゴリズム中68がSIMD高速化済み (Phase 1–14完了、Phase 2-A/B 10種は未最適化)。 大半は Float4 (4-wide parallel) を採用し、SineAlgo/SawtoothAlgoは Double2 (f64 2-wide) で実装。 残り11は serial IIR フィードバック / per-sample PRNG 依存のため SIMD 化の自然限界に到達。

Phase 1-8
61/79
基本Waveform/FM/Texture
Phase 9
HardSync/PWM
feedback fallback
Phase 10
GranularCloud/Swarm
4-particle parallel
Phase 11-13
FeedbackFM/AnalogSquare
WavetableMorph

AlgorithmEngine ディスパッチ

OscillatorNodeOscillatorCoreAlgorithmEngine の3層構造で89アルゴリズムをディスパッチ。 統一ブロックレンダリングテンプレート renderUnifiedBlock<Algo> により、アルゴリズムごとの差異を吸収します。

RenderContext + BlockInterpolants

各ブロック(典型256サンプル)の先頭でatomic loadを1回だけ実行し、BlockInterpolantsで全パラメータ(frequency, param1-4, color, velocity)をブロック内線形補間。 前ブロック終了値を補間開始値に使用してクリックフリーを保証。

RT-Safe

SIMD / スカラー自動選択 (C++20 requires)

if constexpr (requires { Algo::processSIMD(...); }) で SIMD パスの存在をコンパイル時検出。 SIMDパスがある場合はDouble2/Float4ベクトル処理、ない場合はスカラーフォールバックでサンプルごとに Algo::process() を呼び出し。

Compile-Time
Wave
0–29 (30種)
Sine/Saw/Square + Analog models + KarplusStrong + WaveFold/BellTone/StringResonator
Mod
30–60 (31種)
FM/PM/AM/Ring/Phase/Spectral + FM4Op/BarMallet/RingStack
Texture
61–88 (28種)
Unison/Ensemble/Pad/Granular/Swarm + CloudPad/AquaticPad/GlitchRes

ボイスアーキテクチャ (16 Voices)

最大16ポリフォニック・ボイス。PoolVoice は64バイト・キャッシュライン・アラインメントで配置され、 全フィールドが std::atomic でスレッド間安全性を保証。

PoolVoice (alignas(64))

noteNumber, phase (f64), frequency (432Hz default), velocity, color, param1-4 をatomicで保持。 memory_order_acquire/release で RT/UI 間の可視性を保証。age フィールドのみ relaxed

Atomic

ボイス・スティーリング (64-sample fade)

スコアリング方式: リリース中 (+1000), 静音 (<5%エンベロープ: +500), 経過時間 + ソフトネス (1.0-envLevel)×10。 最高スコアのボイスを64サンプルかけてフェードアウトし、クリックフリーで再利用。 P0-2: 全ボイス使用中はSPSCロックフリー・リングバッファ(最大8ノート)にキューイングし、フェード完了後に発音。

Lock-Free
16
Max Polyphony
同時発音ボイス数
64B
Cache Alignment
false sharing 防止
64
Steal Fade
サンプル数 (クリックフリー)
8
Pending Queue
ノート・バッファ深度

永続化システム

StateSerializer

プロジェクト状態をXML (juce::ValueTree) 形式で保存。.symt 拡張子。フォーマットバージョン管理 (FORMAT_VERSION=2) とマイグレーション対応。

Persistence

プリセットシステム

6ファクトリプリセット (Init/Bass/Lead/Pad/Pluck/Arpeggio) + ユーザープリセット。ノードグラフ・接続・モジュレーションを完全保存。

JSON/XML

Snapshot Morphing

4スロットのスナップショット + XY Pad でバイリニア補間モーフィング。パラメータの連続的な遷移を実現。

Real-Time

ノードカタログ (56種)

13
Generators
Osc/Noise/Chaos/ResonantBody + BD/SD/HH/ElasticPerc/PulseCore/DataSonic/GrainPerc/MetalPerc/HarmonicSeries
16
Processors
Filter/Dynamics/WaveShaper/BitCrusher/Chorus/RingMod/FreqShifter/GlitchBuffer/SpectralFreeze/Granular/EnvVCA + Spatial (Delay/Reverb/ShimmerReverb/SpringReverb/TapeDelay)
9
Sequencers
StepSeq/CircularSeq/DrumSeq/Arp/MIDIToCV/Markov/Tala/Turing/PianoRoll
3
Modulators
LFO / BreakpointEnv / GenEnv
14
Control
Quantizer/ScaleDesigner/MorphPad/ClockDiv/CVProc/Accum/Switch/LogicGate/Comparator/BernoulliGate/Rectifier/SlewLimiter/ShiftReg/ProbDist
1
Console
8ch Mixing Console (Non-Linear Summing)

新機能 (v1.0〜v1.1)

EnvVCA

DAHDSRエンベロープ + VCA統合ノード。VCA / LPG / Hybrid の3処理モード、7ブレークポイント・エンベロープ、10入力+2出力。

PianoRoll (6-voice)

6声ポリフォニック・コードシーケンサー。同ステップ複数ノートを自動ソートして6組の CV+Gate ペアに出力。コード名自動検出 + 6声カラーコーディング。

PianoRoll — ChordProgression 統合

ChordProgressionノードは PianoRoll に統合済み。VoicingMode (Close/Open/Drop2/Drop3)・StrumSpread・generateChordPattern() を PianoRoll から直接利用可能。

MarkovSeq / TuringMachine

MarkovSeq: 8状態遷移行列によるジェネラティブシーケンス。TuringMachine: LFSRベース循環シーケンス + ランダム性注入。

Control 14ノード体系

Control群を14種に拡充。ScaleDesigner(E612スケール量子化+確率パターン)、MorphPad(2D/3Dモーフィング)を新規追加。

QuickNodeSearch

Q キーで即座に表示されるノード検索パレット。56種の全ノードをタイプ/カテゴリ/タグで絞り込みワンキー追加。

InteractionHintOverlay

ノードホバー時に操作ヒントをオーバーレイ表示。初心者向けのインタラクション・ガイダンス。8種以上のノードに対応。

Inspector Stepper Widget

5–10 選択肢 / 整数パラメータ専用ウィジェット。[VALUE] ボックス形式で表示、スクロール/縦ドラッグで整数ステップ変化。

Inspector Parameter Lock

全ウィジェット (Slider/Toggle/Dropdown/Segmented/Stepper) にパラメータロック完全対応。ロック中はすべての操作をブロック。

Port-specific Disconnect

WireView でポートを右クリックすると「Disconnect "PortName"」が表示され、そのポートのワイヤーのみを選択削除可能。

Double (f64) 統一

内部DSP処理をdouble精度(f64)に統一。高精度な浮動小数点演算で数値安定性と音質を向上。

Polyadic Modulation

per-接続のカーブ、軸、ラグ、レンジ制御。ChaosNodeの3軸出力を異なるパラメータに同時アサイン可能。

Snapshot Morphing

4スナップショット + XY Padでバイリニア補間。サウンド間の滑らかな遷移。

FocusDive UI

ダブルクリックでノードに没入。各ノード固有の詳細エディタ (多数の VIZ Renderer 実装)。

ResonantBody / DataSonic

ResonantBody: Metal+Cymbal デュアル物理モデリング。DataSonic: Ryoji Ikeda/Alva Noto 風 8モード・デジタルシンセ。

TapeDelay / ShimmerReverb

TapeDelay: Wow/Flutter/Saturation/Noise 本格テープエコー。ShimmerReverb: ピッチシフト・フィードバックリバーブ。

Node開発ガイド (C++20)

Symbiontのノード開発には、Fluent APIビルダーを使用したモダンなC++20パターンを採用。 ParameterBuilder、PortBuilder、CVPortMappingにより、自己文書化された保守性の高いコードを実現。

ParameterBuilder (Fluent API)

// 推奨: ParameterBuilderによる自己文書化パラメータ定義
addParameter(ParameterBuilder("frequency", "Frequency", PARAM_FREQUENCY)
    .range(20.0, 20000.0, 432.0)
    .context(ParameterContext::Frequency)
    .smoothed(SmoothingPolicy::Linear, 10.0)
    .category(ParameterDescriptor::Category::Generator)
    .unit("Hz"));

// レガシー: 位置引数による定義(非推奨)
addParameter({"frequency", "Frequency", 0.5f, 0.0f, 1.0f, "", true, false, 0});

PortBuilder (Fluent API)

// 推奨: PortBuilderによる明示的ポート定義
std::vector<PortDefinition> getPortDefinitions() const override {
    return {
        PortBuilder::stereoOutput("out", 0, "OUT"),
        PortBuilder::stereoInput("in", 0, "IN"),
        PortBuilder::cvInput("freq_cv", 2, "Freq", PARAM_FREQUENCY),
        PortBuilder::gateInput("gate", 5, "Gate"),
    };
}

// レガシー: 構造体初期化(非推奨)
return {
    {"out", 0, "OUT", false, "stereo", -1, "", "", 0, 2},
    {"in", 0, "IN", true, "audio"},
};

CVPortMapping (宣言的CVマッピング)

// 静的マッピングテーブルによるgetCVTargetParam()の簡素化
static constexpr CVPortMapping kCVPorts[] = {
    {0, -1, "Gate", true},                    // Gate入力(ターゲットなし)
    {1, PARAM_FREQUENCY, "Freq", false},      // Frequency CV
    {2, PARAM_RESONANCE, "Res", false},       // Resonance CV
};

int getCVTargetParam(int port) const override {
    return findCVTarget(kCVPorts, port);
}

ノード実装テンプレート

class MyNode : public AudioProcessorNode, public IVisualizableNode {
public:
    static constexpr const char* TYPE_NAME = "MyNode";

    enum Parameters {
        PARAM_FREQUENCY = 0,
        PARAM_LEVEL,
        NUM_PARAMETERS
    };

    MyNode() : AudioProcessorNode(TYPE_NAME, "MyNode") {}

    void initializeParameters() override {
        addParameter(ParameterBuilder("frequency", "Frequency", PARAM_FREQUENCY)
            .range(20.0, 20000.0, 440.0)
            .context(ParameterContext::Frequency)
            .unit("Hz"));

        addParameter(ParameterBuilder("level", "Level", PARAM_LEVEL)
            .range(0.0, 1.0, 0.5)
            .context(ParameterContext::Gain)
            .unit("%"));
    }

    void processBlock(const Sample** in, Sample** out, i32 n) noexcept override {
        // RT-Safe: アロケーション禁止、ロック禁止
        float freq = denormalizeValue(PARAM_FREQUENCY, getParameterAtomic(PARAM_FREQUENCY));
        // ... DSP処理 ...
        finalizeOutput(out, 2, n);
    }

    [[nodiscard]] std::vector<PortDefinition> getPortDefinitions() const override {
        return {
            PortBuilder::stereoOutput("out", 0, "OUT"),
            PortBuilder::stereoInput("in", 0, "IN"),
            PortBuilder::cvInput("freq_cv", 2, "Freq"),
        };
    }

    [[nodiscard]] std::vector<ParameterDescriptor> getVisualizableParams() const override {
        // ParameterBuilderまたは直接構築
        return { /* ... */ };
    }
};

ParameterContext 列挙型

Generic 汎用パラメータ
Frequency 周波数 (Hz/V/Oct)
Gain ゲイン/レベル
Ratio 比率 (コンプレッサー等)
Switch オン/オフ切替
Trigger トリガー入力
Envelope エンベロープ時間
LFO LFOレート/位相
Morph モーフィング位置

SmoothingPolicy 列挙型

Linear 線形ランプ
Exponential 指数ランプ
SCurve S字カーブ
Immediate 即座に適用
Fast 高速遷移 (~1ms)
UltraSmooth 超滑らか (~50ms)

シグナルフロー

Symbiontのシグナルフローは、モジュラー・パッチングの概念に基づいています。川が重力に従って流れるように、信号は接続されたノードの間を自然に流れ落ちていく。ジェネレーターが音を生成し、プロセッサーが加工し、最終的にConsoleノードからDAC出力されます。モジュレーターはCV(コントロール電圧)信号で他ノードのパラメータを動的に制御し、始まりも終わりもなく変化し続ける Living Sound Engine を構築します。

基本パッチ

Oscillator
Filter
Console

モジュレーション付きパッチ

Oscillator
Filter
Console
↑ Cutoff CV
LFO
↑ Gain CV
Envelope

ポリアディック・パッチ (ChaosNode)

ChaosNode
x軸 ↓y軸 ↓z軸 ↓
Filter.Cutoff
Osc.Shape
Console.Level
ChaosNodeの3軸出力をそれぞれ異なるパラメータに接続することで、有機的で予測不可能なサウンドスケープを生成できます。

グラフ実行順序 (Kahn Topological Sort)

NodeGraph は毎フレーム、以下の手順でオーディオグラフを実行します。

1. 終端ノード検出

タイプ名が "Output" または "MasterConsole" に一致するノードを終端として検出。すべての信号はこの終端に向かって流れます。

2. BFS 到達可能性解析

終端ノードから逆方向にBFS(幅優先探索)を実行し、到達可能なノードのみをマーク。 孤立したノードチェーン(どの終端にも接続されていないノード群)は処理対象から除外され、CPUを消費しません。

3. Kahn's Algorithm (トポロジカルソート)

到達可能ノードのみを対象に入次数マップを構築。入次数0のノード(ソース)からキューに入れ、依存関係順に処理順序を決定。 結果: Generator → Processor → Modulator → Console の自然な信号フロー順。サイクル検出はDFS再帰スタックで実行。

スカラーCV vs バッファCV

Symbiontには2種類のCV信号経路があり、誤接続は無音の原因になります。

経路レートソースルーティング先用途
ModulationSlot (スカラー) k-rate (~750Hz) LFO, BreakpointEnv, EnvVCA, Chaos, CVProcessor パラメータの ModulationSlot パラメータ変調(Cutoff, Level, Shape等)
ConnectionSlot (バッファ) audio-rate (sample毎) Sequencer (StepSeq, DrumSeq, Arp...), 音声出力 ポートの ConnectionSlot V/Oct ピッチ、Gate トリガー、音声信号
判定方法: isScalarModulationSource()true を返すノードのみが ModulationSlot に接続可能。 Sequencer系は false を返すため、ModulationSlot への接続は無効(無音)になります。

ポートシステム

各ノードは入力ポートと出力ポートを持ち、ワイヤで接続します。ポートにマウスをホバーすると、パラメータ名と信号タイプが表示されます。信号の互換性により、接続できるポートの組み合わせが制限されます。

信号タイプ

Audio
ステレオ音声信号。ジェネレーター出力 → プロセッサー入力などの基本接続。帯域: 20Hz–20kHz+
CV (Control Voltage)
コントロール電圧。パラメータを連続的に変調。範囲: -1.0〜+1.0 (バイポーラ) または 0.0〜1.0 (ユニポーラ)
Gate
トリガ信号 (ON/OFF)。0.5を閾値として、エンベロープのトリガやシーケンサーのステップ送りに使用
Clock
タイミング信号。BPMベースの同期クロック。シーケンサーやアルペジエーターのテンポ基準

V/Oct (Volt per Octave)

OscillatorNodeやFilterNodeのピッチ入力は V/Oct 規格に準拠。1.0のCV変化が1オクターブの周波数変化に対応します。これによりSequencerのCV出力で正確な音程制御が可能です。

ポートのホバー表示

NodeVIZ上でポートにマウスカーソルを合わせると、パラメータ名 [信号タイプ] 形式のtooltipが表示されます。例: Cutoff V/Oct [CV]Gate [GATE]。これにより直感的にどのポートがどのパラメータに対応するかを確認できます。

モジュレーション

モジュレーションは任意のモジュレーションソースを任意のパラメータターゲットに接続する8×8ルーティングマトリクスです。カーブシェーピング、深度制御、ポリアディック(多軸)ルーティングをサポートします。

モジュレーション (Audio Thread)

resolveReferences()でノードポインタを解決 → process()で各アサインメントを計算。毎バッファ実行されるRT-Safe処理

Audio RT

ModulationRouter (UI Thread)

接続のCRUD操作、ノード登録、ビジュアライゼーション用クエリ。UIスレッドからの安全な操作を提供

UI Thread

ModulationMatrixState

モジュレーションラッパー。UIからの変更をAudioスレッドへロックフリーで安全に伝達

UI Thread

StateSnapshot + StateSerializer

JSON シリアライズ/デシリアライズによる完全な状態永続化。プリセット保存・復元に対応

Persistence

カーブ・シェーピング

モジュレーションの応答カーブを指数関数で制御。exponent=0.5で穏やかな応答、1.0でリニア、2.0以上で急激な応答になります。

expo=0.5
穏やかなカーブ
expo=1.0
リニア(デフォルト)
expo=2.0
急激なカーブ

コード例

// ポリアディックアサイン: ChaosのY軸 → Filter Cutoff
modMatrix.assignPolyadic(
    "chaos_1",        // ソースノードID
    "filter_1",       // ターゲットノードID
    PARAM_FREQUENCY,  // ターゲットパラメータ
    0.5f,             // モジュレーション深度 (0.0–1.0)
    1,                // sourceAxis: 0=x, 1=y, 2=z
    2.0f              // curveExponent (応答カーブ)
);

接続ごとのパラメータ (Polyadic Modulation)

各モジュレーション接続には以下のパラメータが個別に設定可能です。Inspector でワイヤを選択すると編集できます。

パラメータ範囲デフォルト説明
Depth 0.0–1.0 0.5 モジュレーション深度。ソース出力にこの値を乗算してターゲットに適用
Mode 5種 Add ソース値の適用方法(下表参照)
Source Axis X / Y / Z X ChaosNode 等の多軸ソースから使用する軸を選択
Curve Exponent 0.1–4.0 1.0 応答カーブ形状。0.5=穏やか(√)、1.0=リニア、2.0=急激(x2)
Range Min/Max 0.0–1.0 0.0 / 1.0 ソース出力のリマップ範囲。Ctrl+ドラッグで Inspector 上で直接編集
Lag (ms) 0–5000 0 1-pole ローパス・スムージング。急激な変化を滑らかに。ポルタメント的な効果
Phase Offset 0.0–1.0 0.0 ソース位相のオフセット。同一 LFO を複数ターゲットに位相差をつけて接続

モジュレーション・モード (5種)

Mode計算式用途
Add (0) target += source × depth 標準的な加算変調。LFO→Cutoff などの基本的なパラメータ変調
Multiply (1) target *= source × depth 振幅変調。Envelope→Level でダイナミクス制御
Replace (2) target = source × depth パラメータ値を直接置換。外部 CV で完全制御する場合
Bipolar (3) target += (source × 2 - 1) × depth ユニポーラ・ソースをバイポーラ化して適用。中心値からの±変調
Unipolar (4) target += max(0, source) × depth 負の値をクランプして正方向のみ適用

応用パターン

Cascading Depth

LFO の深度を別の LFO で変調

LFO-A → Filter.Cutoff (Add, depth=0.8)、LFO-B → LFO-A.Depth (Multiply, depth=0.5)。 LFO-B の周期で LFO-A のモジュレーション深度が波打ち、単純な周期では得られない複雑な揺らぎが生まれます。
Polyadic Chaos

Chaos 3軸を3パラメータに同時接続

Chaos.X → Osc.Shape (Curve=2.0)、Chaos.Y → Filter.Cutoff (Lag=50ms)、Chaos.Z → Reverb.Size (Range=0.3–0.7)。 1つのカオス・アトラクタから3つの独立したモジュレーションを抽出し、統一感のある有機的変化を生成。
Phase-Spread Stereo

同一LFOを位相差で左右に振り分け

LFO → Osc-L.Detune (Phase=0.0)、LFO → Osc-R.Detune (Phase=0.5)。 同じ LFO から180度位相がずれたモジュレーションを取り出し、擬似ステレオ・ワイド効果を実現。

パフォーマンスと最適化

Symbiontは全てのオーディオ処理においてリアルタイム安全性(RT-Safety)を保証します。 SIMD最適化 (68/89アルゴリズム Double2 NEON/AVX2化) により、重いアルゴリズムでもCPU効率を最大化。 内部DSPはdouble精度(f64)統一で数値安定性を確保。 詳細なアーキテクチャ説明は アーキテクチャ概要 セクションを参照。

ジェネレーター: Core (4種)

音源の核となる基本ジェネレーター。正弦波の純粋な振動から、カオス・アトラクタの予測不可能な軌道まで——すべての音はここから生まれる。

Generator

Oscillator

89アルゴリズムの波形生成。E612 432Hz自然チューニング、5テンペラメント、Sacred周波数プリセット対応。V/Oct入力でピッチCV制御。ステレオ出力。
概要

Symbiontのサウンドエンジンの心臓部であり、「すべての音の源泉」として設計されています。単一のオシレーターでありながら、FM、AM、ウェーブテーブル、アディティブ合成など79種類もの異なる合成アルゴリズムを内包するマクロ・オシレーターの概念を採用しています。内部的には100%SIMDベクトル化されており、非常に重いアルゴリズムでもCPU負荷を極限まで抑えながら、エイリアシングノイズのない超高解像度なピッチを生成します。また、432Hzの自然チューニングシステムと深く統合されており、コードやドローンを鳴らした際の不完全な倍音のうなりまでも、有機的にコントロールできるように設計されています。

TIPS

基本のメロディ: SequencerCV Outを本ノードのV/Octポートへ接続することで、正確な音程でメロディを奏でます。Gateポートにトリガーを入力すれば、内蔵のアタック・リリースが適用され、VCAなしでも音を鳴らすことができます。
動的なテクスチャ: LFOChaosShapeColorポートへ接続してみてください。波形の形や倍音構成が時間とともにうごめく、有機的なテクスチャが生まれます。

OUT [Audio] V/Oct [CV] Gate [Gate] Shape [CV] Detune [CV] Color [CV] Level [CV] Morph [CV] Mod [CV] Spread [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Frequency V/Oct (port 0) 20Hz–20kHz 基本周波数。V/Oct CVで1V=1オクターブ精度のピッチ制御
Waveform 89アルゴリズム Sine/Saw/Square/Triangle/Pulse/SuperSaw/FM/AM/Additive/Wavetable等
Shape (Param1) CV (port 2) 0.0–1.0 波形シェイプ。パルス幅、FM深度、Additive倍音構成等
Detune (Param2) CV (port 3) 0.0–1.0 デチューン量。SuperSawの広がり、FM比率変調等
Color CV (port 4) 0.0–1.0 倍音カラー。ブライトネス/ウォームスの連続制御
Level CV (port 5) 0.0–1.0 出力レベル。VCA的な音量制御
Morph (Param3) CV (port 6) 0.0–1.0 モーフィング。波形間の連続変化
Mod (Param4) CV (port 7) 0.0–1.0 汎用モジュレーション。アルゴリズム依存
Spread CV (port 8) 0.0–1.0 ステレオ幅。0.0=モノ、1.0=フルステレオ
Quality 0–2 アンチエイリアス品質(0=Eco, 1=High, 2=Ultra)
Free Run 0/1 モジュラー・フリーラン・モード
Portamento 0–10s ポルタメント / グライド時間
Envelope Bypass 0/1 外部エンベロープ用に内蔵ADSRをバイパス
V/Oct入力にSequencerのCV Outを接続すると、正確な音程でメロディを再生できます。Gate入力にSequencerのGate Outを接続してノートのON/OFFを制御します。
89アルゴリズム一覧

OscillatorNodeは89種の合成アルゴリズムを内蔵するマクロ・オシレーターです。Waveform / Modulation / Texture / Extendedの4カテゴリに分類されます。

Waveform (0-24)
0:Sine 1:Triangle 2:Square 3:Sawtooth 4:Pulse 5:AnalogSaw 6:AnalogSquare 7:SubOscillator 8:DualSaw 9:HyperSaw 10:OddHarmonics 11:EvenHarmonics 12:SpectralResonator 13:FormantWave 14:WavetableMorph 15:Exponential 16:ComplexFolder 17:HardSync 18:PWM 19:Sinc 20:SoftClip 21:CubicShaper 22:HarmonicStack 23:ModalStrike 24:PhasePlantFM
Modulation (25-49)
25:PhysicalString 26:DoubleFM 27:FeedbackFM 28:CrossFM 29:StackedFM 30:PhaseMod 31:PhaseDistortion 32:PhaseSync 33:PhaseShaper 34:WaveShaping 35:RingMod 36:ModalBar 37:StereoRing 38:DoubleRing 39:DiodeRingMod 40:SpectralFreeze 41:PMPlusAM 42:VectorMod 43:GranularMod 44:ChaosMod 45:SyncFM 46:MultiCarrier 47:WaveMorph 48:BitCrush 49:Resonator
Texture (50-74)
50:Unison 51:ChorusOsc 52:Ensemble 53:VoiceStack 54:CyberBreath 55:EvolvingPad 56:SpectralMorph 57:Flowing 58:GranularCloud 59:StochasticDust 60:PingPongOsc 61:RotatingPhase 62:RhythmicGater 63:Fractal 64:Neural 65:Swarm 66:Crystals 67:Clouds 68:Granular 69:Shimmer 70:Spectral 71:QuantumDust 72:BioGlitch 73:Spatial 74:Holographic
Extended (75-78)
75:DigitalMist 76:EtherealShimmer 77:PulseAM 78:ResonantGlitch
Phase 2-A · New Wave (79-84)
79:FM4Op 80:KarplusStrong 81:BitCrushWave 82:Chebychev 83:PhaseDistortWave 84:Supersaw
Phase 2-B · New Mod (85-88)
85:FreqShift 86:GranularModNew 87:SpectralFreezeModo 88:CombFilter
Generator

Noise

6種のノイズ生成器 (White/Pink/Brown/Blue/Violet/Crackle)。ステレオ幅制御付き。パーカッション素材、アンビエントテクスチャ、フィルター加工のソースに最適。
概要

ランダムネスはモジュラーシンセシスにおける生命力の源です。Noiseノードは、純粋な静寂から「風」や「波」といった自然環境音、スネアやハイハットといったパーカッションまで、あらゆる非周期的なサウンドのベースを提供します。特にPink Noise(1/fノイズ)は、人間の聴覚に対して最も自然で心地よいエネルギー分布を持つため、ドローンやアンビエントのテクスチャを埋めるのに最適です。DSP内部では、高品質な擬似乱数生成アルゴリズムを用いて、ステレオ幅を伴った豊かなノイズ空間を生成します。

TIPS

パーカッションの合成: NoiseをFilter(LPまたはBP)に入力し、EnvelopeでフィルターのCutoffとVCAを短く叩くことで、電子的なスネアドラムやハイハットを作成できます。本ノードにはTriggeredモードとGate入力の立ち上がりエッジ検出機能も備わっています。
環境音スカルプト: Pink または Brown NoiseをFilter(LP)に通し、Resonanceを少し上げ、さらにゆっくりとしたLFOでCutoffを揺らします。波の満ち引きや、強風の吹き荒れるようなシネマティックな環境音が完成します。
モジュレーション・ソース: Audio帯域のノイズですが、SampleAndHoldの入力ソースとして利用することで、ランダムなステップ信号の源泉としても機能します。

OUT [Audio] Level [CV] Width [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Type 6タイプ White: 全帯域均一。Pink: 1/fノイズ、自然なスペクトル。Brown: ランダムウォーク、低域豊か。Blue: 高域強調(+3dB/oct)。Violet: 超高域集中(+6dB/oct)。Crackle: 不規則なインパルス列、有機的テクスチャ
Level CV (port 0) 0–100% 出力レベル。CV入力で加算変調
Stereo Width CV (port 1) 0–100% ステレオ幅。0%=モノラル、100%=完全独立ステレオ
Decay CV (port 2) 可変 エンベロープ・ディケイタイム (Triggeredモード時)
Triggered 0/1 ゲートとディケイを使用したトリガ・パーカッション・モード
Generator

Chaos

17種のカオス・アトラクタ (Lorenz, Rössler, Chua, Hénon, Ikeda, Aizawa, Duffing等)。3軸(X/Y/Z)出力で複数パラメータを同時に有機的に変調。RK4数値積分、4つのアトラクタ固有パラメータ。
概要

LFOの「規則的な往復」と、ノイズの「完全な無秩序」のあいだに存在するもの——カオス・アトラクタは、 絶対に同じ経路を通らないが特定の形に収束し続けるという、自然界固有の揺らぎを数式化したものです。 風の揺れ、炎の揺らめき、心拍のゆらぎと同じ構造をもつ17の微分方程式・離散写像をリアルタイムで数値積分し、 その3次元座標(X / Y / Z)をモジュレーションソースとして供給します。 機械的な繰り返しを廃したすべてのサウンドデザインに対して、Chaosノードは「生きた揺らぎ」の源泉となります。

内部では連続力学系にRunge-Kutta 4次法(RK4)を使用し、離散写像はステップごとに即時更新。 各アトラクタは固有の出力スケーリングを持ち、モジュレーション範囲(概ね±1)に正規化されています。 4つの汎用パラメータ(A/B/C/D)はアトラクタごとに異なる物理量にマッピングされ、 CVで動的に制御することでカオス的な状態遷移(分岐、周期倍化、カオス帯)をリアルタイムに操作できます。 k-rate(~750Hz)で動作するスカラーモジュレーションソースとして、任意のノードのModulationSlotに接続可能です。

TIPS

ポリアディック変調: X→Filter.Cutoff、Y→Osc.Shape、Z→Delay.Time へ同時に接続。3軸は数学的に結合しているため、互いを参照しながら連動して動きます。 バラバラなランダムでは生まれない、有機的な一体感が現れます。
アンビエントの心臓部: Speed CVを最低域まで絞り、A / B / Cパラメータを別のLFOで微弱に変調。 数分〜数十分のスケールで静かに変容し続ける、二度と繰り返さないドローン空間の変調核に。
分岐探索: LorenzのParam A(σ)を5→25までゆっくりLFOでスイープ。 周期的→準周期的→カオスへの状態遷移が聴覚的にも確認できる。 分岐点付近で最も複雑なテクスチャが得られる。
1Dマップの活用: LogisticやTentは1次元(Xのみ出力)だが、r=3.57付近のカオス領域では極めて不規則なステップCV源に。 StepSequencerのGate確率制御や、Quantizerの入力CVとして。
Double Pendulum: 物理シミュレーションとして最も直感的。X/Y出力(sin(θ₁)/sin(θ₂))を2台のOscillatorのPitch CVに接続すると、 物理法則に従った複雑な連動メロディに。

17 アトラクタ一覧
連続力学系 — 3D ODE (7種)
Lorenz Rössler Chua Aizawa Halvorsen Chen Sprott-Lin
連続力学系 — 強制/非線形振動 (3種)
Duffing Van der Pol Double Pendulum
離散写像 — 2D (5種)
Hénon Ikeda Clifford Gingerbreadman Chirikov
離散写像 — 1D (2種)
Logistic Tent
パラメータ対応表

各アトラクタにおけるParam A〜Dの物理的意味と内部範囲(ノード上は0.0〜1.0に正規化):

アトラクタ Param A Param B Param C Param D 出力スケール
Lorenz 3D ODE σ (5–25) ρ (28–48) β (1–6) ×0.05
Rössler 3D ODE a (0.1–0.5) b (0.1–0.5) c (5.7–15.7) ×0.1
Chua 3D ODE α (15.6–25.6) β (20–35) m₀ (−2〜−1) m₁ (−1.5〜−0.5) ×0.2
Aizawa 3D ODE a (0.5–1.5) b (0.3–1.0) c (0.1–1.0) ×0.2
Halvorsen 3D ODE a (1.2–1.5) coupling (3–5) ×0.1
Chen 3D ODE a (30–40) b (1–5) c (20–35) ×0.04
Sprott-Lin 3D ODE a (1–3) ×0.4
Duffing 2D+強制 δ 減衰 (0.05–0.5) α 剛性 (0.5–2.0) γ 強制力 (0.1–0.5) ω 角振動数 (0.5–2.0) ×0.5
Van der Pol 2D ODE μ (0.1–4.0) ×0.3
Double Pendulum 4D ODE m₂ 質量比 (0.1–1.0) L₂ 長さ比 (0.5–2.0) sin変換
Hénon 2D Map a (0.5–1.5) b (0.1–0.5) ×0.5
Ikeda 2D Map u (0.5–1.0) c₁ (0.2–0.6) c₃ (4–8) ×0.3
Clifford 2D Map a (−2〜−1) b (1–2) c (0.5–1.5) d (0.5–1.0) ×0.5
Gingerbreadman 2D Map ×0.1
Chirikov 2D Map K (0.5–5.0) θ/π正規化
Logistic 1D Map r (3.0–4.0) 2x−1
Tent 1D Map r (1.0–2.0) τ 閾値 (0.3–0.7) 2x−1

「—」= 未使用(ノブ操作は無効)。パラメータ範囲はノード上で0.0〜1.0に正規化され、内部で上記範囲にマッピングされます。 1D/2DシステムのZ Outは常に0を出力。Chuaは安定性のため内部タイムステップが10分の1に縮小されます。

X Out [CV] Y Out [CV] Z Out [CV] Gate [Gate] Speed [CV] A [CV] B [CV] C [CV] D [CV] Algorithm [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Algorithm Algorithm CV (port 6) 17アトラクタ カオス・アトラクタの選択(上記一覧参照)
Speed Speed CV (port 1) 0.0001–0.1 積分タイムステップ。低速=滑らかな変化、高速=激しいカオス
Param A A CV (port 2) 0.0–1.0 アトラクタ固有パラメータ(上記対応表参照)
Param B B CV (port 3) 0.0–1.0 アトラクタ固有パラメータ(上記対応表参照)
Param C C CV (port 4) 0.0–1.0 アトラクタ固有パラメータ(上記対応表参照)
Param D D CV (port 5) 0.0–1.0 アトラクタ固有パラメータ。Chua(m₁)、Duffing(ω)、Clifford(d)のみ使用
Generator

HarmonicSeries

加算合成ジェネレーター。最大64倍音、8種の合成アルゴリズム、23種のコード・ボイシング。純正律ベースの和音構造をリアルタイムに生成・変調。
概要

最大64個のサイン・パーシャルを同時に鳴らす加算合成ジェネレーターです。8種の合成アルゴリズム(Sine, Triangle, Saw, Square, FM, Wavefold, RingMod, PhaseDist)と23種のコード・ボイシング(Major/Minor三和音からMaj13まで)の組み合わせにより、豊かな倍音構造をリアルタイムに生成します。

コードの各音程は純正律(Just Intonation)の周波数比で配置され、倍音数の増加に伴いオクターブを自動的に積層します。ゲイン補正(1/√(Σamp²))により倍音数に関わらず安定した出力レベルを維持。Modular Free Runモードではゲート不要のドローン生成が可能(最初のMIDIノートで自動解除)。

8種の合成アルゴリズム

0: Sine — 純粋なサイン加算合成。ParamA=位相オフセット、ParamB=デチューン。
1: Triangle — 奇数倍音(1/n²減衰)。ParamA=対称性、ParamB=輝度。
2: Saw — 全倍音(1/n減衰)。ParamA=輝度、ParamB=エッジ。
3: Square — 奇数倍音(1/n減衰)。ParamA=パルス幅、ParamB=エッジ。
4: FM — 倍音間のFM変調。ParamA=FMインデックス、ParamB=フィードバック。
5: Wavefold — 非線形ウェーブフォールディング。ParamA=フォールド深度、ParamB=非対称性。
6: RingMod — 倍音間のリングモジュレーション。ParamA=倍音シフト、ParamB=デチューン。
7: PhaseDist — 位相歪みによるスペクトル変色。ParamA=歪み量、ParamB=波形形状。

TIPS

和声パッド: Chord=Maj7, Harmonics=32, Algorithm=Sine, Spread=0.7で透明な純正律パッド。
FM倍音探索: Algorithm=FM, ParamA(FMインデックス)を徐々に上げると倍音構造が複雑に変化。Chordを切り替えてFMと和声の交差点を探る。
ドローン: Free Run=On, Attack=長め, Harmonics=64で最大密度のドローン。Balanceでスペクトルの左右分布を変調。

OUT L/R [Audio] V/Oct [CV] Gate [Gate] Algo CV [CV] Chord CV [CV] Balance CV [CV] Spread CV [CV] Param A CV [CV] Param B CV [CV] Harmonics CV [CV] Morph CV [CV] Attack CV [CV] Release CV [CV] Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
AlgorithmCV (port 2)0–7合成アルゴリズム選択(Sine/Tri/Saw/Sq/FM/Fold/Ring/PDist)
ChordCV (port 3)0–22コード・ボイシング(23種、純正律)
FrequencyV/Oct (port 0)20–20,000 Hz基本周波数(デフォルト 432Hz)
BalanceCV (port 4)0.0–1.0スペクトル・バランス(左右の周波数強調)
SpreadCV (port 5)0.0–1.0ステレオ幅 / スペクトル拡散
Param ACV (port 6)0.0–1.0アルゴリズム固有パラメータA(名称はアルゴリズムにより変化)
Param BCV (port 7)0.0–1.0アルゴリズム固有パラメータB(名称はアルゴリズムにより変化)
HarmonicsCV (port 8)1–64アクティブな倍音数
MorphCV (port 9)0.0–1.0コードブレンド(将来拡張用)
AttackCV (port 10)0.1–2,000 msARエンベロープのアタック
ReleaseCV (port 11)1–5,000 msARエンベロープのリリース
Free Run0/1ゲート不要のドローンモード(初回MIDIで自動解除)
VCA LevelCV (port 12)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.7)

ドラムシンセ (9種)

パーカッション合成に特化した専用エンジン群。BD、SD、HHから、物理モデリング、グラニュラー、メタルパーカッションまで幅広いリズム音色をカバー。衝撃と減衰——パーカッションは音の最も原始的な形態であり、身体に最も直接的に作用する波動である。すべて ITriggerableNode 対応。

DrumSynth

PulseCore

FM合成ベースのキック・パーカッション特化型シンセサイザー。クリック・サブオクターブ・ウェーブフォールドを統合した8ステージ合成チェーン。
概要

ダンスミュージックから実験音楽まで、楽曲の基盤となるキックドラムやローエンドの衝撃を生成するために特化チューニングされた専用ジェネレーターです。内部でFM変調によるピッチエンベロープを最適化しており、TR-808/909的なクリーンなキックから、ウェーブフォールディングやサチュレーションを効かせたインダストリアルなパルスまで、幅広い音色をカバーします。

合成チェーンは FM変調 → ウェーブフォールド/ドライブ → クリックトランジェント → サブオシレーター → LPF → VCA の6段構成。Shapeパラメータが0.5以下ではtanhドライブ、0.5以上ではトライアングルフォールドに切り替わり、連続的に質感を変化させます。

TIPS

808スタイル: Pitch=0.25, Body=0.3, Tone=0.3, Click=0.15でクリーンなアナログキック。Subを0.3まで上げるとローエンドが強化されます。
インダストリアル: Shapeを0.7以上に設定するとウェーブフォールドが起動し、エッジの効いた金属的なテクスチャが現れます。Bodyを上げてFMフィードバックを深くすると、さらに攻撃的な音色になります。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Velocity [CV] Pitch CV [CV] Click CV [CV] Body CV [CV] Tone CV [CV] Sub CV [CV] Shape CV [CV] Attack CV [CV] Release CV [CV] Env CV [CV] VCA Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
PitchCV (port 1)-24〜+24 st基本ピッチ。60Hzを0としたセミトーン指定
ClickCV (port 3)0.0–1.0クリック・トランジェントのミックス量(3msディケイ)
BodyCV (port 4)0.0–1.0FM変調の深さ。高値でフィードバック付きFM
ToneCV (port 5)0.0–1.0LPFカットオフ(0.35–0.99 normalized SR)+ ピッチスイープ幅
SubCV (port 9)0.0–1.0サブオシレーター(1オクターブ下の純粋サイン波)
ShapeCV (port 10)0.0–1.0≤0.5: tanhドライブ、>0.5: トライアングルフォールド
VCA LevelCV (port 11)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.8)
AttackCV (port 6)0.0–1.0ARエンベロープのアタック時間
ReleaseCV (port 7)0.0–1.0ARエンベロープのリリース時間
Curve0.0–1.0エンベロープカーブ形状(指数関数)
Env BypassCV (port 12)0/1内蔵エンベロープをバイパス
DrumSynth

DataSonic

デジタル・ミニマリスト・シンセシス。Ryoji Ikeda / Alva Noto風の美学を体現する純粋数学的合成エンジン。
概要

現代の電子音楽における「データ美学」を体現するデジタル・ミニマリスト・シンセシス・ノードです。クリック、グリッチ、マイクロサウンド等の「デジタルな粒」を純粋な数学的合成で生成します。内部はデジタルオシレーター + ハーモニクスエンリッチメント(2次×0.5, 3次×0.3, 5次×0.2)→ ビットクラッシュ + SRリダクション → ポアソンプロセス・マイクロインパルス + リングモジュレーション → DCカップリングHPF → ステレオ位相デコリレーションの合成チェーンで構成されます。

TIPS

ミニマルクリック: Frequency=0.8, Decay=0.02, Crush=0.5で精密なデジタルクリックを生成。Densityを加えるとポアソン分布のマイクロインパルスが加わります。
グリッチテクスチャ: Crushを0.8以上に設定するとSRリダクション(最大32倍)による折り返し歪が発生。Harmonicsで倍音を付加するとさらに複雑なスペクトルに。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Freq CV [CV] Decay CV [CV] Harmonics CV [CV] Density CV [CV] Crush CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
FrequencyCV (port 1)100–24,000 Hzデジタルオシレーターの基本周波数
DecayCV (port 2)1–500 ms指数関数ディケイ
DensityCV (port 4)0.0–1.0ポアソンプロセス・インパルス密度 + リングモジュレーション(深さ: density×0.4)
CrushCV (port 5)0.0–1.0ビット深度(16→4bit)+ SR低減(factor: 1+floor(crush²×31))
HarmonicsCV (port 3)0.0–1.02次/3次/5次倍音のエンリッチメント強度
Stereo0.0–1.0位相デコリレーションによるステレオ幅(位相差: stereo×0.15rad)
Level0.0–1.0出力VCAレベル(デフォルト 0.8)
DrumSynth

ResonantBody

8モード・モーダルレゾネーター。金属板・ベル・シンバルの共鳴を物理モデリングで再現。非調和倍音比の連続制御に対応。
概要

物理的な金属板、ベル、シンバルが打撃された時の複雑な共鳴現象をデジタル上でモデリングした統合物理モデリング・ノードです。内部は8基のバイクワッド・バンドパスフィルタによるモーダルレゾネーターバンクで構成され、各モードの周波数比をSpreadパラメータで調和倍音(整数比)から非調和倍音(非整数比)へ連続的にモーフィングできます。

Spread ≤0.5 では調和→タイトな非調和へ補間、>0.5 ではタイトな非調和→ワイドな非調和へ補間されます。これにより、チューブラーベルのような澄んだ音色からガムランのような複雑な金属音まで、単一のパラメータで横断できます。

TIPS

ベル: Spread=0.3, Complexity=0.7, Brightness=0.8。モーダルバンクが倍音的に整列し、ベルらしい持続音が得られます。
シンバル: Spread=0.8以上に設定するとワイドな非調和比率になり、金属的でノイジーなテクスチャに。Dampingで残響を制御。

周波数比テーブル
調和倍音 (Spread=0)
1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0
非調和タイト (Spread=0.5)
1.0 1.59 2.14 2.65 3.53 4.56 5.71 6.84
非調和ワイド (Spread=1.0)
1.0 2.37 3.89 5.12 6.71 8.33 10.1 12.4
OUT L/R [Audio] Gate [Gate] Tone [CV] Decay [CV] Spread [CV] Damping [CV] Brightness [CV] Complexity [CV] Strike [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
ToneCV (port 1)100–2,000 Hzモーダルバンクの基本周波数
DecayCV (port 2)Q 5–50各モードのQ値(共鳴の持続時間)
SpreadCV (port 3)0.0–1.0周波数比の調和→非調和モーフィング
DampingCV (port 4)0.0–1.0Qダンピング係数(×(1-damping×0.7))
BrightnessCV (port 5)0.0–1.0高次モードの振幅減衰率
ComplexityCV (port 6)1–8 モードアクティブなモーダルレゾネーターの数
StrikeCV (port 7)0.0–1.0打撃エキサイテーションの強度
Level0.0–1.0出力レベル(デフォルト 0.8)
DrumSynth

BD

高度なキックドラム・シンセサイザー。AHDピッチエンベロープ + FM変調 + ピッチドクリック + サブオクターブ + ウェーブフォールド。14入力による精密なCV制御。
概要

PulseCoreよりさらに精密なキックドラム合成を実現するための専用シンセサイザーです。3フェーズ(Attack→Hold→Decay)のAHDピッチエンベロープ、独立したFM深度エンベロープ、ノイズ/ピッチドの2種類のクリックトランジェント、サブオシレーター、ドライブ/フォールドの選択可能な歪、そしてトーン連動のLPFを搭載しています。

ピッチカーブはexp(pitchCurve×4-2)の指数関数マッピングで、0.018〜54.6のパワー指数レンジをカバー。ピッチスイープの形状を極めて精密に制御できます。

TIPS

重厚なキック: Pitch=0.25(~90Hz), Tone=0.2, Sub=0.3, Decay=0.35(~700ms)。Click=0.15でアタック感を付加。
ハードキック: Driveを0.5以上に設定してtanhサチュレーションを有効化。Bodyを上げてFM深度を追加し、さらにFoldでウェーブフォールドを重ねると、インダストリアルな質感に。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Pitch CV [CV] Tone CV [CV] Body CV [CV] Sub CV [CV] Drive CV [CV] Fold CV [CV] Attack CV [CV] Decay CV [CV] Release CV [CV] Env CV [CV] Click CV [CV] VCA Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
PitchCV (port 1)20–300 Hz基本周波数(デフォルト ~90Hz)
ToneCV (port 2)0.0–1.0ピッチスイープ比率(1.5–16倍)
BodyCV (port 3)0.0–1.0FM変調の深さ
ClickCV (port 12)0.0–1.0クリックトランジェントのミックス
SubCV (port 4)0.0–1.0サブオシレーター(freq/2)の振幅
DriveCV (port 5)0.0–1.0tanhサチュレーション(ゲイン 1–16倍)
FoldCV (port 6)0.0–1.0トライアングル・ウェーブフォールド(ゲイン 1–8倍)
AttackCV (port 7)0.0–1.0アンプ・エンベロープのアタック
DecayCV (port 8)5–2,000 msアンプ・エンベロープのディケイ
ReleaseCV (port 9)0.0–1.0アンプ・エンベロープのリリース
Curve0.0–1.0エンベロープカーブ(指数)
Env BypassCV (port 11)0/1内蔵エンベロープをバイパス
VCA LevelCV (port 13)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.8)
DrumSynth

SD

6エンベロープ搭載のスネアドラム・シンセサイザー。FM合成トーン + SVFバンドパスノイズ + リングモジュレーション + コムフィルターの多層合成。
概要

スネアドラムの複雑な音響構造を再現するための多層合成ノードです。トーンレイヤー(FM合成:比率0.5–8倍、フィードバック付き)とノイズレイヤー(Chamberlin SVFバンドパスフィルター)を独立したエンベロープで制御し、リングモジュレーション(トーン×フィルタードノイズ)でクロスカップリングさせます。さらにスナップ・トランジェント(ノイズまたはピッチドスイープの選択可能)とコムフィルター(0.1–10ms、フィードバック±0.95)を搭載し、クリーンなアコースティック・スネアからAutechre的な複雑なパーカッションまで、幅広い音色設計が可能です。

6つの独立エンベロープ(amp、pitch、tone、noise、snap、fmDepth)が同時に動作し、各レイヤーの時間軸を精密に制御します。

TIPS

クラシック・スネア: Noise=0.5, Noise Color=0.4(BPF 3kHz帯), Body=0.3。Ring=0でクリーンなトーン+ノイズ構造。
IDM/Autechre: Ringを0.5以上に設定してトーン×ノイズのリングモジュレーションを有効化。Body(FM深度)とNoise Reso(BPFのQ値)を上げることで、金属的で複雑なテクスチャが生まれます。コムフィルターで追加の共鳴を付加。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Pitch CV [CV] Tone CV [CV] Body CV [CV] Drive CV [CV] Noise CV [CV] Noise Reso CV [CV] Attack CV [CV] Decay CV [CV] Release CV [CV] Env CV [CV] VCA Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
PitchCV (port 1)80–400 Hzトーン/シェルの基本周波数
ToneCV (port 2)0.0–1.0ピッチスイープ比率(1.5–8倍)
BodyCV (port 3)0.0–1.0FM変調の深さ
Ring0.0–1.0トーン×ノイズのリングモジュレーション強度
DriveCV (port 4)0.0–1.0tanhサチュレーション
NoiseCV (port 5)0.0–1.0ノイズレイヤーのブレンド量
Noise Color500–10,000 HzノイズBPFの中心周波数
Noise ResoCV (port 6)Q 0.5–20ノイズBPFのレゾナンス
AttackCV (port 7)0.0–1.0アンプ・エンベロープのアタック
DecayCV (port 8)5–1,000 msアンプ・エンベロープのディケイ
ReleaseCV (port 10)0.0–1.0アンプ・エンベロープのリリース
Curve0.0–1.0エンベロープカーブ形状
VCA LevelCV (port 13)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.8)
DrumSynth

HH

808インスパイアの6オシレーター・リングモジュレーション + SVFハイパスフィルター + コムフィルター。クローズド/オープンの連続可変に対応。16入力。
概要

TR-808のハイハット回路にインスパイアされた6オシレーター・クラスター方式のハイハット・シンセサイザーです。非調和な周波数比を持つ6つのオシレーターを3ペアにリングモジュレーションし、メタリックなテクスチャを生成します。Colorパラメータで周波数比のスプレッドを圧縮(ベル的)から拡大(エイリアン的)まで制御し、Metallicパラメータでサイン波→矩形波のモーフィングを行います。

クローズド/オープンの切り替えはOpenパラメータで連続的にブレンドされます。クローズドディケイ(5–80ms)とオープンディケイ(80–800ms)の間を滑らかに補間し、ライドシンバルやクラッシュまで幅広い持続時間をカバーします。

808 デフォルト周波数比
6-Oscillator Ratios (800Hz base)
1.0 (200Hz) 0.675 (135Hz) 3.125 (625Hz) 4.0 (800Hz) 5.0 (1kHz) 5.875 (1.175kHz)
TIPS

808ハイハット: Tone=0.5, Metallic=0.7, Open=0(クローズド)。HPF Freq=0.3で低域をカット。
オープンハイハット: Open=0.7以上でディケイが80ms+に。Noiseを加えて空気感を付加。
エイリアン・シンバル: Color=0.9で周波数比を極端に拡大。Combでメタリック共鳴を追加。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Tone CV [CV] Color CV [CV] Metallic CV [CV] Open CV [CV] Noise CV [CV] Drive CV [CV] Attack CV [CV] Decay CV [CV] Release CV [CV] Env CV [CV] Comb CV [CV] HPF Freq CV [CV] HPF Reso CV [CV] VCA Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
ToneCV (port 1)200–800 Hz6オシレーター・クラスターの基本周波数
ColorCV (port 2)0.5–2.0×周波数比のスプレッド(圧縮↔拡大)
MetallicCV (port 3)0.0–1.0サイン波→矩形波モーフィング
OpenCV (port 4)0.0–1.0クローズド(5–80ms)↔オープン(80–800ms)ディケイブレンド
NoiseCV (port 5)0.0–1.0ノイズレイヤーのブレンド
DriveCV (port 6)0.0–1.0tanhサチュレーション
CombCV (port 12)0.0–1.0コムフィルター時間+フィードバック(統合)
HPF FreqCV (port 13)1–15 kHzSVFハイパスフィルターの周波数
HPF ResoCV (port 14)Q 0.5–10SVFハイパスのレゾナンス
AttackCV (port 7)0.0–1.0アンプ・エンベロープのアタック
DecayCV (port 8)可変基本ディケイ(Open値で実効値が変化)
ReleaseCV (port 9)0.0–1.0アンプ・エンベロープのリリース
VCA LevelCV (port 15)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.8)
DrumSynth

ElasticPerc

弾性体パーカッション・シンセ。サインクラスター(2–8ボイス) + バウンスモジュレーション + Pow/Wrap/Foldシーケンシャル・ウェーブシェーピング。
概要

Mark Fell / Rian Treanor的な弾力的・有機的なパーカッション音色を生成する専用シンセサイザーです。2–8ボイスのサインクラスターを基盤とし、減衰コサイン(バウンス)によるピッチオーバーシュート変調が弾性体の跳ね返りのような独特の質感を与えます。

ウェーブシェーピングは Pow(符号保存パワー関数、指数0.25–4.0)→ Wrap(モジュラーラッピング、ゲイン1–8倍)→ Fold(トライアングル反射、ゲイン1–8倍)のシーケンシャル・パイプラインで処理され、ShapeEnvパラメータで波形整形の強度をアンプエンベロープに追従させることも可能です(トランジェントでは強い歪、テールでは純粋なサイン)。

TIPS

バウンシー・パーカッション: Bounce=0.3, Sweep=0.3, Pitch=0.3(~200Hz)でゴム質な弾性音。Grainで声の密度を変化。
グリッチ・パーカッション: Shapeを0.7以上に設定するとPow+Wrap+Foldが同時に作用し、極端に複雑な波形が出現。Grainでクラスタ密度を上げると、群体的なテクスチャに。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Pitch CV [CV] Sweep CV [CV] Bounce CV [CV] Shape CV [CV] Decay CV [CV] Attack CV [CV] Release CV [CV] Env CV [CV] Grain CV [CV] VCA Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
PitchCV (port 1)40–800 Hzサインクラスターの基本周波数
SweepCV (port 2)0.0–1.0ピッチスイープ比率(1–16倍)
Sweep Time5–500 msピッチスイープの持続時間
BounceCV (port 3)0.0–1.0減衰コサイン・オーバーシュート変調(周波数8–48Hz)
DecayCV (port 5)5–2,000 msアンプ・エンベロープのディケイ
ShapeCV (port 4)0.0–1.0統合ウェーブシェーパー(Pow+Wrap+Fold)
GrainCV (port 9)2–8 voicesサインクラスターのボイス数
VCA LevelCV (port 11)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.8)
AttackCV (port 6)0.0–1.0アンプ・エンベロープのアタック
ReleaseCV (port 7)0.0–1.0アンプ・エンベロープのリリース
Curve0.0–1.0エンベロープカーブ形状
Env Bypass0/1内蔵エンベロープをバイパス
DrumSynth

GrainPerc

グラニュラー・パーカッション・シンセ。最大32グレインのクラウドから、テクスチャリッチなパーカッション音色を生成。Freeze/Warpによるタイムストレッチ、3種のウィンドウ関数、Haas空間処理を搭載。
概要

最大32個の短尺グレイン(1–100ms)を同時発音し、グレインクラウドからパーカッシブな音色を合成するジェネレーターです。各グレインはサイン波キャリアを持ち、Spray(ピッチスプレッド)とChaos(タイミングジッター)によって群体的なテクスチャが生まれます。

Freezeモードではグレインクラウドのモノサムを4096サンプルのバッファにキャプチャし、Warp(0.25x–4x)でタイムストレッチしながらループ再生します。Texture(ウィンドウ関数)はHann/Gaussian/Rectangularの3種から選択可能。内蔵エフェクトとしてColor(SVフィルター)、Crush(ビットリダクション)、Scatter(Haasディレイ+ランダムパンニング)、Space(マルチタップリバーブ)を装備。

TIPS

テクスチャ・パーカッション: Rate=0.7, Spray=0.4, Chaos=0.3で有機的なグレインクラウド。Textureでウィンドウ形状を切り替えると質感が劇的に変化。
フリーズ・グリッチ: Freeze=1.0でクラウドをキャプチャし、Warpでタイムストレッチ。低Warp値で減速グレインループ、高Warp値でグリッチ的な高速再生。
空間的拡散: ScatterでHaasステレオ幅を広げ、Spaceでリバーブを加えると、空間に溶け込むアンビエント・パーカッションに。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Pitch CV [CV] Decay CV [CV] Size CV [CV] Spray CV [CV] Texture CV [CV] Chaos CV [CV] Freeze CV [CV] Scatter CV [CV] Color CV [CV] Crush CV [CV] Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Grain Rate1–200 g/sグレイン生成レート
DecayCV (port 2)10–3,000 msグローバル振幅エンベロープのディケイ
SizeCV (port 3)1–100 ms個々のグレイン持続時間
PitchCV (port 1)40–4,000 Hzグレイン・キャリアの基本周波数
SprayCV (port 4)0.0–1.0グレインごとのピッチ偏差スプレッド
TextureCV (port 5)Hann/Gauss/Rectウィンドウ関数:0–0.33=Hann, 0.33–0.67=Gaussian, 0.67–1.0=Rectangular
ChaosCV (port 6)0.0–1.0グレイン生成間隔のタイミングジッター
FreezeCV (port 7)0/1グレインクラウドをバッファにキャプチャしてループ再生
ScatterCV (port 8)0.0–1.0Haasディレイ+ランダムパンによる空間拡散
ColorCV (port 9)100–18,000 HzSVフィルターによるトーンシェイピング
Warp0.25x–4xタイムストレッチ倍率(Freeze再生速度にも影響)
Filter100–18,000 Hzローパスフィルターのカットオフ
ResQ 0.707–4.707フィルターレゾナンス
CrushCV (port 10)2–16 bitビットリダクション量子化
Space0.0–1.0マルチタップリバーブの量
VCA LevelCV (port 11)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.8)
DrumSynth

MetalPerc

メタリック・パーカッション・シンセ。FM合成+ウェーブフォールドで、ベル、ゴング、シンバル的な非整数倍音パーカッションを生成。デュアルエンベロープ(振幅+変調)、クリックトランジェント搭載。
概要

FM合成をコアとするメタリック・パーカッション専用シンセサイザーです。キャリア(80–9,000Hz)に対してモジュレーターを1:1–16:1の周波数比で設定し、フィードバック付きFM変調で非整数倍音の金属的な音色を生成します。ウェーブフォールド(非対称三角反射)による倍音付加も可能です。

振幅エンベロープ(5–3,000ms)とは独立したモジュレーション・エンベロープ(2–500ms)を搭載し、FMの深さとDriveが時間と共に変化するメタリックなリングアウトを実現します。Click(2msノイズバースト)でアタックのトランジェントを強調し、Noiseレイヤー(Color SVフィルター付き)でざらつきを加えます。Haas Width、マルチタップSpace、ビットCrushも内蔵。

TIPS

ベル・トーン: Ratio=0.3(~5:1), FM=0.3, Decay=0.6(長め), MDecay=0.15(短め)で、FM変調が急速に減衰してサイン波のリングアウトになるベルサウンド。
シンバル: Ratio=0.7(高比率), FM=0.5, Noise=0.3, Color=0.7で、ノイジーな金属質テクスチャ。Widthでステレオに広げる。
インダストリアル: Fold=0.5, Drive=0.6, Crush=0.3で過激な金属ディストーション。Clickでアタックを鋭く。

OUT L/R [Audio] Trigger [Gate] Pitch CV [CV] Decay CV [CV] Ratio CV [CV] FM CV [CV] Fold CV [CV] MDecay CV [CV] Drive CV [CV] Click CV [CV] Noise CV [CV] Color CV [CV] Level CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
PitchCV (port 1)80–9,000 Hzキャリアの基本周波数(メタリック・レンジ)
DecayCV (port 2)5–3,000 ms振幅エンベロープのディケイ
RatioCV (port 3)1:1–16:1FM変調器:キャリア周波数比(非整数倍音の源)
FMCV (port 4)0.0–1.0FM変調深度(フィードバック付き、modEnvで減衰)
FoldCV (port 5)0.0–1.0非対称ウェーブフォールド歪み
MDecayCV (port 6)2–500 ms変調エンベロープのディケイ(振幅とは独立)
DriveCV (port 7)0.0–1.0tanhサチュレーション(modEnvで変調)
ClickCV (port 8)0.0–1.02msノイズバーストのクリックトランジェント
NoiseCV (port 9)0.0–1.0ノイズレイヤーの振幅
ColorCV (port 10)200–16,000 HzノイズのSVフィルター・カットオフ
Width0.0–1.0Haasエフェクトによるステレオ幅
FilterLP/Flat/HPモーフィング・フィルター(0=LP, 0.5=バイパス, 1=HP)
Res0.0–1.0フィルターレゾナンス
Crush0.0–1.0ビットクラッシャー
Space0.0–1.0マルチタップリバーブの量
VCA LevelCV (port 11)0.0–1.0出力振幅(デフォルト 0.8)

ダイナミクス (2種)

振幅とエンベロープを精密に制御し、サウンドの輪郭と躍動感を司るモジュール群。

Dynamics

EnvVCA

エンベロープ統合型VCA/LPG。最大16ブレークポイントのプログラマブルDAHDSRエンベロープと、VCA/LPG/Hybrid 3モードのアンプリチュード・プロセッサーを統合。
概要

EnvVCAは「エンベロープ・ジェネレーターとアンプリチュード・プロセッサーの統合体」として設計されています。 従来のモジュラーシンセでは別々のモジュールだったEG(エンベロープ・ジェネレーター)とVCA(ボルテージ・コントロールド・アンプリファイア)を一体化し、 シンプルなADSRから、最大16セグメントの複雑なマルチポイント・エンベロープまで対応します。

内部のBPEnvelopeEngineは7ブレークポイントのDAHDSR(Delay-Attack-Hold-Decay-Sustain-Release)をデフォルト構成とし、 各セグメントごとに9種類のカーブタイプ(Linear, Exponential, Logarithmic, S-Curve, Bezier, Step, Staircase, Bounce, Custom)を個別に設定可能です。 さらに6種類のループモードにより、エンベロープの一部を繰り返しLFO的に使用したり、ゲート連動のドローン持続を実現できます。

VCAモードではピュアなアンプリチュード変調を、LPGモードではBuchla由来のローパスゲート(エンベロープ連動カットオフ+レゾナンス付きZDFフィルター)を、 Hybridモードではその両方をブレンドした豊かな音色変化を生み出します。

TIPS

基本パッチ: オシレーターのOUTAudio Lに接続し、シーケンサーのGateGateポートへ。 Attack/Decay/Sustain/Releaseを調整するだけで、音の輪郭が完成します。
LPGサウンド: ModeをLPGに設定し、Attackを極短(0.01以下)、Decayを中程度に。 Resonanceを0.3程度に上げると、Buchlaライクな「ポン」という有機的なパーカッシブ・トーンが得られます。
ループLFO: LoopをForwardまたはPingPongに設定し、Attack/Decayを数百msに。 エンベロープがループし、内蔵LFOのように使用できます。ENV OutからCV出力され、他ノードのモジュレーション・ソースとしても機能します。
Hybridブレンド: HybridモードでBlendを0.0にすると純VCA、1.0にすると純LPG。 LFOでBlendをゆっくり変調すれば、音色がVCAとLPGの間を行き来する有機的な揺らぎが生まれます。

モード
VCA Mode (3種)
VCA LPG Hybrid
Curve Type (9種)
Linear Exponential Logarithmic S-Curve Bezier Step Staircase Bounce Custom
Loop Mode (6種)
Off Forward Backward PingPong Random Gated
OUT L [Audio] OUT R [Audio] ENV Out [CV] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Gate [Gate] CV In [CV] Attack CV [CV] Release CV [CV] Decay CV [CV] Sustain CV [CV] Delay CV [CV] Hold CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Mode VCA / LPG / Hybrid VCA処理モード。VCA=純振幅変調、LPG=ローパスゲート、Hybrid=ブレンド
Gain 0.0–1.0 (default 0.8) 出力ゲイン。エンベロープ出力にこの値を乗算
Attack Attack CV (port 4) 0.0–1.0 (default 0.01) アタック時間。0で瞬時立ち上がり、1で最大数秒のスローアタック
Decay Decay CV (port 6) 0.0–1.0 (default 0.15) ディケイ時間。ピークからサスティンレベルへの減衰速度
Sustain Sustain CV (port 7) 0.0–1.0 (default 0.7) サスティンレベル。ゲート保持中の定常レベル
Release Release CV (port 5) 0.0–1.0 (default 0.3) リリース時間。ゲートOFF後のフェードアウト速度
Curve 0.0–1.0 (default 0.5) カーブ形状。9種のインターポレーション・カーブを連続選択
Velocity 0.0–1.0 (default 0.0) ベロシティ感度。高いほどMIDIベロシティがエンベロープ深度に影響
Key Track 0.0–1.0 (default 0.0) キートラッキング。高い音ほどエンベロープが速くなる(ピアノ的な挙動)
Delay Delay CV (port 8) 0.0–1.0 (default 0.0) ディレイ時間。ゲートON後、アタック開始までの待機時間
Hold Hold CV (port 9) 0.0–1.0 (default 0.0) ホールド時間。アタック到達後、ディケイ開始までのピーク保持時間
Loop Off / Forward / Backward / PingPong / Random / Gated ループモード。エンベロープセグメントの反復パターン
Resonance 0.0–1.0 (default 0.0) LPGモードのレゾナンス。ZDFフィルターの共鳴量
Hybrid Blend 0.0–1.0 (default 0.5) HybridモードのVCA/LPGミックス比。0.0=純VCA、1.0=純LPG
Dynamics

Dynamics

コンプレッサー / リミッター / エクスパンダー統合エンジン。ソフトニー、ピーク/RMS検出、メイクアップゲインによるダイナミックレンジの精密制御。
概要

Dynamicsノードは、3つのダイナミクス処理モード(Compressor / Limiter / Expander)を統合した万能プロセッサーです。 コンプレッサーモードではスレッショルドを超えた信号をレシオに基づいて圧縮し、ラウドで均一なサウンドを実現。 リミッターモードではハードシーリングとして機能し、信号がスレッショルドを決して超えないよう制御します。 エクスパンダーモードではスレッショルド以下の信号を減衰させ、ノイズゲートやダイナミックレンジの拡張に使用できます。

ソフトニー機能により、スレッショルド付近での圧縮カーブが滑らかに遷移し、不自然なポンピングを防止。 ピーク検出とRMS検出の2種類のエンベロープ・フォロワーを内蔵し、トランジェントの保持と全体的なレベル管理を使い分けられます。 全パラメータにCV入力を備え、モジュレーション・ソースからのリアルタイム制御が可能です。

TIPS

パーカッシブ・コンプ: Compressorモード、Thresholdを-15dB、Ratioを6:1、Attackを遅め(0.3)、Releaseを速め(0.05)に設定。 ドラムのアタックを保持しながらボディを持ち上げる、パンチのあるサウンドに。
リミッター保護: Limiterモード、Thresholdを-3dB、Ratio最大。 マスター出力の直前に挿入して、クリッピングを防止するセーフティネットとして使用。
ノイズゲート: Expanderモード、Thresholdを-40dB、Ratioを高め。 ノイジーなソースの無音部分を効果的に抑制。
サイドチェイン的効果: Threshold CVにLFOを接続すると、リズミカルなポンピング効果を模倣できます。

パラメータ相互作用

Attack × Release × Mode: Compressorモードでは Attack が速い(0.01以下)とトランジェントが抑制され、遅いとパンチを保持。 Release が速いとポンピング(不自然な音量回復)が発生しやすく、遅いと自然だがダイナミクスが均一化。 Limiterモードでは Attack を最速にして完全なピーク制御を行い、Expanderモードでは Release が速いと ノイズゲート的な切れの良い効果、遅いと自然なフェードアウトに。
Threshold × Ratio × Makeup: Ratio が高いほど Threshold を超えた信号が強く圧縮されます。 圧縮量に応じて Makeup Gain で音量を補正:圧縮量 ≈ (入力レベル - Threshold) × (1 - 1/Ratio) dB が失われた分だけ Makeup を上げるのが目安。 Ratio=20:1 はほぼ Limiter と同等の動作に。
Knee: Knee=0(ハードニー)では Threshold 境界での圧縮が急激に切り替わり、パーカッシブなソースに適しています。 Knee を上げるとスレッショルド付近の遷移が滑らかになり、ボーカルやパッドなど連続的なソースに自然な圧縮を適用できます。

モード
Processing Mode (3種)
Compressor Limiter Expander
Envelope Detection (2種)
Peak RMS
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Threshold CV [CV] Ratio CV [CV] Attack CV [CV] Release CV [CV] Makeup CV [CV] Knee CV [CV] Mode CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Threshold Threshold CV (port 2) -60.0–0.0 dB (default -20.0) スレッショルド。この値を基準に圧縮/制限/拡張が適用される
Ratio Ratio CV (port 3) 1.0–20.0:1 (default 4.0) レシオ。入力レベル変動に対する出力変動の比率
Attack Attack CV (port 4) 0.0–1.0 (default 0.01) アタック時間。レベル検出の応答速度(速いほどトランジェント抑制)
Release Release CV (port 5) 0.0–1.0 (default 0.1) リリース時間。圧縮解除の回復速度
Knee Knee CV (port 7) 0.0–1.0 (default 0.0) ソフトニー幅。0=ハードニー、大きいほどスレッショルド付近の遷移が滑らか
Mode Mode CV (port 8) Compressor / Limiter / Expander 処理モード。離散選択(CVで連続変調可能)
Makeup Gain Makeup CV (port 6) 0.0–24.0 dB (default 0.0) メイクアップゲイン。圧縮によって失われたレベルを補正

フィルター / 非線形 (6種)

周波数特性の加工と、非線形な作用による倍音生成・音彩(Color)の付加を司るモジュール群。減算合成の伝統を継承しながら、非線形領域では予期しない倍音構造が自発的に出現する——制御と偶然の境界に位置するプロセッサー群である。

Filter

Filter

16種類のフィルタータイプを搭載した多機能フィルター。ゼロディレイ・フィードバック(ZDF)モデリングによるアナログ的レゾナンス特性。
概要

Filterノードは、クラシックな12/24dBスロープのローパス/ハイパスから、Moogラダー、Korg MS-20、SVFまで16種類のフィルター・アルゴリズムを統一インターフェースで提供します。 すべてのフィルタータイプがZDF(ゼロディレイ・フィードバック)トポロジーで実装されており、高いレゾナンス設定でも安定したアナログ的な自己発振特性を実現。 V/Oct入力によりカットオフ周波数を正確にピッチ追従させることで、フィルターをオシレーターのように鳴らすことも可能です。

Drive機能により入力信号にサチュレーションを付加でき、フィルター前段でのオーバードライブ的な効果を得られます。 全5パラメータにCV入力を備え、カットオフの動的な変調やフィルタータイプのCV切り替えも可能です。

TIPS

クラシック・サブトラクティブ: OscillatorのSawtoothやSquareを入力し、LP24でカットオフを下げるだけで太いアナログ・サウンドの完成。 Cutoff V/OctにEnvVCAのENV Outを接続すれば、典型的なフィルター・エンベロープの効果に。
自己発振: レゾナンスを最大近くに上げると、フィルターが自己発振してピッチを生み出します。 V/Octにシーケンサーを接続すれば、フィルターだけでメロディを演奏可能。
MS-20キャラクター: MS20LP/MS20HPはKorg MS-20のフィルター回路をモデリング。攻撃的でエッジの効いた独特のレゾナンス特性が得られます。
Driveによる倍音付加: Driveを上げるとフィルター前段でサチュレーションが発生。特にMoogLadderとの組み合わせで温かいアナログ歪みに。

フィルタータイプ
Basic (8種)
LP (12dB) HP (12dB) BP Notch AllPass PeakingEQ LowShelf HighShelf
Steep (2種)
LP24 (24dB) HP24 (24dB)
Character (3種)
MoogLadder MS20LP MS20HP
SVF (3種)
SVF LP SVF HP SVF BP
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Cutoff V/Oct [CV] Reso CV [CV] Drive CV [CV] Gate [Gate] Type CV [CV] Gain CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Frequency Cutoff V/Oct (port 2) 20Hz–20kHz カットオフ周波数。V/Oct CVで1V=1オクターブ精度のピッチ追従
Resonance Reso CV (port 3) 0.0–1.0 レゾナンス。高い値でカットオフ付近の共振ピーク増大、最大で自己発振
Filter Type Type CV (port 6) 16種類 LP/HP/BP/Notch/AllPass/PeakingEQ/LowShelf/HighShelf/LP24/HP24/Moog/MS20/SVF
Gain Gain CV (port 7) 0.0–1.0 出力ゲイン。PeakingEQ/Shelfモードでのブースト/カット量にも影響
Drive Drive CV (port 4) 0.0–1.0 入力ドライブ。フィルター前段でのサチュレーション量
Filter

FrequencyShifter

周波数シフター。全倍音を一様にHz単位でシフトし、非調和なメタリック質感やバーバーポール効果を生成。
概要

FrequencyShifterは入力信号のすべての周波数成分を一様にHz単位でシフトするプロセッサーです。 ピッチシフトと異なり倍音関係が崩れるため、微小なシフトでフェイザー的な揺らぎを、大きなシフトで金属的・非調和な質感を生み出します。 Upモードでは上方シフト、Downモードでは下方シフト、Ringモードでは上下両方のサイドバンドをミックスしてリングモジュレーター的な効果を得られます。

フィードバック機能(最大0.9)により、シフトした信号を再入力してカスケード的に非調和成分を増幅。 ステレオ・オフセットでL/R間に微小な周波数差をつけ、広がりのあるステレオイメージを実現します。

TIPS

微細なデチューン: Shiftを0.5付近(0Hz)に設定し、LFOで±数Hzだけ揺らすと、コーラスとは異なる独特のうねりが得られます。
ベル音の生成: シンプルなサイン波を入力し、Shiftを大きく(±200Hz以上)にすると、倍音構造が崩れてベルやゴングのようなインハーモニックな音色に。
Feedback渦: Feedbackを0.7以上にすると、シフトが累積して信号がスペクトル上を移動し続ける「バーバーポール」効果に。

モード
Shift Mode (3種)
Up Down Ring
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Shift CV [CV] Mix CV [CV] Gain CV [CV] Mode CV [CV] Feedback CV [CV] Stereo Offset CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Shift Shift CV (port 2) -1000–+1000 Hz (0.5=0Hz) 周波数シフト量。0.5が中心(シフトなし)
Mode Mode CV (port 5) Up / Down / Ring シフト方向。Ring=両サイドバンドのミックス
Feedback Feedback CV (port 6) 0.0–0.9 フィードバック量。高い値でバーバーポール効果
Mix Mix CV (port 3) 0.0–1.0 ウェット/ドライ・ミックス
Gain Gain CV (port 4) 0.0–1.0 出力ゲイン
Stereo Offset Stereo Offset CV (port 7) -50–+50 Hz (0.5=0Hz) L/R間の周波数オフセット。ステレオ幅の拡大
Filter

SpectralFreeze

スペクトル保持。FFT分析により一瞬の音響特性をキャプチャし、無限持続するドローンソースに変換。
概要

SpectralFreezeは入力信号をFFT(高速フーリエ変換)で周波数領域に変換し、ゲート信号によって「その瞬間のスペクトル」を凍結するプロセッサーです。 凍結されたスペクトルはオーバーラップ・アド合成により連続的に再合成され、減衰のないドローンとして持続します。

Blendパラメータでドライ信号と凍結スペクトルのミックスを調整し、Pitchで凍結音のピッチをリアルタイムに±2オクターブ変調可能。 Blurは位相のランダム化量を制御し、高い値でスペクトルの粒立ちが増して「霧のような」テクスチャに。 Tiltはスペクトルの傾斜を調整し、低域ブーストから高域ブーストまでの音色変化を加えます。

TIPS

ドローン生成: 和音を鳴らしながらFreeze GateをONにすると、その和音のスペクトルが無限持続するパッドに。 PitchをLFOでゆっくり変調すれば、漂うようなアンビエント・テクスチャに。
ライブ・サンプリング: シーケンサーのゲートで周期的にFreeze On/Offを切り替えると、入力音のランダムなスナップショットが次々と凍結される「ストップモーション」的効果。
Blurによるテクスチャ: Blurを最大にすると位相が完全にランダム化され、元の音色を認識できないほどの抽象的なテクスチャに変化します。

OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Freeze Gate [Gate] Blend CV [CV] Pitch CV [CV] Blur CV [CV] Tilt CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Freeze Freeze Gate (port 2) OFF / ON (> 0.5) 凍結スイッチ。ONでその瞬間のスペクトルをキャプチャ
Blend Blend CV (port 3) 0.0–1.0 ドライ/凍結ミックス。0=ドライのみ、1=凍結スペクトルのみ
Pitch Pitch CV (port 4) -2oct–+2oct (0.5=原音) 凍結スペクトルのピッチシフト
Blur Blur CV (port 5) 0.0–1.0 位相ランダム化。スペクトルの粒立ち・拡散度を制御
Tilt Tilt CV (port 6) 0.0–1.0 (0.5=flat) スペクトル傾斜。0=低域ブースト、0.5=フラット、1=高域ブースト
Non-linear

WaveShaper

ウェーブシェイパー。Drive/Fold/Wrapの3つの非線形変換とチェビシェフ倍音付加による多彩な歪み生成。
概要

WaveShaperは入力波形に非線形関数を適用して倍音を付加・変形するプロセッサーです。 4種類のキャラクターモードが用意されており、それぞれ異なる歪み特性を持ちます。 さらにDrive(入力ゲイン)、Fold(波形折り返し)、Wrap(波形巻き込み)の3つの独立した変換段を持ち、 これらを組み合わせることで、繊細なサチュレーションからアグレッシブなデジタル破壊まで幅広い音色変化を実現します。

Biasパラメータは波形にDCオフセットを加え、非対称な歪みを生成。 Mixで原音とのブレンドを調整でき、パラレル・プロセッシングが可能です。

TIPS

ウォーム・サチュレーション: Driveを控えめに、FoldWrapは0のままで、穏やかなアナログ風のサチュレーション効果。
ウェーブフォールディング: サイン波を入力し、Foldを上げていくと波形が折り返されて倍音が劇的に増加。West Coastシンセの定番サウンド。
デジタル・グリッチ: Wrapを高く、Biasをオフセンター(0.5以外)にすると、不連続な波形変形による攻撃的なデジタル歪みに。
CV変調: DriveをEnvVCAのENV Outで変調し、ノートごとに歪み量を動的に変化させるダイナミックな表現。

キャラクター
Character Mode (4種)
Soft Hard Asymmetric Digital
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Drive CV [CV] Character CV [CV] Fold CV [CV] Wrap CV [CV] Bias CV [CV] Mix CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Drive Drive CV (port 2) 0.0–1.0 (default 0.0) 入力ドライブ。非線形変換前の信号増幅量
Character Character CV (port 3) Soft / Hard / Asymmetric / Digital 歪みキャラクター。伝達関数の基本形状を選択
Fold Fold CV (port 4) 0.0–1.0 (default 0.0) ウェーブフォールド量。波形の折り返しによる倍音増幅
Wrap Wrap CV (port 5) 0.0–1.0 (default 0.0) ウェーブラップ量。波形の巻き込みによる不連続歪み
Bias Bias CV (port 6) 0.0–1.0 (default 0.5) DCバイアス。0.5=中立、オフセットで非対称歪みを生成
Mix Mix CV (port 7) 0.0–1.0 (default 1.0) ウェット/ドライ・ミックス
Non-linear

RingMod

リングモジュレーター。内蔵キャリア・オシレーター×入力信号の乗算による和差音生成。432Hz基準。
概要

RingModは入力信号と内蔵キャリアオシレーターを乗算し、和周波数(f1+f2)と差周波数(f1-f2)のサイドバンドを生成するプロセッサーです。 入力の倍音構造を根本的に変化させ、ベル、ゴング、ロボット声、メタリックな質感など幅広いサウンドを作り出します。 キャリア周波数のデフォルトは432Hz(Symbiontの基準音高)で、V/Oct入力による精密なピッチCV制御に対応。

4種類のキャリア波形(サイン、三角、矩形、ノコギリ)を選択可能で、波形によってサイドバンドの倍音分布が異なります。 Bipolarスイッチにより、完全なリングモジュレーション(バイポーラ)と振幅変調(ユニポーラ)を切り替えられます。

TIPS

メタリック・テクスチャ: パッド音を入力し、キャリアを200-800Hz付近に設定。Mixを0.3程度で原音とブレンドすると、金属的な光沢が加わります。
ロボットボイス: 音声的な信号(コード、複雑な波形)を入力し、キャリアを100-300Hzの低めに。矩形波キャリアで特に効果的。
ハーモニック・リング: キャリア周波数を入力のV/Octと同じソースで制御し、整数比の関係を保つと、調和的なリングモジュレーションに。

キャリア波形
Waveform (4種)
Sine Triangle Square Sawtooth
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] V/Oct [CV] Waveform CV [CV] Mix CV [CV] Bipolar CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Carrier Freq V/Oct (port 2) 20–2000 Hz (default 432) 内蔵キャリアの周波数。V/Oct CVで精密制御
Waveform Waveform CV (port 3) Sine / Triangle / Square / Sawtooth キャリア波形。サイドバンドの倍音特性を決定
Mix Mix CV (port 4) 0.0–1.0 (default 0.5) ウェット/ドライ・ミックス
Bipolar Bipolar CV (port 5) OFF / ON バイポーラ(リングモジュレーション)/ ユニポーラ(振幅変調)切替
Non-linear

BitCrusher

ビットクラッシャー。量子化ビット数の低減とサンプルレート・リダクションによるデジタル歪みとローファイ質感。
概要

BitCrusherはデジタル・オーディオの解像度を意図的に劣化させるプロセッサーです。 Bit Depthパラメータで量子化ビット数を連続的に低減し、階段状の波形歪みと量子化ノイズを生成。 Sample Rate Reduceでサンプルレートを下げることで、エイリアシング・ノイズと帯域制限効果を付加します。

Ditherパラメータにより量子化ノイズにディザリングを適用し、荒いビット数でもより自然な減衰特性を実現。 これら2つの劣化軸を独立に制御することで、微妙なビンテージDAC感からラジカルな8bitゲームサウンドまで幅広く対応します。

TIPS

ローファイ・テクスチャ: Bit Depthを0.6程度、SR Reduceを0.3程度に。Mixで原音とブレンドすると、ヴィンテージ・デジタルの質感に。
8bitゲーム音: Bit Depthを低く(0.1–0.3)、SR Reduceを高く(0.6以上)で、レトロゲーム機のような極端な量子化サウンド。
CV変調: Bit Depthをシーケンサーで変調し、ステップごとに解像度が変化するリズミックな歪みパターンを生成。

OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Bit Depth CV [CV] SR Reduce CV [CV] Dither CV [CV] Stereo CV [CV] Mix CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
Bit Depth Bit Depth CV (port 2) 0.0–1.0 (default 1.0) 量子化ビット数。1.0=フル解像度、低いほど粗い量子化
SR Reduce SR Reduce CV (port 3) 0.0–1.0 (default 0.0) サンプルレート低減。高いほどエイリアシング増加
Dither Dither CV (port 4) 0.0–1.0 (default 0.0) ディザ量。量子化ノイズの分散・平滑化
Stereo Stereo CV (port 5) 0.0–1.0 (default 0.0) ステレオ・デコリレーション。L/R間の独立量子化
Mix Mix CV (port 6) 0.0–1.0 (default 1.0) ウェット/ドライ・ミックス

テクスチャ / 空間 (8種)

時間軸の分解による粒子的テクスチャの生成と、残響・遅延による音響空間の構築。

Texture

Granular

リアルタイム・グラニュラー・プロセッサー。入力を微小な粒(グレイン)に分解・再構築。18パラメータ、6エンベロープ形状、2スケジューリングモード。
概要

Granularノードは入力オーディオをリアルタイムで微小なグレイン(粒子)に分解し、それぞれのグレインのピッチ、位置、密度、サイズ、パンを独立に制御して再構築するプロセッサーです。 各グレインには6種類のエンベロープ形状(Gaussian, Hanning, Tukey, Triangle, Rectangle, ExpDecay)を適用でき、粒子の音色特性を精密に制御できます。

18個のパラメータはすべてCV入力を備え、動的な変調が可能。 Spray(発射位置のランダム化)、各種Jitter(Onset/Pitch/Position)、Burst Count(同時発射粒子数)により、 規則的なテクスチャから完全にカオティックな粒子雲まで幅広い表現を実現します。 Freeze機能でバッファの記録を停止し、凍結された音素材からグレインを生成し続けることも可能です。

TIPS

基本グラニュラー: 入力を接続し、Density=20Hz、Size=0.1s、Pitch=1.0に設定。 Positionを固定すると同じ位置のグレインが繰り返され、LFOでPositionをスキャンすると素材を「読む」動きに。
テクスチャ・クラウド: SprayOnset Jitterを上げ、Pitch Jitterも0.3程度に。 ランダム化された粒子が広がるアンビエント・テクスチャが生まれます。
粒子ストレッチ: Freeze=ONにしてバッファを凍結し、Sizeを大きく、Densityを低くすると、 時間が引き伸ばされたような「タイムストレッチ」効果。
グリッチ・バースト: Burst Countを4-8に上げ、Sizeを極小に。 Gate入力と組み合わせると、トリガーごとに粒子の塊が発射されるパーカッシブなテクスチャに。

パラメータ相互作用

Density × Size: Density(粒子生成速度)と Size(粒子の長さ)の積がオーバーラップ量を決定します。 Density × Size > 1 でグレインが重なり合い連続的なテクスチャに、 Density × Size < 1 でグレイン間に隙間ができ粒状感が明瞭に。
Position × Spray: Position はバッファ内の固定的な読み取り位置を決め、Spray はその位置からのランダムな散らばり量です。 Position=0.5(中央)+ Spray=0.3 では中央付近からランダムにグレインが取り出され、 Spray=0 では完全に同一位置のグレインが繰り返されます。
Scheduling Mode: Periodic モードでは等間隔にグレインが生成され、リズミカルで予測可能なテクスチャに。 Stochastic モードではポアソン分布に基づいてランダムな間隔で生成され、より有機的で自然な粒子感に。
Envelope × Size: 各エンベロープ形状はグレインの音量プロファイルを決定します。 Gaussian は滑らかなクロスフェードに最適、Rectangle は硬いエッジでリズミックな効果に、 ExpDecay はパーカッシブなアタック感を付加します。Size が極小の場合は差が出にくく、Size が大きいほどエンベロープの特性が顕著に表れます。

エンベロープ / スケジューリング
Grain Envelope (6種)
Gaussian Hanning Tukey Triangle Rectangle ExpDecay
Scheduling Mode (2種)
Periodic Stochastic
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Pitch CV [CV] Position CV [CV] Density CV [CV] Size CV [CV] Texture CV [CV] Gate [Gate] VCA CV [CV] Size Rnd CV [CV] Envelope CV [CV] Pan CV [CV] Freeze CV [CV] Reverse CV [CV] Mix CV [CV] Burst CV [CV] Onset Jitter CV [CV] Pitch Jitter CV [CV] Pos Jitter CV [CV] Schedule CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
PitchPitch CV (port 2)0.25–4.0x (default 1.0)グレインの再生速度。1.0=原音ピッチ
PositionPosition CV (port 3)0.0–1.0 (default 0.0)バッファ内のグレイン開始位置
DensityDensity CV (port 4)1–100 Hz (default 20)1秒あたりのグレイン生成数
SizeSize CV (port 5)0.01–0.5 s (default 0.1)各グレインの持続時間
TextureTexture CV (port 6)0.0–1.0 (default 0.5)パンのランダム分散度
Spray0.0–1.0 (default 0.0)再生位置のランダム化量
VCA LevelVCA CV (port 8)0.0–1.0 (default 1.0)内蔵VCAレベル
Size RandomSize Rnd CV (port 9)0.0–1.0 (default 0.0)グレインサイズのランダム化量
EnvelopeEnvelope CV (port 10)6種グレイン・エンベロープ形状
PanPan CV (port 11)-1.0–1.0 (default 0.0)ベース・パン位置
FreezeFreeze CV (port 12)OFF / ONバッファ凍結。ONで入力記録停止
ReverseReverse CV (port 13)OFF / ONグレイン逆再生
MixMix CV (port 14)0.0–1.0 (default 0.5)ウェット/ドライ・ミックス
Burst CountBurst CV (port 15)1–8 (default 1)同時発射粒子数
Onset JitterOnset Jitter CV (port 16)0.0–1.0 (default 0.0)発射タイミングのランダム化
Pitch JitterPitch Jitter CV (port 17)0.0–1.0 (default 0.0)個々のグレインのピッチ変動
Position JitterPos Jitter CV (port 18)0.0–1.0 (default 0.0)個々のグレインの位置変動
SchedulingSchedule CV (port 19)Periodic / Stochasticグレイン・スケジューリング方式
Texture

GlitchBuffer

グリッチ・プロセッサー。最大2秒のサーキュラー・バッファのループ、逆転、スキャッター、フィードバックによる時間的破壊。
概要

GlitchBufferは入力オーディオをサーキュラー・バッファ(最大2秒)に記録し、ゲート信号で「凍結」してループ再生するプロセッサーです。 ループ中はバッファの読み取りヘッドがPitch(再生速度)とScatter(読み取り位置のランダム化)で変調され、 元の音素材を時間的に切り刻む「グリッチ」効果を生み出します。

Feedback機能により処理済み信号をバッファに再入力することで、グリッチが累積してカオティックな展開に。 Reverse機能でループを逆再生し、バッファ内の時間を反転させることも可能です。

TIPS

基本グリッチ: Loop Gateにリズミカルなゲート信号を入力。ゲートONでループが始まり、OFFで通常のスルーに戻る。 Loop Sizeを小さくするほど、細かく刻まれた反復に。
ピッチシフト・ループ: Pitchを0.5以外に設定すると、ループの再生速度が変化してピッチシフト効果に。 LFOでPitchを変調すれば、テープ・スクラッチのような効果。
カオス蓄積: Feedbackを0.6以上にすると、ループした音が再びバッファに入り、グリッチが雪だるま式に増幅。

OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Loop Gate [Gate] Scatter CV [CV] Pitch CV [CV] Mix CV [CV] Feedback CV [CV] Loop Size CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
Loop SizeLoop Size CV (port 7)0.01–2.0 s (default 0.25)ループ長。0.0–1.0を0.01–2.0秒にマッピング
PitchPitch CV (port 4)0.25x–4.0x (default 1.0x)再生速度。0.5=1x、0=0.25x、1=4x(指数マッピング)
ScatterScatter CV (port 3)0.0–1.0 (default 0.0)読み取り位置のランダム化量
ReverseOFF / ONループの逆再生
MixMix CV (port 5)0.0–1.0 (default 1.0)ウェット/ドライ・ミックス
FeedbackFeedback CV (port 6)0.0–0.85フィードバック量(内部で0.85にクランプ)
Spatial

Delay

ステレオ・ディレイ。1ms–2秒の高精度ディレイ、ピンポン/ワイド、テンポ同期、HPF/LPF/ダッキング搭載。12パラメータ全CV対応。
概要

Delayノードは1ms〜2000msのディレイタイムを持つ高機能ステレオ・ディレイです。 3つのモード(Stereo / PingPong / Wide)でステレオフィールド内のディレイ配置を選択でき、 テンポ同期モードでBPMに連動したリズミカルなエコーパターンを生成します。

フィードバック経路にHPF/LPFトーンフィルターを備え、反復ごとに高域や低域が徐々に減衰する自然なエコー特性を実現。 LFO変調(ModDepth/ModRate)でディレイタイムを揺らし、コーラスライクなモジュレーション・ディレイに。 Ducking機能で入力信号がある間はウェット信号を抑制し、入力が途切れた瞬間にディレイが浮かび上がるダッキング・ディレイも可能です。

TIPS

基本ディレイ: Timeを300ms程度、Feedbackを0.4、Mixを0.3に。クリーンなスラップバック・エコー。
ピンポン: PingPong Mode=PingPong、Spreadを上げると、L→R→L→R…と交互にバウンスする立体的なエコー。
ダブ・ディレイ: Feedbackを0.7以上、HPFとLPFで帯域を絞り、反復ごとに音が暗く溶けていくダブ/レゲエ的な長尺エコー。
ダッキング: Duckingを0.5以上に設定すると、演奏中はディレイが抑えられ、休符部分で浮かび上がるクリアな効果。

パラメータ相互作用

Time × Feedback × HPF/LPF: Feedbackが高い場合、HPF/LPFの帯域制限が反復ごとに累積的に適用されます。 HPF=200Hz + LPF=3kHz + Feedback=0.7 では、反復するごとに低域と高域が削られ、徐々にラジオ的な帯域に収束するダブ・ディレイに。
ModDepth × ModRate: ディレイタイムのLFO変調はコーラス的な効果を生みます。 ModRate=0.5Hz + ModDepth=0.2 で穏やかなモジュレーション・ディレイ、 ModRate=3Hz + ModDepth=0.5 で激しいワープ・エフェクト。Feedback との組み合わせで変調が蓄積し予測不能なテクスチャに。
PingPong × Spread: PingPong モードでは Spread が L/R 間のタイミング差と定位の広がりを制御。 Spread=0 ではモノラルのピンポン、Spread=1.0 で完全にL/R分離した交互バウンス。 Wide モードでは Spread が初期タイミングのオフセットを加え、より広大な空間感を演出。
Ducking × Mix: Ducking は入力レベルに応じてウェット信号を抑制するサイドチェーン的な機能。 Mix=0.5 + Ducking=0.8 では、演奏中は原音が支配的で、音が途切れた瞬間にディレイ・テイルが浮かび上がるプロフェッショナルなダッキング・ディレイに。

モード
PingPong Mode (3種)
Stereo PingPong Wide
Sync Mode (2種)
Free Sync
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Time CV [CV] Feedback CV [CV] Mix CV [CV] HPF CV [CV] LPF CV [CV] Spread CV [CV] Mod Depth CV [CV] Mod Rate CV [CV] Ducking CV [CV] Sync Mode CV [CV] Sync Div CV [CV] PingPong CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
TimeTime CV (port 2)1–2000 msディレイタイム
FeedbackFeedback CV (port 3)0.0–1.0フィードバック量。反復回数を制御
HPFHPF CV (port 5)20–500 Hz (normalized)フィードバック経路のハイパスフィルター
LPFLPF CV (port 6)1k–20k Hz (normalized)フィードバック経路のローパスフィルター
MixMix CV (port 4)0.0–1.0ウェット/ドライ・ミックス
Sync ModeSync Mode CV (port 11)Free / Syncフリーランまたはテンポ同期
Sync DivisionSync Div CV (port 12)音符分割テンポ同期時の分割値
PingPong ModePingPong CV (port 13)Stereo / PingPong / Wideステレオ配置モード
SpreadSpread CV (port 7)0.0–1.0ステレオ・スプレッド
Mod DepthMod Depth CV (port 8)0.0–1.0LFO変調の深さ
Mod RateMod Rate CV (port 9)0.1–10.0 HzLFO変調の速度
DuckingDucking CV (port 10)0.0–1.0入力レベル連動のウェット信号抑制
Spatial

Reverb

アルゴリズミック・リバーブ。Room/Hall/Plateの3モード、8コム+4オールパス+8初期反射+4相LFO変調。12パラメータ全CV対応。
概要

Reverbノードは3つのモード(Room / Hall / Plate)を持つフル機能のアルゴリズミック・リバーブです。 内部アーキテクチャはL/R各8本のコムフィルター、4本のオールパスフィルター、8個の初期反射ポイント、4相LFO変調で構成され、 小さな部屋の親密な残響から広大なホールの壮大な空間、金属板(プレート)の滑らかな拡散まで再現します。

PreDelayで初期反射の到達時間を設定し、Dampingで反復ごとの高域減衰を制御。 Diffusionはオールパスの拡散度を調整し、低い値でフラッター・エコー的な響きに、高い値で滑らかな残響に。 HPF/LPFで残響の帯域を精密にシェイピングでき、Earlyで初期反射のレベルを独立制御。 Modulationパラメータでコーラス的な揺らぎを加え、デジタル的な硬さを和らげます。

TIPS

タイトなルーム: Room モード、Size=0.2、Decay=0.3、PreDelay=5ms。小さな空間のアンビエンス。
壮大なホール: Hall モード、Size=0.8、Decay=0.7、Damping=0.5。コンサートホールの荘厳な響き。
シルキー・プレート: Plate モード、Diffusion=0.9、Width=1.0。ボーカルやシンセパッドに最適な滑らかな広がり。
シマー: Modulationを0.5以上にし、Decayを長めに。内部LFOがコムフィルターのディレイタイムを揺らし、残響にきらめきを加えます。

パラメータ相互作用

Size × Decay × Damping: 内部アーキテクチャ(L/R各8コムフィルター + 4オールパス + 8初期反射)において、 Size はコムフィルターのディレイ長を決定し、Decay はフィードバック係数を制御。 Damping は各反復でのローパスフィルタ強度を設定し、高い値ほど高域が速く減衰して自然な残響に。 Size=0.8 + Decay=0.9 + Damping=0.2 では非常に長く明るい残響、Damping=0.8 では暖かく暗い残響に。
Diffusion × Early: Diffusion はオールパスフィルターの拡散度を制御し、0に近いとフラッター・エコー(離散的な反射音が聞こえる)に、 1.0に近いと完全に拡散された滑らかな残響に。Early パラメータは8個の初期反射ポイントのレベルを独立制御し、 Early=0.8 + Diffusion=0.3 では空間の形状が明瞭な「ルーム感」を、Early=0.2 + Diffusion=0.9 では初期反射が曖昧な「拡散残響」を表現。
Modulation × Decay: 内部4相LFOがコムフィルターのディレイタイムを変調し、デジタル的な硬さを和らげます。 Decay が長い場合、Modulation の効果が反復ごとに蓄積されてコーラス的なきらめきに。 Modulation=0.7 + Decay=0.8 では残響テイルが揺らぎながら持続するシマー・リバーブ的な効果。
Mode による特性変化: Room / Hall / Plate は内部のコムフィルター・ディレイテーブルと初期反射パターンが異なります。 Room は短いディレイで密な反射、Hall は長いディレイで疎な反射、Plate は均一な拡散特性。 同じ Size/Decay 設定でも Mode によって残響の質感が大きく変化します。

モード
Reverb Mode (3種)
Room Hall Plate
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Size CV [CV] Decay CV [CV] Damping CV [CV] Mix CV [CV] Tone CV [CV] Color CV [CV] PreDelay CV [CV] Diffusion CV [CV] Width CV [CV] Mode CV [CV] Modulation CV [CV] Early CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
SizeSize CV (port 2)0.0–1.0空間サイズ。コムフィルターのディレイ長を制御
DecayDecay CV (port 3)0.0–1.0残響の持続時間
PreDelayPreDelay CV (port 8)0–200 ms初期反射までのディレイ
DampingDamping CV (port 4)0.0–1.0高域の減衰量。自然な残響に不可欠
DiffusionDiffusion CV (port 9)0.0–1.0オールパスの拡散度
WidthWidth CV (port 10)0.0–1.0ステレオ幅
ModeMode CV (port 11)Room / Hall / Plateリバーブ・アルゴリズム
MixMix CV (port 5)0.0–1.0ウェット/ドライ・ミックス
ModulationModulation CV (port 12)0.0–1.0内部LFOによるコムフィルター変調
EarlyEarly CV (port 13)0.0–1.0初期反射のレベル
HPFTone CV (port 6)0.0–1.0 (normalized)残響のハイパスフィルター
LPFColor CV (port 7)0.0–1.0 (normalized)残響のローパスフィルター
Spatial

Chorus

コーラス / アンサンブル。LFO変調ディレイによるデチューンとステレオ拡散で音に厚みと広がりを付加。
概要

Chorusノードは入力信号を微小に遅延させ、LFOでディレイタイムを変調することで、 複数の演奏者が同時に弾いているようなデチューン効果(コーラス/アンサンブル)を生み出すプロセッサーです。 RateとDepthでLFOの速度と深さを、Delayでベースとなる遅延量を制御。 Stereo Widthでステレオフィールドへの広がりを調整し、Feedbackで反復的な変調を加えます。

TIPS

クラシック・コーラス: Rate=0.3、Depth=0.5、Delay=0。パッドやストリングスに自然な厚みを付加。
ワイド・アンサンブル: Stereo Width=1.0、Rateをやや速め。モノソースが広大なステレオイメージに変化。
フランジャー: Feedbackを上げ、Rateを遅く、Depthを深めに。コーラスがジェットサウンド的なフランジング効果に変化。

OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Rate CV [CV] Depth CV [CV] Delay CV [CV] Feedback CV [CV] Width CV [CV] Mix CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
RateRate CV (port 2)0.0–1.0 (default 0.3)LFO変調速度
DepthDepth CV (port 3)0.0–1.0 (default 0.5)LFO変調の深さ
DelayDelay CV (port 4)0.0–1.0 (default 0.0)ベース・ディレイ時間
FeedbackFeedback CV (port 5)0.0–1.0 (default 0.0)フィードバック量
Stereo WidthWidth CV (port 6)0.0–1.0 (default 0.5)ステレオ幅
MixMix CV (port 7)0.0–1.0 (default 0.5)ウェット/ドライ・ミックス
Spatial

ShimmerReverb

シマー・リバーブ。残響音をグラニュラー・ピッチシフターに通し、幻想的なオーラと無限持続ドローンを生成。
概要

ShimmerReverbは通常のリバーブの残響経路にグラニュラー・ピッチシフターを組み込んだ特殊なリバーブです。 反復ごとに残響音がピッチシフトされ、天上的なきらめきやボトムレスな深淵を生み出します。 PitchShiftは±24セミトーンの範囲で設定でき、+12(1オクターブ上)が定番のシマー効果。 1〜4のボイス数でグラニュラーシフターの密度を調整し、Feedbackで蓄積の速度を制御します。

Freezeモードではデケイを事実上無限にし、残響が減衰せずに持続するドローンを生成。 パッドやボーカルを入力して無限持続の幻想的なサウンドスケープを作り出せます。

TIPS

定番シマー: Pitch Shift=+12st(1オクターブ上)、Feedback=0.5、Decay=0.7。 残響音が上昇していく天使的なきらめき。
下降シマー: Pitch Shift=-12st。残響が1オクターブずつ下降する深淵的なサウンド。
無限ドローン: Freezeモード、Pitch Shift=0。入力した和音がフェードアウトせず無限に持続するドローン・パッドに。
多声シマー: Voices=4に上げると、ピッチシフターが4声になり、より密度の高い煌びやかなテクスチャに。

モード
Mode (2種)
Shimmer Freeze
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Pitch CV [CV] Size CV [CV] Decay CV [CV] Feedback CV [CV] Mix CV [CV] Voices CV [CV] Mode CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
Pitch ShiftPitch CV (port 2)-24–+24 stピッチシフト量(セミトーン単位)
SizeSize CV (port 3)0.0–1.0リバーブ空間サイズ
DecayDecay CV (port 4)0.0–1.0残響の持続時間
FeedbackFeedback CV (port 5)0.0–0.95ピッチシフト・フィードバック量
VoicesVoices CV (port 7)1–4グラニュラー・シフターのボイス数
ModeMode CV (port 8)Shimmer / Freeze通常残響またはフリーズ(無限持続)
MixMix CV (port 6)0.0–1.0ウェット/ドライ・ミックス
Spatial

TapeDelay

ヴィンテージ・テープエコー。Wow/Flutter、テープ飽和、ヒス/ランブルノイズ、マルチヘッド(1-3タップ)搭載。
概要

TapeDelayはアナログ・テープエコーマシンをモデリングしたディレイです。 テープ走行の速度ムラであるWow(ゆっくりした揺れ)とFlutter(速い揺れ)を再現し、 テープ飽和(Saturation)による温かいハーモニック・ディストーションを付加します。 Noise(低周波ランブル)とHiss(高周波ヒス)でテープメカニズムの物理的なノイズも再現。

HeadModeでSingle(1タップ)/ Dual(2タップ)/ Triple(3タップ)を選択でき、 マルチヘッドにすることで複雑なリズミック・エコーパターンを生成。テンポ同期にも対応しています。

TIPS

Space Echo: Time=300ms、Wow=0.3、Flutter=0.2、Saturation=0.5。 Roland RE-201のような温かいテープエコー。
ローファイ・テープ: Saturation=0.8、Hiss=0.3、Noise=0.2。 使い込まれた古いテープマシンの質感。
マルチタップ・リズム: Triple HeadModeでテンポ同期をON。3つの異なるタイミングで反復する複雑なポリリズミック・エコー。

パラメータ相互作用

Wow × Flutter: Wow は低周波(0.3-2Hz程度)のテープ速度揺れを、Flutter は高周波(3-15Hz程度)の速度揺れを再現。 Wow=0.3 + Flutter=0 は滑らかなテープの「ゆらぎ」のみ、Flutter=0.3 を加えるとヘッド接触の微細な振動が加わり、 より物理的なテープ機材の質感に。両方を高く設定すると、故障したテープマシンのような劇的な効果に。
Saturation × Feedback: テープ飽和はフィードバック経路に適用されるため、Feedback が高いほど Saturation の効果が累積します。 Saturation=0.5 + Feedback=0.6 では反復ごとに徐々に歪みが増し、原音のクリアなアタックから柔らかく溶けるテイルへの自然な遷移が生まれます。
HeadMode × Time: Dual/Triple モードでは2つ目・3つ目のヘッドが元の Time に対して固定比率のオフセットで配置されます。 テンポ同期と組み合わせることで、例えば 1/4 + 1/8 + 1/16 のような音楽的なマルチタップ・パターンを生成可能。
Noise + Hiss: Noise(低周波ランブル)と Hiss(高周波ヒス)はテープメカニズムの物理的ノイズを再現。 Noise=0.1 + Hiss=0.15 で微妙なヴィンテージ感、高い設定ではローファイ・テープ崩壊のような極端な効果。

モード
Head Mode (3種)
Single Dual Triple
Sync Mode (2種)
Free Sync
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Time CV [CV] Feedback CV [CV] Wow CV [CV] Flutter CV [CV] Saturation CV [CV] Noise CV [CV] Hiss CV [CV] Mix CV [CV] Head Mode CV [CV] Sync Mode CV [CV] Sync Div CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
TimeTime CV (port 2)10–1000 msテープ・ディレイタイム
FeedbackFeedback CV (port 3)0.0–1.0フィードバック量
WowWow CV (port 4)0.0–1.0テープ速度のゆっくりした揺らぎ
FlutterFlutter CV (port 5)0.0–1.0テープ速度の速い揺らぎ
SaturationSaturation CV (port 6)0.0–1.0テープ飽和によるサチュレーション
NoiseNoise CV (port 7)0.0–1.0低周波ランブル・ノイズ
HissHiss CV (port 8)0.0–1.0高周波テープ・ヒス
MixMix CV (port 9)0.0–1.0ウェット/ドライ・ミックス
Head ModeHead Mode CV (port 10)Single / Dual / Tripleタップ数(1-3ヘッド)
Sync ModeSync Mode CV (port 11)Free / Syncテンポ同期モード
Sync DivisionSync Div CV (port 12)音符分割テンポ同期時の分割値
Spatial

SpringReverb

スプリング・リバーブ。物理的なバネの共鳴、周波数依存の伝搬遅延、特徴的なTwangレゾネーター搭載。3モード。
概要

SpringReverbはスプリング(バネ)リバーブの物理特性をモデリングしたリバーブです。 実際のスプリングリバーブでは、バネ内を伝わる音波が周波数によって異なる速度で伝搬し(分散特性)、 独特の「ボヨーン」「ドリップ」といった金属的な残響が生まれます。

内部では4本のオールパスフィルター(分散チェーン)と4本のコムフィルター(バネの共振モード)がL/R独立に動作し、 Twangレゾネーター(バイカッド・バンドパス)が低域の「ボイン」という特徴的な響きを付加します。 3つのモード(Vintage/Bright/Deep)はそれぞれ異なるディレイテーブルとTwang周波数を持ち、 クラシックなギターアンプのスプリングから実験的な深淵的残響まで対応します。

TIPS

サーフ・リバーブ: Vintageモード、Tension=0.5、Twang=0.7。 ギターアンプのスプリングリバーブ的なクラシカルな響き。Twangが80Hzの「ドリップ」を強調。
ブライト・スプラッシュ: Brightモード、Stiffness=0.7、Damping=0.3。 高域に明るい金属的なキャラクター。パーカッションに効果的。
ディープ・ドローン: Deepモード、Tension=0.3、Twang=0.9、Damping=0.2。 50Hzの深い共鳴と長いディレイテーブルで、底なしの深淵的な残響。

パラメータ相互作用

内部アーキテクチャ: L/R各チャンネルに4本のオールパスフィルター(分散チェーン)と4本のコムフィルター(共振モード)が動作。 Twangレゾネーター(バイカッド・バンドパス)が低域の「ボイン」という特徴的な共鳴を付加します。
Tension × Stiffness: Tension はバネの張力をシミュレートし、コムフィルターのフィードバック係数に影響。 Stiffness はオールパスの分散度を制御し、周波数依存の伝搬遅延を決定。 Tension=高 + Stiffness=低 で「タイトで明るい」バネ音、Tension=低 + Stiffness=高 で「ゆるく鈍い」バネ音に。
Twang × Mode: Twangレゾネーターの中心周波数はモードごとに異なります: Vintage=80Hz(クラシックなドリップ音)、Bright=120Hz(パーカッシブな弾け)、Deep=50Hz(地鳴りのような低域共鳴)。 Twang値を上げるほどこの周波数帯のピークが際立ちます。
Damping × Decay: Damping が高いと残響の高域が速く減衰し、暗く温かい響きに。 Decay × Damping の組み合わせで、短い明るい残響(低Decay + 低Damping)から長い暗い残響(高Decay + 高Damping)まで制御。

モード
Mode (3種)
Vintage Bright Deep
OUT L [Audio] OUT R [Audio] Audio L [Audio] Audio R [Audio] Tension CV [CV] Stiffness CV [CV] Damping CV [CV] Twang CV [CV] Mix CV [CV] Mode CV [CV] Width CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
ModeMode CV (port 7)Vintage / Bright / Deepスプリング・キャラクター(ディレイテーブル+Twang周波数を決定)
TensionTension CV (port 2)0.0–1.0バネの張力。高いほど共振が密に
StiffnessStiffness CV (port 3)0.0–1.0バネの剛性。分散特性の強さ
DampingDamping CV (port 4)0.0–1.0エネルギー損失。残響のの減衰速度
TwangTwang CV (port 5)0.0–1.0Twangレゾネーターの強さ。「ボイン」という特徴的な共鳴
WidthWidth CV (port 8)0.0–1.0ステレオ幅
MixMix CV (port 6)0.0–1.0ウェット/ドライ・ミックス

シーケンサー: パターン (11種)

メロディやリズムの構造を生成するシーケンス・エンジン群。決定論的なパターンと確率的な逸脱の間を行き来しながら、Clockに同期して動作する。ステップの一つ一つが、次に何が起こるかを完全には知らない——その不確定性こそが、生きたリズムの条件である。

Sequencer

StepSequencer

グリッドベースの16ステップ・シーケンサー。Pitch/Velocity/Probabilityの3レーン、8バンクのパターン記憶、Direction制御。
概要

StepSequencerはクラシックなグリッド型ステップ・シーケンサーです。 各ステップにPitch、Velocity、Probabilityの3つの値を持ち、最大32ステップ(デフォルト16)のパターンを構成。 8つのパターン・バンクを内蔵し、パターン切り替えはCV入力でリアルタイムに行えます。 Direction制御でForward/Backward/PingPong/Randomの再生方向を選択可能。

TIPS

基本メロディ: CV OutをOscillatorのV/Octに、GateをEnvVCAのGateに接続。Clockで駆動して即座にメロディ再生。
確率的パターン: 各ステップのProbabilityを50-80%にすると、毎サイクル異なるバリエーションが生まれるジェネラティブなメロディに。
パターンチェーン: Pattern CVにLFOの矩形波やカウンターを接続し、パターン・バンクを自動切り替え。

CV Out [CV] Gate [Gate] Trigger [Gate] Step CV [CV] Clock [Gate] Reset [Gate] Length CV [CV] Swing CV [CV] Direction CV [CV] Gate Len CV [CV] Pattern CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
LengthLength CV (port 2)2–32 stepsパターン長
Gate LengthGate Len CV (port 5)0.0–1.0ゲートのデューティ比
SwingSwing CV (port 3)0.0–1.0偶数ステップのタイミングずらし
DirectionDirection CV (port 4)Forward / Backward / PingPong / Random再生方向
Pattern SelectPattern CV (port 6)0–7パターン・バンク選択
Sequencer

Euclidean [v1.0 で削除]

⚠️ このノードは v1.0 で削除されました。 ユークリッドリズム機能は CircularSeqapplyEuclidean(steps, fills, rotation) メソッドに統合されています。
ユークリッド・リズム・ジェネレーター。Bjorklundアルゴリズムによる数学的に最も均等なリズムパターンの生成。
概要

Euclideanノードは、与えられたステップ数(Steps)にフィル数(Fills)を可能な限り均等に配分するBjorklundアルゴリズムを実装しています。 例えばSteps=8, Fills=3は「x..x..x.」を生成し、これはCuban Tresileのリズムに一致します。 Rotationでパターンを位相回転させ、Probabilityでステップごとの発火確率をゲーティング。 Inverse出力は通常パターンの反転(休符部分がON)を出力し、2つのリズム層を同時に駆動できます。

TIPS

ポリリズム: 複数のEuclideanを異なるSteps/Fills設定で同一Clockに接続。例: 8/3と8/5でポリリズミックな重なりを生成。
動的パターン: FillsRotationをLFOで変調し、パターンが時間とともに変化するエヴォルビング・リズムに。
Inverse活用: Inverse出力を別のドラムに接続すると、メインリズムの隙間を埋める補完パターンに。

Trigger [Gate] Accent [Gate] Inverse [Gate] Step CV [CV] Clock [Gate] Reset [Gate] Steps CV [CV] Fills CV [CV] Rotation CV [CV] Prob CV [CV] Division CV [CV] Pattern CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
StepsSteps CV (port 2)2–32パターンのステップ総数
FillsFills CV (port 3)0–Stepsアクティブなフィル数
RotationRotation CV (port 4)0–Stepsパターンの位相回転量
ProbabilityProb CV (port 5)0.0–1.0ステップ発火の確率ゲーティング
DivisionDivision CV (port 6)Clock分割クロック分割率
Pattern SelectPattern CV (port 7)バンクパターン・バンク選択
Sequencer

Arpeggiator

13パターンのアルペジエーター。MIDIコード入力をパターン化、1-4オクターブ展開、テンポ同期、ラッチ対応。
概要

ArpeggiatorはMIDI入力で受けたコード(複数ノート)を、選択したパターンに基づいて順次再生するシーケンサーです。 13のアルペジオ・パターン(Up, Down, UpDown, DownUp, Random, UpDownExclusive, Alternating, Octaves, Thumb, AsPlayed, Chord, Converge, Diverge)を搭載。 Octave Rangeで1〜4オクターブに展開でき、TransposeでCVによる±24セミトーンのリアルタイム移調が可能。 Latch機能でMIDIキーを離してもノートを保持し続け、テンポ同期で正確なBPM連動を実現します。

TIPS

基本アルペジオ: MIDIキーボードでコードを押さえ、Upパターンで上昇アルペジオ。Octave Range=2で2オクターブに展開。
ジェネラティブ: RandomパターンでLatch=ON。コードを一度押して離しても、ランダムなアルペジオが延々と続くジェネラティブ・メロディに。
リズム変化: Swingとテンポ同期のSync DivisionをCVで変調し、ノリが動的に変化するアルペジオを生成。

パターン
Arpeggio Pattern (13種)
Up Down UpDown DownUp Random UpDownExcl. Alternating Octaves Thumb AsPlayed Chord Converge Diverge
CV Out [CV] Gate [Gate] Velocity [CV] Accent [Gate] EOC [Gate] Clock [Gate] Reset [Gate] Transpose CV [CV] Hold [Gate] Rate CV [CV] Gate Len CV [CV] Swing CV [CV] Octave CV [CV] Velocity CV [CV] Sync Div CV [CV] Sync Mode CV [CV] Pattern CV [CV] Latch CV [CV] Retrigger CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
PatternPattern CV (port 11)13パターンアルペジオ・パターンの選択
Octave RangeOctave CV (port 7)1–4 octavesオクターブ展開幅
RateRate CV (port 4)Hz / SyncフリーランHz又はテンポ同期
Sync DivisionSync Div CV (port 9)音符分割テンポ同期時の分割
Gate LengthGate Len CV (port 5)0.0–1.0ゲート長(デューティ比)
SwingSwing CV (port 6)0.0–1.0スウィング量
VelocityVelocity CV (port 8)0.0–1.0ノートベロシティ
TransposeTranspose CV (port 2)±24 stリアルタイム移調
LatchLatch CV (port 12)OFF / ONノート保持モード
RetriggerRetrigger CV (port 13)OFF / ON新ノートでリスタート
Sync ModeSync Mode CV (port 10)Free / Syncテンポ同期のON/OFF
Sequencer

CircularSeq

円形メロディ・シーケンサー。A/Bデュアルパターン、6スケールモード、ミューテーション/エヴォルブ機能搭載。15パラメータ。
概要

CircularSeqは円形UIでパターンを視覚的に操作するメロディ・シーケンサーです。 A/Bの2パターンを内蔵し、メイン出力(Pitch/Gate/Vel)とオルタネート出力(Pitch Alt/Gate Alt/Vel Alt)で同時に出力。 6つのスケールモード(Chromatic, Major, Minor, Pentatonic, Dorian, Phrygian)でピッチを自動量子化し、 Mutation RateとEvolveパラメータでパターンを確率的に変化させるジェネラティブ機能を搭載。

TIPS

デュアルメロディ: パターンAとBに異なるメロディを設定。メイン出力とAlt出力をそれぞれ別のオシレーターに接続して、2つのメロディを同時再生。
エヴォルビング: Mutation Rate=0.1、EvolveをClockの低分割で駆動。ゆっくりとパターンが変化するジェネラティブ・メロディ。
パターン切替: Pattern SelectをCVで制御し、A/Bパターンをリアルタイムに切り替え。Queue Modeで次拍境界での切り替えも可能。

スケール
Scale Mode (6種)
Chromatic Major Minor Pentatonic Dorian Phrygian
Pitch CV [CV] Gate [Gate] Vel [CV] Pitch Alt [CV] Gate Alt [Gate] Vel Alt [CV] Clock [Gate] Reset [Gate] Steps CV [CV] Root CV [CV] Scale CV [CV] Swing CV [CV] Direction CV [CV] Mutation CV [CV] Pattern CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
Steps ASteps CV (port 2)2–128パターンAのステップ数
Steps B2–128パターンBのステップ数
Root NoteRoot CV (port 3)0–11 (C–B)ルートノート
ScaleScale CV (port 4)6スケールスケール量子化モード
Octave-2–+2オクターブ・オフセット
Gate Length0.0–1.0ゲート長
SwingSwing CV (port 5)0.0–1.0スウィング量
DirectionDirection CV (port 6)Forward/Reverse/PingPong/Random再生方向
Mutation RateMutation CV (port 7)0.0–1.0パターン変異確率
Pattern SelectPattern CV (port 8)A / Bアクティブ・パターン選択
Clock Div分割率クロック分割
Fill In0.0–1.0フィルイン密度
Queue ModeImmediate / Queueパターン切替タイミング
Sequencer

Drum Seq

8トラック・ドラム専用シーケンサー。24出力(8 Gate + 8 Velocity + 8 CV)、per-step CV、ミューテーション/フィルイン。
概要

DrumSeqは8つのドラムトラックを同時に編集するリズム・シーケンサーです。 各トラックにGate/Velocity/CVの3出力を持ち、合計24ポートの出力で精密なドラムパターン制御が可能。 最大128ステップの長尺パターンをサポートし、各ステップにmicroTiming、コンディション(0-5)、ゲート長オーバーライド、 duration(0.25–4.0)を設定可能。トラックごとの独立ミュートとゲイン制御で、ライブ・パフォーマンスに対応。

Mutation機能はvelocity(0.5)/active(0.2)/probability(0.3)の重み付けでパターンを確率的に変化させ、 Fill-in機能は非アクティブな非ロック・ステップをランダムに活性化して即座にフィルパターンを生成します。 8段のパターン履歴リングバッファでUndo操作にも対応。

TIPS

基本ビート: Gate T1-T8出力をドラムシンセ(BD, SD, HH, ElasticPerc等)に接続。Vel T1-T8で強弱、CV T1-T8でper-stepパラメータ制御。
ライブ・ミュート: Mute T1–T8でリアルタイムにトラックをON/OFF。ブレイクダウンやビルドアップに。
エヴォルブ: Mutation Rateを低め(0.1)にしてEvolveをトリガー。ビートが少しずつ変化していくジェネラティブ・リズム。

パラメータ相互作用

Mutation Rate の重み分配: ミューテーション実行時、変異は3つのカテゴリに確率分配されます: velocity変異(重み0.5)= ベロシティを微調整、active変異(重み0.2)= ステップのON/OFFを反転、 probability変異(重み0.3)= ステップの発火確率を変更。Mutation Rate が高いほど変異が強く発生します。
Fill In × ロック: Fill In は非アクティブな「非ロック」ステップのみをランダムに活性化します。 ステップをロック(Inspector から)しておくと Fill In やMutation の影響を受けず、核となるリズムを保護しながら装飾パターンだけを変化させることが可能。
per-step CV: 各トラックのCV出力により、ステップごとに異なるパラメータ値をドラムシンセに送信可能。 例えばKickのピッチやDecayをステップごとに変化させるジェネラティブなパターンを構築。
パターン履歴: 内部に8段のリングバッファでパターン履歴を保持し、Evolve/Fill In/Mutate 操作後のUndo が可能。 大胆なパターン変更を試した後でも安全に元に戻せます。

T1 Gate [Gate] T1 Vel [CV] T1 CV [CV] T2 Gate [Gate] T2 Vel [CV] T2 CV [CV] T3 Gate [Gate] T3 Vel [CV] T3 CV [CV] T4 Gate [Gate] T4 Vel [CV] T4 CV [CV] T5 Gate [Gate] T5 Vel [CV] T5 CV [CV] T6 Gate [Gate] T6 Vel [CV] T6 CV [CV] T7 Gate [Gate] T7 Vel [CV] T7 CV [CV] T8 Gate [Gate] T8 Vel [CV] T8 CV [CV] Clock [Gate] Reset [Gate] Steps CV [CV] Gate Len CV [CV] Swing CV [CV] Pattern CV [CV] Clock Div CV [CV] Mutation CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
StepsSteps CV4–128パターンのステップ数
Clock DivClock Div CV分割率クロック分割
SwingSwing CV0.0–1.0スウィング量
DirectionForward/Reverse/Bounce/Random再生方向
Gate LengthGate Len CV0.0–1.0ゲート長
Mute T1–T8OFF / ON各トラックのミュート
Mutation RateMutation CV0.0–1.0変異率(vel 0.5/active 0.2/prob 0.3)
EvolveTriggerミューテーション実行トリガー
Fill InTriggerフィルイン生成トリガー
Pattern SelectPattern CVパターン番号パターン切替
Sequencer

PianoRoll

6ボイス・ポリフォニック・ピアノロール。DAWスタイルの自由配置ノート、8パターンバンク、MIDIレコーディング、9スケール量子化。
ChordProgression の機能 (VoicingMode/StrumSpread/generateChordPattern) を統合済み。
概要

PianoRollはDAWのピアノロールエディターを再現した6ボイス・ポリフォニック・シーケンサーです。 各パターンに最大128ノートを自由配置でき、ピッチ・タイミング・デュレーション・ベロシティを個別に編集。 8つのパターン・バンクを内蔵し、MIDIキーボードからのステップ/リアルタイム・レコーディングにも対応。 9つのスケールタイプでピッチを量子化し、SnaptToScale機能で既存ノートを一括で調整できます。

出力は6ボイス分のCV+Gateペア(12ポート)を持ち、各ボイスを個別のオシレーターやシンセに接続可能。 IGenerativeNodeインターフェースによりRandomize/Fill/Reverse/Snap等のジェネラティブ操作をサポートします。

統合済み: 旧 ChordProgression ノードの機能を吸収。Voicing Mode (Close/Open/Drop2/Drop3) でコード音域配置を選択、 Strum Spread でコード各音の発音タイミングをずらし、generateChordPattern() でコードタイプからノートを自動生成できます。 同ステップの複数ノートはピッチ昇順にソートされ、voice 0 = 最低音として割り当てられます。

TIPS

コード・シーケンス: 3-4音の和音を各ステップに配置。6ボイス出力を同一オシレーターの6つのV/Oct入力に接続すれば、ポリフォニックなコード進行に。
MIDI録音: Record Enable=ONでMIDIキーボードからリアルタイム入力。Quantizeで入力を自動的にグリッドに揃えます。
ジェネラティブ: InspectorのRAND/FILLボタンで確率的にパターンを生成。Scale TypeRoot Noteを設定すれば、スケール内のランダム・メロディに。

CV 0 [CV] Gate 0 [Gate] CV 1 [CV] Gate 1 [Gate] CV 2 [CV] Gate 2 [Gate] CV 3 [CV] Gate 3 [Gate] CV 4 [CV] Gate 4 [Gate] CV 5 [CV] Gate 5 [Gate] Clock [Gate] Reset [Gate] Length CV [CV] Gate Len CV [CV] Pattern CV [CV] Swing CV [CV] Scale CV [CV] Root CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
LengthLength CV (port 2)2–32 stepsパターン長
Gate LengthGate Len CV (port 3)0.05–0.95ゲート長(デューティ比)
Pattern SelectPattern CV (port 4)0–7パターン・バンク選択
Record EnableOFF / ONMIDIレコーディング有効化
Scale TypeScale CV (port 6)9スケールピッチ量子化スケール
Root NoteRoot CV (port 7)0–11 (C–B)スケールのルートノート
QuantizeOff / 1/32 / 1/16 / 1/8 / 1/4入力ノートのグリッド量子化
Record ModeStep / Realtimeレコーディング方式
SwingSwing CV (port 5)0.0–1.0スウィング量
Sync Division音符分割テンポ同期分割
Sequencer

ChordProgression [v1.0 で PianoRoll に統合]

⚠️ このノードは v1.0 で PianoRoll に統合されました。 VoicingMode (Close/Open/Drop2/Drop3)・StrumSpread・generateChordPattern() は PianoRoll ノードから直接利用できます。既存の .symt ファイルは後方互換エイリアスにより自動マッピングされます。
6ボイス・コード進行シーケンサー。4バンク、4ボイシングモード(Close/Open/Drop2/Drop3)、ストラム・スプレッド。
概要

ChordProgressionは和音進行に特化した6ボイス・ポリフォニック・シーケンサーです。 各ステップにコードタイプ(Major, Minor, 7th, dim, aug等)とルートを設定し、自動的にボイシングを適用。 4つのボイシングモード(Close, Open, Drop2, Drop3)でコードの音域配置を選択でき、 Strum Spreadでコードの各音の発音タイミングをずらし、ストラム(かき鳴らし)効果を生成します。

PianoRollと同じ6ボイス×(CV+Gate)の12ポート出力を持ち、各ボイスを独立したオシレーターに接続してポリフォニックなシンセパッドを構成できます。

TIPS

基本コード進行: I-V-vi-IV(C-G-Am-F)をステップに入力し、6出力を6台のOscillatorに接続。即座にポリフォニック・パッドの完成。
ストラム: Strum Spreadを0.3程度に設定すると、コードの各音が少しずつずれて発音されるギター的なかき鳴らし効果に。
ボイシング変化: Voicing ModeをCVで変調し、同じコード進行でもClose→Open→Drop2と広がりが動的に変化する表現に。

ボイシング
Voicing Mode (4種)
Close Open Drop2 Drop3
CV 0 [CV] Gate 0 [Gate] CV 1 [CV] Gate 1 [Gate] CV 2 [CV] Gate 2 [Gate] CV 3 [CV] Gate 3 [Gate] CV 4 [CV] Gate 4 [Gate] CV 5 [CV] Gate 5 [Gate] Clock [Gate] Reset [Gate] Length CV [CV] Gate Len CV [CV] Pattern CV [CV] Root CV [CV] Scale CV [CV] Voicing CV [CV] Strum CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
LengthLength CV (port 2)2–32 stepsコード進行のステップ数
Gate LengthGate Len CV (port 3)0.05–0.95ゲート長
Pattern SelectPattern CV (port 4)0–3パターン・バンク選択
Root NoteRoot CV (port 5)0–11 (C–B)グローバル移調
Scale TypeScale CV (port 6)スケールSnap-to-Scale用
Voicing ModeVoicing CV (port 7)Close / Open / Drop2 / Drop3コード・ボイシング
Strum SpreadStrum CV (port 8)0.0–1.0ストラム・タイミングの広がり
Sequencer

Tala

インド古典音楽のターラ(リズムサイクル)シーケンサー。12のプリセットターラ、ビート/サム/アクセント/サイクル出力。
概要

Talaノードはインド古典音楽のターラ(拍子サイクル)に基づくリズムパターン・ジェネレーターです。 12のプリセット・ターラ(Tintal 16拍, Jhaptal 10拍, Rupak 7拍, Dadra 6拍等)を搭載し、 各ターラの構造的なアクセント(Sam=サイクル開頭、Khali=空拍)を忠実に再現。 Beat出力は各拍のパルス、Sam出力はサイクル開頭のトリガー、Accent出力は構造的強拍、Cycle出力はサイクル完了を示します。

TIPS

インド風リズム: Tintall(16拍4-4-4-4)を選択し、BeatをKickに、AccentをSampleに接続。Subdivisionを2にすると8分音符のレベルに。
変拍子: Rupak(7拍3-2-2)やJhaptal(10拍2-3-2-3)で、西洋音楽では珍しい変拍子を簡単に生成。
確率的: Probabilityを0.7程度にすると、一部の拍がランダムに省略される有機的なリズムに。

プリセット
Tala Preset (12種)
Tintal Jhaptal Rupak Dadra Keherwa Ektaal Jhumra Tilwada Dhamar Chautal Sooltaal Deepchandi
Beat [Gate] Sam [Gate] Accent [Gate] Cycle [Gate] Clock [Gate] Reset [Gate] Tala CV [CV] Subdiv CV [CV] Prob CV [CV] Division CV [CV] Swing CV [CV] Pulse W CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
TalaTala CV (port 2)12プリセットターラ・プリセット選択
SubdivisionSubdiv CV (port 3)1–8x1拍あたりの細分化数
ProbabilityProb CV (port 4)0.0–1.0拍の発火確率
DivisionDivision CV (port 5)Clock分割クロック分割率
SwingSwing CV (port 6)0.0–1.0スウィング量
Pulse WidthPulse W CV (port 7)0.01–0.99パルスのデューティ比
Sequencer

MIDIToCV

MIDI→CV変換器。外部MIDIキーボード/DAWからのノート情報をPitch CV/Gate/Trigger/Velocityに変換。
概要

MIDIToCVはMIDI入力をモジュラー信号に変換するユーティリティ・ノードです。 パラメータは一切なく、MIDI入力を受信すると自動的にPitch CV、Gate、Trigger、Velocityの4信号に変換します。 ラスト・ノート・プライオリティ(8ノートスタック)で和音のうち最後に押されたノートを優先。 CV変換式は (midiNote - 36) / 60.0 で、Symbiontの432Hz E612チューニングシステムに準拠します。

TIPS

リアルタイム演奏: Pitch CVをOscillatorのV/Octに、GateをEnvVCAのGateに接続するだけで、MIDIキーボードでのリアルタイム演奏が可能に。
ベロシティ表現: Velocity出力をEnvVCAのCV Inや、FilterのCutoff CVに接続して、タッチの強弱に応じた音色変化を実現。

Pitch CV [CV] Gate [Gate] Trigger [Gate] Velocity [CV]
パラメータポートID範囲説明
パラメータなし — MIDI入力は自動的に処理されます
Sequencer

MarkovSeq

8状態マルコフ連鎖シーケンサー。8×8遷移行列による確率的状態遷移でジェネラティブ・メロディを生成。
概要

MarkovSeqは8つの状態を持つマルコフ連鎖に基づくシーケンサーです。 各状態にピッチ値(Pitch0-7)を設定し、8×8の遷移行列(各セルに遷移確率0-1)で状態間の遷移パターンを定義。 クロックごとに現在の状態の遷移確率に基づいて次の状態が確率的に選択され、対応するピッチが出力されます。 State CV出力は現在の状態番号(0-7)を0-1に正規化して出力し、他のパラメータのモジュレーション・ソースとしても使用可能。

TIPS

確率的メロディ: 8つのピッチにペンタトニック・スケールの音を設定し、対角線上の遷移確率を高くすると「同じ音が続きやすい」メロディに。
循環パターン: 0→1→2→...→7→0の順序遷移確率を高くすると、ほぼ固定のシーケンスに。他の遷移にも少し確率を割り当てると、時々逸脱する有機的なパターンに。
State CVモジュレーション: State CVをFilterのCutoffに接続し、状態遷移に連動した音色変化を付加。

Pitch [CV] Gate [Gate] Velocity [CV] State CV [CV] Clock [Gate] Reset [Gate] Velocity CV [CV] Gate Len CV [CV] State CV In [CV]
パラメータポートID範囲説明
Pitch 0–7MIDIノート各状態のピッチ値(8状態分)
VelocityVelocity CV (port 2)0.0–1.0出力ベロシティ
Gate LengthGate Len CV (port 3)0.0–1.0ゲート長
Sequencer

TuringMachine

16ビット・シフトレジスタ・シーケンサー。確率的ビットフリップで「ループしつつ変化する」メロディを生成。
概要

TuringMachineはMusic Thing Modularのチューリングマシンにインスパイアされたシーケンサーです。 16ビットのシフトレジスタ(LFSR)を内蔵し、クロックごとにビットがシフトされます。 Probability=0で完全にループし、=1で完全にランダム、中間値で「ほぼ同じだけど少しずつ変化する」ジェネラティブなシーケンスを生成。 Lengthでシーケンス長(2-16ビット)を設定し、ScaleとOffsetで出力CVの範囲を調整します。

TIPS

制御されたランダム: Probability=0.1に設定。ほぼ同じシーケンスが繰り返されるが、時々1ビットだけ変化するため、 「聞き覚えがあるけど少し違う」有機的な変化を持つメロディに。
Bits CV活用: Bits CV出力はシフトレジスタの全ビットを正規化した値。Gate出力と組み合わせてリズムとメロディを同時生成。
固定ループ: Probability=0で完全固定のシーケンス。Write Modeをオンにしてから好みのパターンが出るまでProbabilityを上げ、出たら0に戻してロック。

CV [CV] Gate [Gate] Pulse [Gate] Bits CV [CV] Clock [Gate] Reset [Gate] Prob CV [CV] Length CV [CV] Scale CV [CV] Offset CV [CV] Write CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
ProbabilityProb CV (port 2)0.0–1.0ビットフリップ確率。0=固定ループ、1=完全ランダム
LengthLength CV (port 3)2–16 bitsシーケンス長(使用ビット数)
ScaleScale CV (port 4)0.0–1.0出力CVのスケーリング
OffsetOffset CV (port 5)0.0–1.0出力CVのオフセット
Write ModeWrite CV (port 6)OFF / ON外部書き込み有効化

モジュレーター (3種)

低周波やランダム信号を生成し、他ノードのパラメータを動的に変化させるコントロールソース群。スカラーCV(k-rate ~750Hz)として他ノードのModulationSlotに接続します。GenEnv(自己進化ADSR)を新規搭載。呼吸のようにゆっくりとした周期から、カオス的な予測不可能な軌道まで——パラメータに時間的な生命を吹き込む器官である。

Modulator

LFO

11波形搭載の低周波オシレーター。Sine/Triangle/Saw/Square/Randomに加え、Lorenz/Rosslerカオス波形、Supersaw、Drift、Stepped、SmoothRandomを搭載。テンポ同期対応。
概要

LFOノードは0.01Hz〜20Hzの低周波信号を生成するモジュレーション・ソースです。 11種類の波形を搭載し、クラシックな正弦波や三角波に加え、Lorenz/Rosslerアトラクタに基づくカオス波形、 SupersawやDrift(ブラウニアン・ランダムウォーク)、Stepped(S&H的な離散ステップ)、SmoothRandom(補間済みランダム)など、 生成的なモジュレーション・ソースとしても機能します。

k-rate(コントロールレート~750Hz)で動作し、CPU効率が高い設計。 テンポ同期モードでは23種類のSync Division(1/32〜32小節)でBPMに正確に連動。 Chaos Amountパラメータで波形に微小なランダム変動を付加し、機械的な正確さに有機的な揺らぎを加えられます。 Mode切替でBipolar(±1)とUnipolar(0〜1)の出力範囲を選択可能。Gate Out出力は波形が閾値を超えたときにゲートを出力します。

TIPS

基本ビブラート: Sine波形、Frequency=5Hz、Depth=0.1。CV出力をOscillatorのV/Octに接続して微小なピッチ揺れ。
フィルター・スウィープ: Triangle波形、Frequency=0.2Hz、Depth=0.8。CVをFilterのCutoffへ。ゆっくりしたカットオフの上下動。
カオス・モジュレーション: Lorenz波形でカオティックな非周期的変調。Chaos Amountを上げるとさらに予測不能な動きに。
テンポ同期トレモロ: Square波形、Tempo Sync=ON、Division=1/8。EnvVCAのCV Inに接続してBPM連動のトレモロ効果。
Gate生成: Gate OutをシーケンサーのReset入力に接続し、LFOの周期でシーケンスをリセットする変拍子的効果。

波形
Classic (5種)
Sine Triangle Saw Square Random
Extended (6種)
Lorenz Rossler Supersaw Drift Stepped SmoothRandom
CV [CV] Gate Out [Gate] Freq CV [CV] Depth CV [CV] Phase CV [CV] Waveform CV [CV] Mode CV [CV] Chaos CV [CV] Sync CV [CV] Sync Div CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
FrequencyFreq CV (port 0)0.01–20 HzLFO周波数
WaveformWaveform CV (port 3)11波形出力波形の選択
DepthDepth CV (port 1)0.0–1.0出力の振幅
PhasePhase CV (port 2)0.0–1.0位相オフセット
ModeMode CV (port 4)Bipolar / Unipolar出力範囲。Bipolar=±1、Unipolar=0-1
Chaos AmountChaos CV (port 5)0.0–1.0波形へのランダム変動量
Tempo SyncSync CV (port 6)OFF / ONテンポ同期のON/OFF
Sync DivisionSync Div CV (port 7)0–22 (23段階)テンポ同期時の分割値
Modulator

BreakpointEnv

8セグメント・マルチポイント・エンベロープ(MSEG)。セグメントごとのレベル・カーブ設定、ループ/サスティン・ポイント、EOC出力。
概要

BreakpointEnvは最大8セグメントのプログラマブル・エンベロープ・ジェネレーターです。 各セグメントに独立したレベル(0-1)とカーブ形状を設定でき、従来のADSRでは表現できない複雑な時間変化を描画。 LoopStart/LoopEndでエンベロープの一部をループさせてLFO的に使用したり、 SustainPointでゲート保持中に特定セグメントで停止させることが可能です。

Timescaleパラメータでエンベロープ全体の速度を倍率で調整し、CVで動的にスピードを変化させられます。 Curve Allで全セグメントのカーブ形状を一括変更。 出力はENV(メインCV)に加え、Phase(サイクル内位相)、Segment CV(現在セグメント番号)、EOC(エンドオブサイクル・トリガー)の4ポート。

TIPS

複雑なフィルター・エンベロープ: 5セグメントで「急上昇→少し下降→ゆっくり上昇→サスティン→リリース」のような多段エンベロープを構成。 ENVをFilterのCutoff CVに接続。
ループLFO: LoopStart=0、LoopEnd=3にして4セグメントをループ。 各セグメントのレベルを0→1→0→0.5のように設定すると、カスタム波形のLFOとして機能。
リズミック・エンベロープ: EOC出力を自身のTrigger入力にフィードバックすると、エンベロープが完了するたびに自動リトリガーされる自走式に。
テンポ同期: ClockのPhase CVをTimescaleに接続し、エンベロープの進行速度をBPMに連動させることが可能。

ENV [CV] Phase [CV] Segment CV [CV] EOC [Gate] Gate [Gate] Trigger [Gate] Timescale CV [CV] Curve CV [CV] Level CV [CV] Reset [Gate]
パラメータポートID範囲説明
Num Segments1–8使用セグメント数
Loop Start0–7ループ開始セグメント
Loop End0–7ループ終了セグメント
TimescaleTimescale CV (port 2)0.0–1.0エンベロープ全体の速度倍率
Curve AllCurve CV (port 3)0.0–1.0全セグメントのカーブ形状一括設定
Sustain Point0–7ゲート保持で停止するセグメント
Modulator

GenEnv

自己進化型エンベロープ・ジェネレーター。5種の進化アルゴリズム(Genetic/Harmonic/Stochastic/Phase/Drift)でADSRパラメータが自律的に変化。ステージ内マイクロモジュレーション、ループモード搭載。
概要

従来のADSRエンベロープに「進化(Evolution)」の概念を導入したジェネレーティブ・エンベロープ・モジュレーターです。Attack/Decay/Sustain/Releaseの各パラメータが、選択されたアルゴリズムに従って自律的に変化し続けます。出力は正規化されたCV(0–1)で、ModulationSlotを通じて任意のパラメータにルーティング可能。

Genetic(遺伝的突然変異)、Harmonic(正弦波による周期的変動)、Stochastic(マルコフ連鎖確率遷移)、Phase(リズミックな位相連動)、Drift(ブラウン運動的漂流)の5モードにより、繰り返しの中にも常に微妙な変化が生まれます。さらにGen(ステージ内マイクロモジュレーション)で各ステージの時間・レベルをSine/Triangle/Noise/Bernoulli/QuantRndの6種LFOで変調可能。

5種の進化アルゴリズム

Genetic: ランダムなクロスオーバーと突然変異。各ステージの時間・レベルが乗算的/加算的に変化。世代カウンタで進化の深度を追跡。
Harmonic: 4倍音の正弦波合成による周期的な変動。各ステージに異なる位相オフセットを適用し、滑らかで音楽的な進化。
Stochastic: マルコフ連鎖。70%完全ランダム再計算、20%前状態とのブレンド、10%保持。状態に相関のある予測可能なドリフト。
Phase: 単一位相アキュムレータによるリズミックな連動変調。Attackが伸びるとDecayが縮む——パラメータ間の相関的な動き。
Drift: ブラウン運動。各パラメータが独立した速度と位置を持ち、指数減衰でゆっくり漂流する有機的な変化。

TIPS

生成的リズム: Loop=On, EvoAlgo=Drift, EvoRate=0.3で、ループごとに微妙に変化するエンベロープを生成。フィルターやVCAに接続して、非反復的なリズムパターンに。
遺伝的進化: EvoAlgo=Genetic, EvoRate=0.6で急速に変異。長時間のパフォーマンスで音色が世代を重ねて進化していく。
マイクロモジュレーション: GenDepth=0.3, GenType=Sine, GenRate=0.5で各ステージにLFO的な揺らぎを追加。Evolutionとは独立したレイヤーの変動。

ENV OUT [CV 0–1] GATE OUT [Gate] Gate In [Gate] Attack CV [CV] Decay CV [CV] Sustain CV [CV] Release CV [CV] Evo Rate CV [CV] Gen Depth CV [CV] Gen Rate CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
AttackCV (port 1)0.5 ms–10 sアタック時間(指数カーブ)
DecayCV (port 2)0.5 ms–10 sディケイ時間(指数カーブ)
SustainCV (port 3)0.0–1.0サスティンレベル
ReleaseCV (port 4)0.5 ms–10 sリリース時間(指数カーブ)
Curve0.0–1.0エンベロープ形状(0=指数, 0.5=線形, 1=対数)
Evo Algo0–4進化アルゴリズム(Genetic/Harmonic/Stochastic/Phase/Drift)
Evo RateCV (port 5)0.0–1.0進化の速度 / 変異率
Loop0/1サスティン後に自動リトリガー
Tempo Sync0/1DAWテンポへの同期(予約済み)
Vel Sens0.0–1.0ベロシティ感度
Gen DepthCV (port 6)0.0–1.0ステージ内マイクロモジュレーションの深度
Gen RateCV (port 7)0.1–20 Hzステージ内マイクロモジュレーションの周波数
Gen Type0–5マイクロモジュレーション波形(Off/Sine/Tri/Noise/Bernoulli/QuantRnd)
Modulator

Envelope [DEPRECATED]

レガシー・エンベロープ・ジェネレーター。新規プロジェクトでは EnvVCA(VCA統合、DAHDSR、VCA/LPG/Hybrid 3モード)または BreakpointEnv(8セグメントMSEG、ループ/サスティン)を推奨。既存プロジェクトの後方互換のために維持されています。
Logic

LogicGate

6種類のブール演算(AND/OR/XOR/NAND/NOR/XNOR)によるGate信号の論理結合。反転出力付き。
概要

LogicGateは2つのGate入力に対してブール論理演算を適用し、結果をGate出力するユーティリティ・ノードです。 6つの論理モード(AND, OR, XOR, NAND, NOR, XNOR)を搭載し、反転出力(Inverted)も同時に出力。 Thresholdパラメータでゲート検出の閾値を調整でき、CVレベルの信号もゲートとして処理可能です。

TIPS

リズムの掛け合わせ: 2台のEuclideanの出力をAND入力に接続。両方のパターンが同時にアクティブなステップのみが出力されるリズムの「交差点」に。
リズムの合成: ORモードで2つのリズムを結合。どちらか一方でもアクティブなステップが出力されるリズムの「和集合」。
差分リズム: XORモードで2つのリズムの「差分」を抽出。同時にアクティブなステップは消え、片方だけのステップが残る。

モード
Logic Operation (6種)
AND OR XOR NAND NOR XNOR
Gate Out [Gate] Inverted [Gate] Input A [Gate] Input B [Gate] Mode CV [CV] Threshold CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
ModeMode CV (port 2)AND / OR / XOR / NAND / NOR / XNOR論理演算モード
ThresholdThreshold CV (port 3)0.0–1.0ゲート検出閾値
Logic

BernoulliGate

確率的ゲート・ルーター。入力ゲートを設定確率でA/Bの2出力に振り分け。Gate/Toggleの2モード。
概要

BernoulliGateは入力ゲート信号を確率に基づいて2つの出力(A / B)のいずれかに振り分けるルーターです。 Probability=0.5で半々、=0.0で常にA、=1.0で常にBに出力。 Gateモードではゲートごとに独立に判定し、Toggleモードでは状態を保持して交互に切り替えます。 反転出力(!A)はAの論理反転を出力し、3系統のルーティングが可能です。

TIPS

ドラム分岐: シーケンサーのGate出力を入力し、Prob=0.3。70%の確率でBDに、30%の確率でSDにルーティング。
確率的メロディ分岐: 同一のゲートをBernoulliGateで2つのオシレーターに振り分け、異なるピッチを設定。確率的に音色が切り替わるメロディに。

モード
Routing Mode (2種)
Gate Toggle
Gate A [Gate] Gate B [Gate] !A [Gate] Input [Gate] Prob CV [CV] Mode CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
ProbabilityProb CV (port 1)0.0–1.0出力Bへの振り分け確率
ModeMode CV (port 2)Gate / Toggle判定方式
Logic

ProbDist

4チャンネル重み付き確率分配器。入力ゲートを4つの重みに基づいて1つの出力に分配。Index CV出力付き。
概要

ProbDistは入力ゲートを4つの出力チャンネルに確率的に分配するノードです。 Weight 1-4パラメータで各出力の相対的な確率重みを設定し、ゲート到着時に重み付きランダム選択で1つの出力がアクティブになります。 Index CV出力は選択されたチャンネル番号(0-3を0-1に正規化)を出力し、 他のパラメータのモジュレーション・ソースとして使用可能です。

TIPS

4ドラム・ルーター: Clockのゲートを入力し、4出力を4種のドラムシンセに接続。Weight設定でKick=高頻度、Cymbal=低頻度のような確率分布リズム。
メロディ・ルーティング: Index CVをQuantizerのCV入力に接続し、ランダムに4つの音程から選択されるメロディ生成。

Gate 1 [Gate] Gate 2 [Gate] Gate 3 [Gate] Gate 4 [Gate] Index CV [CV] Input [Gate] Weight1 CV [CV] Weight2 CV [CV] Weight3 CV [CV] Weight4 CV [CV] Trigger [Gate]
パラメータポートID範囲説明
Weight 1Weight1 CV (port 1)0.0–1.0チャンネル1の確率重み
Weight 2Weight2 CV (port 2)0.0–1.0チャンネル2の確率重み
Weight 3Weight3 CV (port 3)0.0–1.0チャンネル3の確率重み
Weight 4Weight4 CV (port 4)0.0–1.0チャンネル4の確率重み
Logic

ShiftReg

4ステージ・CVシフトレジスター。バケットブリゲード方式でCV値を順次遅延。Freeze/Reverse/Feedback対応。
概要

ShiftRegは4つのステージを持つCVシフトレジスターです。 クロックごとに入力CVが第1ステージに取り込まれ、既存の値が順次次のステージにシフト(バケットブリゲード方式)。 各ステージの値がStage 1-4出力から同時に出力されるため、 同一メロディの1拍遅れ、2拍遅れ、3拍遅れ、4拍遅れを同時に得ることができます。 Freeze入力でシフトを停止、Reverse入力でシフト方向を反転、Feedbackで最終ステージの値を入力に混合し循環パターンを生成。 Mix CV出力は4ステージの平均値を出力します。

TIPS

カノン(輪唱): シーケンサーのPitch CVを入力し、Stage 1-4を4台のオシレーターに接続。1拍ずつずれたカノン(輪唱)効果に。
循環パターン: Feedbackを上げると、シフトされたCVが再入力されてループ的なパターンが生成。値が徐々に変化する「ディレイ・フィードバック」的な効果。
Freeze+Reverse: 特定のパターンが出たらFreezeでロック。Reverseでシフト方向を反転し、逆行パターンを生成。

Stage 1 [CV] Stage 2 [CV] Stage 3 [CV] Stage 4 [CV] Mix CV [CV] CV In [CV] Clock [Gate] Reset [Gate] Feedback CV [CV] Freeze [Gate] Reverse [Gate] CV2 In [CV]
パラメータポートID範囲説明
FeedbackFeedback CV (port 3)0.0–1.0最終ステージから入力への再注入量

コントロール (14種)

CV信号の加工・量子化・ルーティング、およびGate信号の論理演算・確率処理を行うユーティリティ群。ScaleDesigner(E612スケール量子化)、MorphPad(2D/3Dモーフィング)を新規搭載。信号そのものに知性を与える、パッチの神経系のような存在である。NanoNode設計(超コンパクトUI、FocusDiveなし)。

Control

ScaleDesigner

E612スケール量子化+確率的パターン生成。15スケール×25コード×3量子化モード(Nearest/Up/Down)のピッチ補正に加え、Density/Randomnessで自律的なメロディックパターンを生成。
概要

V/Octピッチ量子化と確率的パターン生成を統合したコントロールノードです。入力V/Oct CVを15種のスケール(Major, Natural/Harmonic/Melodic Minor, 各モード, ペンタトニック, ブルース, 全音, 半音階, ハーモニックシリーズ)と25種のコード・ボイシングに基づいて量子化します。Scale/Chord/Custom(12ビットマスク)の3モードを切り替え可能。

パターン生成機能はTrigger入力で起動し、Density(ステップのアクティブ確率)とRandomness(ベロシティ変動の強度)に基づいて4–32ステップのメロディックシーケンスを生成します。Gate入力のライジングエッジでパターンを進行。Changed Outは量子化ピッチの変化を検出してトリガーを発火し、下流のエンベロープやシーケンサーの駆動に使用できます。

TIPS

ライブ量子化: V/Oct Inにオシレーターや外部CVを接続し、ScaleRootで調性を設定。Quant Dir=Nearestで最寄り音へ自然に補正。
自律パターン: Triggerで新パターンを生成し、Gateでステップを進行。Density=0.7, Randomness=0.4で適度な密度と変化。Pattern OutをオシレーターのV/Octに接続。
Changed Out活用: Changed Outをエンベロープのゲートに接続すると、ピッチ変化時のみ発音する「ステップフィルター」として機能。

Quant Out [CV] Gate Out [Gate] Pattern Out [CV] Changed Out [Gate] V/Oct In [CV] Gate In [Gate] Trigger In [Gate] Scale CV [CV] Root CV [CV] Randomness CV [CV] Density CV [CV] Chord CV [CV]
パラメータ ポートID 範囲 説明
ScaleCV (port 3)0–1415スケール選択(Major〜Harmonic Series)
RootCV (port 4)C–Bルートノート(12音)
ModeScale/Chord/Custom量子化モード選択
ChordCV (port 7)0–2425コード選択(Major〜Dom13)
Quant DirNearest/Up/Down量子化方向
RandomnessCV (port 5)0–100%パターンのベロシティ変動強度
DensityCV (port 6)0–100%パターンのステップアクティブ確率
Octave Range1–3 octパターン生成のオクターブ範囲
Pattern Length4–32 stepsパターンのステップ数
Gate Length0–100%出力ゲートのデューティサイクル(予約済み)
Control

MorphPad

2D/3Dモーフィングコントローラー。X/Y/Z位置と4コーナーの重み(Bilinear/Direct/Polar)を出力。モーション録音/再生、スナップ量子化、スムージング搭載。
概要

2Dパッド上の座標(X/Y)と奥行き(Z)から、連続的なCV信号と4コーナーの補間重み(Weight A–D)を生成するコントロールノードです。3種の補間モード——Bilinear(標準的な矩形補間)、Direct(均一重み)、Polar(ラジアル+角度ベースの補間)——により、複数パラメータの同時モーフィングを実現します。

モーション録音(16,384フレームバッファ)で軌道を記録し、可変速再生(0.25x–4x)でオートメーションとして再生可能。Snap(2–16分割の格子量子化)で離散的なステップ制御、Smooth(指数一次フィルタ)で滑らかな遷移を実現します。Trigger入力でStop→Record→Playのトランスポート状態を順次切り替え。

TIPS

マルチパラメータ・モーフ: Weight A–Dの各出力を異なるパラメータへルーティングし、パッド上の位置で4つの音色状態間をモーフィング。
モーション・シーケンス: Triggerで録音→再生。Speed=0.3でスローモーション、Loop=Onでエンドレス再生。XYの軌道がパラメータ・オートメーションとして反復。
格子量子化: SnapX=4, SnapY=4で4×4グリッドの離散モーフィング。ステップ間はSmoothで補間。

X Out [CV] Y Out [CV] Z Out [CV] Weight A [CV] Weight B [CV] Weight C [CV] Weight D [CV] Phase [CV] Gate Out [Gate] X CV [CV] Y CV [CV] Z CV [CV] Smooth CV [CV] Speed CV [CV] Trigger [Gate]
パラメータ ポートID 範囲 説明
XCV (port 0)0.0–1.0X座標位置
YCV (port 1)0.0–1.0Y座標位置
ZCV (port 2)0.0–1.0Z深度(奥行き軸)
SmoothCV (port 3)0–100%指数一次フィルタによるスムージング量
ModeBilinear/Direct/Polar補間アルゴリズム選択
Snap XOff/2–16分割X軸の格子量子化
Snap YOff/2–16分割Y軸の格子量子化
RangeUni/Bipolar出力レンジ(0–1 / −1–+1)
TransportStop/Record/Playモーション録再生の状態
Loop0/1モーション再生のループ
SpeedCV (port 4)0.25x–4x再生速度倍率
Control

Quantizer

15スケール対応のCV量子化器。入力CVを最寄りのスケール音に補正。Nearest/Up/Downの3量子化モード。
概要

Quantizerは入力CV信号を指定されたスケールの最寄りの音程に量子化するユーティリティです。 15種類のスケール(Chromatic, Major, Minor, Pentatonic, Blues, Dorian, Phrygian, Lydian, Mixolydian, Locrian, HarmonicMinor, MelodicMinor, WholeTone, Diminished, Augmented)に対応。 Root Noteで基音を設定し、Modeで量子化方向(Nearest=最寄り、Up=上方向、Down=下方向)を選択。 Trigger出力は音程が変化するたびにパルスを出力し、Changed出力は前回と異なる音程に変化した時のみトリガーします。

TIPS

ランダム→メロディ: ChaosノードやLFOのランダム出力をCV Inに接続。Pentatonicスケールで量子化すれば、「外れ音」のないランダム・メロディに。
スケール切替: Scale CVをLFOの矩形波で変調し、MajorとMinorを交互に切り替えるダイナミックな調性変化。

スケール
Scale (15種)
Chromatic Major Minor Pentatonic Blues Dorian Phrygian Lydian Mixolydian Locrian HarmonicMinor MelodicMinor WholeTone Diminished Augmented
Pitch Out [CV] Trigger [Gate] Changed [Gate] CV In [CV] Scale CV [CV] Root CV [CV] Octave CV [CV] Mode CV [CV] Gate [Gate]
パラメータポートID範囲説明
ScaleScale CV (port 1)15スケール量子化スケール
RootRoot CV (port 2)0–11 (C–B)スケールの基音
Octave OffsetOctave CV (port 3)-2–+2オクターブ移調
ModeMode CV (port 4)Nearest / Up / Down量子化方向
Control

ClockDivider

4チャンネル・クロック分周/乗算器。各チャンネル独立の分周率、パルス幅、スウィング設定。
概要

ClockDividerは1つのクロック入力を4つの独立した出力に分周/乗算するユーティリティです。 各チャンネル(Div1-4)に個別の分周率(x2, x3, x4, /1〜/16)を設定でき、 共通のPulse WidthとSwingで出力パルスの特性を調整。 ポリメトリックなリズム構造の構築に不可欠なモジュールです。

TIPS

ポリリズム: Div1=/4, Div2=/3, Div3=/5, Div4=/7に設定。4つの異なる分周率のクロックを同時に生成し、各シーケンサーに供給。
ハーフタイム: Div1=/2で入力クロックの半分の速度。ドラムパターンをハーフタイムに切り替える効果。

Out 1 [Gate] Out 2 [Gate] Out 3 [Gate] Out 4 [Gate] Clock [Gate] Reset [Gate] Div1 CV [CV] Div2 CV [CV] Div3 CV [CV] Div4 CV [CV] Pulse W CV [CV] Swing CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
Div 1Div1 CV (port 2)x2–/16出力1の分周/乗算率
Div 2Div2 CV (port 3)x2–/16出力2の分周/乗算率
Div 3Div3 CV (port 4)x2–/16出力3の分周/乗算率
Div 4Div4 CV (port 5)x2–/16出力4の分周/乗算率
Pulse WidthPulse W CV (port 6)0.0–1.0出力パルスのデューティ比
SwingSwing CV (port 7)0.0–1.0偶数拍のスウィング量
Control

SlewLimiter

独立Rise/Fallのスルーレート・リミッター。3カーブ形状(Linear/Exponential/Logarithmic)。Delta出力付き。
概要

SlewLimiterはCV信号の変化速度を制限するプロセッサーです。 Rise(上昇)とFall(下降)のスルーレートを独立に設定でき、 3つのカーブ形状(Linear, Exponential, Logarithmic)で変化の特性を調整。 ポルタメント(グライド)、エンベロープのスムージング、ステップCVの丸み付けなどに使用します。 Delta出力は入力変化の差分(微分)を出力し、変化量のモニタリングやトリガー生成に利用可能。

TIPS

ポルタメント: シーケンサーのPitch CVを入力し、Rise/Fallを同程度に設定。ステップ間でピッチが滑らかに遷移するグライド効果。
非対称エンベロープ: Rise=速い、Fall=遅いに設定すると、ゲート信号が素早く立ち上がりゆっくり下降するASR的なエンベロープに。
Delta変化検出: Delta出力で急激な変化を検出し、変化量に応じたモジュレーションやトリガー生成。

カーブ
Shape (3種)
Linear Exponential Logarithmic
Slewed [CV] Delta [CV] CV In [CV] Rise CV [CV] Fall CV [CV] Shape CV [CV] Gate [Gate] Trigger [Gate]
パラメータポートID範囲説明
RiseRise CV (port 1)0.0–1.0上昇スルーレート(0=瞬時、1=最大制限)
FallFall CV (port 2)0.0–1.0下降スルーレート
ShapeShape CV (port 3)Linear / Expo / Log変化カーブの形状
Control

Switch

A/B信号ルーター。ゲート制御による瞬時切替とCVクロスフェードに対応。
概要

SwitchはA/Bの2入力を切り替えて1出力に送るシグナル・ルーターです。 ゲート入力でAとBを瞬時に切り替える基本動作に加え、CVによるクロスフェード(連続的なA/Bブレンド)にも対応。 パッチ内の信号経路を動的に切り替えるのに必須のユーティリティです。

TIPS

A/B切替: 2つのオシレーターの出力をA/Bに接続し、ゲートで音色を瞬時に切り替え。
クロスフェード: LFOでCV入力を変調し、A/B間のスムーズなクロスフェード。2つの音源がゆっくり入れ替わる効果。

Out [CV/Audio] Input A [CV/Audio] Input B [CV/Audio] Gate [Gate] Mix CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
ゲートHigh=B選択、Low=A選択。Mix CVで連続クロスフェード。
Control

CVProcessor

6モードのCV演算器。Add/Subtract/Multiply/Min/Max/Crossfade + ゲイン/オフセット/スルー/量子化。
概要

CVProcessorは2つのCV入力を数学的に処理する万能ユーティリティです。 6つの演算モード(Add, Subtract, Multiply, Min, Max, Crossfade)で2入力を結合し、 Gain A/Bで各入力のスケーリング(-2〜+2のアッテヌバーター/インバーター)、 OffsetでDCバイアス、Slewでスムージング、QuantizeでセミトーンまたはオクターブのCV量子化を適用。 k-rateで動作し、スカラー・モジュレーション・ソースとしてModulationSlotに接続可能です。

TIPS

アッテヌバーター: 1入力のみ使用し、Gain Aで信号の増幅/減衰/反転。Offset追加で信号のレベルシフト。
CV加算: Addモードで2つのLFOを足し合わせて複雑な変調パターンを生成。
CV乗算(リングモジュレーション): Multiplyモードで2つのCVを掛け合わせると、振幅変調的なCV信号に。
ゲート→CV変換: ゲート信号を入力し、Slewで平滑化すると、ゲート開閉に連動したスムーズなCV信号に変換。

モード
Math Mode (6種)
Add Subtract Multiply Min Max Crossfade
CV Out [CV] Gate Out [Gate] Input A [CV] Input B [CV] Gain A CV [CV] Gain B CV [CV] Offset CV [CV] Mode CV [CV] Slew CV [CV] Quantize CV [CV] Gate In [Gate]
パラメータポートID範囲説明
Gain AGain A CV (port 2)-2.0–+2.0入力Aのスケーリング(反転可能)
Gain BGain B CV (port 3)-2.0–+2.0入力Bのスケーリング
OffsetOffset CV (port 4)-1.0–+1.0出力へのDCオフセット
ModeMode CV (port 5)6モード演算モード選択
SlewSlew CV (port 6)0.0–1.0出力のスムージング量
QuantizeQuantize CV (port 7)Off / Semitone / Octave出力CVの量子化
Control

Accumulator

CV蓄積器。クロックごとに入力値を積算し、段階的に変化するCV信号を生成。リセット対応。
概要

Accumulatorはクロック/トリガーごとに入力CV値を内部バッファに加算し続けるユーティリティです。 カウンターのように値が段階的に増加(または減少)していき、リセットで0に戻ります。 上限/下限のクランプを設定でき、到達時に自動リセットやラップアラウンドも可能。

TIPS

ステップカウンター: 固定CV値(例: 1/12V=半音)をクロックで積算し、半音ずつ上昇するクロマチック・スケールを生成。
ランダムウォーク: ランダムCV(正負混在)を入力すると、ブラウニアン・モーション的な不規則な動きのCV信号に。

CV Out [CV] CV In [CV] Clock [Gate] Reset [Gate]
パラメータポートID範囲説明
入力CVをクロックごとに積算。Resetで0に初期化。
Control

Comparator

4モードのCVコンパレーター。A>B / A<B / Window / |Diff|。ヒステリシス付き閾値検出。
概要

Comparatorは2つのCV信号を比較し、条件を満たすときにゲートを出力するユーティリティです。 4つのモード: A>B(Aが閾値より大きい時にHigh)、A<B(Aが閾値より小さい時にHigh)、 Window(Aが閾値±ヒステリシスの範囲内の時にHigh)、|Diff|(A-Bの絶対値が閾値を超えた時にHigh)。 Hysteresisパラメータで閾値付近でのチャタリング(バタつき)を防止。 Diff CV出力はA-Bの差分値を連続的に出力し、モジュレーション・ソースとしても使用可能。

TIPS

CV→ゲート変換: LFOをInput Aに接続し、A>Bモード。LFOが閾値を超えるたびにゲートが生成され、LFOをリズム・ソースに変換。
ウィンドウ・コンパレーター: Windowモードで特定の電圧範囲内のみゲートON。ChaosノードのCV出力で「特定の状態にいる時だけ発音」する条件付き発音に。

モード
Compare Mode (4種)
A > B A < B Window |Diff|
Gate Out [Gate] Diff CV [CV] Input A [CV] Input B [CV] Mode CV [CV] Threshold CV [CV] Hysteresis CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
ModeMode CV (port 2)A>B / A<B / Window / |Diff|比較モード
ThresholdThreshold CV (port 3)0.0–1.0比較閾値オフセット
HysteresisHysteresis CV (port 4)0.0–1.0チャタリング防止のヒステリシス幅
Control

Rectifier

3モードのCV整流器。Full-wave / Half+ / Half-。バイポーラ→ユニポーラ変換。反転出力付き。
概要

Rectifierはバイポーラ(±)CV信号をユニポーラ(0+)に変換する整流器です。 Full-waveモードでは負の部分を折り返して全波整流(|x|)、 Half+モードでは正の部分のみ通過(max(x,0))、Half-モードでは負の部分のみ反転して通過(max(-x,0))。 Offsetで入力にDCバイアスを加えてから整流することで、整流の「クリッピング・ポイント」を調整可能。 反転出力(Inverted)は整流結果の極性反転を同時出力します。

TIPS

LFO整流: Sine LFOをFull-wave整流すると周波数が2倍の「ダブルバウンス」パターンに。フィルター変調やトレモロに独特のリズム感を付与。
ユニポーラ変換: バイポーラ信号をHalf+で整流し、0-1の範囲に制限。パラメータ制御に適したユニポーラCV信号に変換。

Rectified [CV] Inverted [CV] CV In [CV] Offset CV [CV] Mode CV [CV]
パラメータポートID範囲説明
ModeMode CV (port 2)Full-wave / Half+ / Half-整流モード
OffsetOffset CV (port 1)-1.0–+1.0整流前のDCバイアス

コンソール (1種)

シグナルチェーンの最終出力段。すべての信号がここに合流し、一つの音響体験として統合される。非線形サチュレーションにより、数学的な加算を超えた有機的な混合を実現するマスター・コンソール。

Console

Console

8チャンネル・ミキシング・コンソール。各チャンネルにLevel/Pan/Mute + 3種の非線形サミング(Clean/Analog/Tube)、8マクロCV入力、ステレオ出力。
概要

Consoleノードはパッチの最終段となる8チャンネル・ミキシング・コンソールです。 各チャンネルにLevel、Pan、Muteを独立に設定でき、最大8系統のステレオ入力を2chステレオ・マスター出力にミックスダウンします。 マスター・レベル、マスター・パンでグローバルな出力制御を行います。

3種類の非線形サミング・モード(Clean / Analog / Tube)を搭載。 Cleanモードは線形加算、Analogモードはソフトクリップとチャンネル間クロストークによるアナログ・コンソール的な温かみ、 Tubeモードは非対称サチュレーションによる真空管アンプ的な倍音付加を実現します。

8つのマクロCV入力は自由にパッチ内の任意のパラメータにルーティングでき、 XYパッド(Snapshot Morphing)と組み合わせて複数パラメータの同時制御が可能です。

TIPS

基本ミックス: 各ノードの出力をConsoleの入力チャンネル1-8に接続。LevelとPanでバランスを調整するだけで、完成されたミックスに。
アナログ・サミング: Summing Mode=Analogに設定すると、チャンネル間に微妙なクロストークが発生し、デジタルの「冷たさ」を和らげる温かいサウンドに。 特にドラム・バスで効果的。
Tubeサチュレーション: Summing Mode=Tubeにし、意図的に入力レベルを高めに。非対称サチュレーションにより偶数次倍音が付加され、「太い」マスター出力に。
マクロ・コントロール: LFOやBreakpointEnvをMacro CV入力に接続し、マクロをConsole内の複数パラメータ(各チャンネルのLevel等)にルーティング。 1つのCVソースで複数チャンネルを同時に動的制御。
Snapshot Morphing: 4つのスナップショットにパラメータ状態を保存し、XYパッドで滑らかにモーフィング。ライブ・パフォーマンスでの劇的な変化に。

サミング・モード
Summing Mode (3種)
Clean Analog Tube
Master L [Audio] Master R [Audio] Ch 1 L [Audio] Ch 1 R [Audio] Ch 2 L [Audio] Ch 2 R [Audio] Ch 3 L [Audio] Ch 3 R [Audio] Ch 4 L [Audio] Ch 4 R [Audio] Ch 5 L [Audio] Ch 5 R [Audio] Ch 6 L [Audio] Ch 6 R [Audio] Ch 7 L [Audio] Ch 7 R [Audio] Ch 8 L [Audio] Ch 8 R [Audio] Macro 1 [CV] Macro 2 [CV] Macro 3 [CV] Macro 4 [CV] Macro 5 [CV] Macro 6 [CV] Macro 7 [CV] Macro 8 [CV]
パラメータ範囲説明
Ch 1-8 Level0.0–1.0各チャンネルのレベル
Ch 1-8 Pan-1.0–+1.0各チャンネルのパン位置
Ch 1-8 MuteOFF / ON各チャンネルのミュート
Master Level0.0–1.0マスター出力レベル
Master Pan-1.0–+1.0マスター出力パン
Summing ModeClean / Analog / Tube非線形サミング・アルゴリズム

高度な機能

SYMBIONTは、単なるパッチング環境にとどまらず、プロフェッショナルなサウンドデザインワークフローを加速するための強力なシステムレベル機能を備えています。

Workflow

スナップショット・モーフィング

SYMBIONTのシステム全体の状態を4つの独立したスロット(A, B, C, D)に保存し、XYパッド(ColorOrbPicker)を使用してそれらの間で滑らかに補間(モーフ)させることができます。 これは単なるプリセットの切り替えではなく、現在のアクティブな全ノードのパラメータをリアルタイムかつオーディオレートレベルの精度で連続的に遷移させる強力なパフォーマンスツールです。

アーキテクチャ: SnapshotBank + SnapshotBlender

Snapshot Morphingは SnapshotBank(4スロットのストレージ管理)と SnapshotBlender(XY座標からの補間計算)の2クラスで構成されます。 SnapshotBank はUIスレッドから操作され、各スロットに StateSnapshot を保持。 SnapshotBlender は std::atomic<float> で4つの重みを管理し、スレッドセーフにリアルタイム読み取りが可能です。

クラス責務スレッド
SnapshotBank4スロット (A/B/C/D) の保存・読込・クリア + トポロジー検証 + チェックサム計算UI
SnapshotBlenderXY座標 → 4重み計算 → パラメータ補間 or ハードスイッチUI → Audio (atomic read)
SnapshotPanelXY Pad UI + Save/Clear ボタン + Auto-Morph トグルUI

バイリニア補間

XYパッドの座標 (x, y) ∈ [0,1]² から、4スロットの重みが以下の式で算出されます:

スロット位置重み計算式
A左上 (TopLeft)(1-x) × (1-y)
B右上 (TopRight)x × (1-y)
C左下 (BottomLeft)(1-x) × y
D右下 (BottomRight)x × y

4つの重みの合計は常に 1.0 であり、各パラメータの補間値は Σ(weight[i] × param[i]) で計算されます。 XYパッドの四隅にカーソルを置くと対応するスロットが 100% になり、中央 (0.5, 0.5) では4スロットが等分 (25% ずつ) にブレンドされます。 未ロードのスロットは重み計算から除外され、残りのスロットに重みが再分配されます。

トポロジー照合とハードスイッチ

スムーズなパラメータ補間には、すべてのロード済みスロット間でグラフトポロジーが完全一致していることが必須条件です。 トポロジー照合では以下の2つを比較します:

  • ノードID集合: 全スロットで同一のノード構成(同じIDを持つノード群)が存在すること
  • 接続キー集合: ConnectionKey{sourceNodeId, sourcePortId, targetNodeId, targetPortId} の4タプルがすべて一致すること

トポロジーが不一致の場合、SnapshotBlender はハードスイッチにフォールバックします。 最大ウェイトを持つスロットのスナップショットがそのまま適用され、パラメータの線形補間は行われません。 XYパッドのインジケーター色で互換状態を視覚的に確認できます。

実用的なヒント: モーフィングを活用する場合は、同一パッチ構成の上でパラメータだけを変更した状態を各スロットに保存してください。 ノードの追加・削除やワイヤリングの変更を含むスナップショットはトポロジー不一致となり、補間ではなくハードスイッチになります。

チェックサム検証

各スナップショットには nodeCount + connectionCount + parameterNodeCount の構造的チェックサムが計算されます。 プロジェクト読込時にチェックサムを照合することで、保存データの破損を検出します(暗号学的ではなく軽量な整合性チェック)。

UI レイアウトと操作

  • XY Pad: ドラッグで4スロット間をリアルタイムにモーフ。各コーナーにスロットラベル (A/B/C/D) が表示
  • Save A–D: 各ボタンを長押しで現在の全パラメータ状態をスロットに保存
  • Clear: 各スロットの個別クリア
  • Auto-Morph: トグルONで、XYパッドの座標変化をリアルタイムにエンジンへ適用
  • Apply: 現在のブレンド結果をアクティブ状態として確定

プロジェクト永続化

スロット A/B/C/D に保存した4つのスナップショットと XY パッドの座標 (morphX_, morphY_) は、 プロジェクトファイル(.SYMBIONT)に完全に保存されます。 次回プロジェクトを開いたとき、すべてのスロットと XY 座標が自動的に復元され、モーフィング状態が再現されます。

応用テクニック

  • ライブ・パフォーマンス: 4つの異なるサウンドスケープ(例: ミニマル → アンビエント → ノイジー → パーカッシブ)をスロットに保存し、XYパッドをMIDIコントローラーにマッピングして滑らかに遷移
  • サウンドデザイン探索: 極端に異なるパラメータ設定を四隅に配置し、中間領域をスキャンすることで予期しない音色の発見
  • 段階的ビルドアップ: A=静寂、B=基本ビート、C=フルミックス、D=カオスのように段階的な構成をXY軸に配置し、パフォーマンス中に自然な展開を演出
  • マクロCV連携: ConsoleのMacro CV入力と組み合わせて、モーフィングでは制御しきれない個別パラメータを同時にコントロール
System

トランザクショナル Undo / Redo

一般的なモジュラーソフトでは実現が難しい「完全なUndo/Redo」を、SYMBIONTはC++のjuce::UndoManagerと専用のUndoableActionアーキテクチャによって実現しています。

  • 全てのアクションが対象: ノードの追加・削除、ワイヤリング(ケーブルの接続・切断)、UI上のノブの微細な調整まで、すべての操作がトランザクションとして記録されます。
  • リアルタイム・セーフティ: Undo処理自体がロックフリーでAudioスレッドと適切に同期されるため、再生中にノードの構成をUndo/Redoで瞬時に戻しても、オーディオが途切れたりクラッシュすることはありません。
  • ステートの堅牢性: 大胆なパッチング実験を行った後でも、確実に基の状態へ戻れるため、クリエイティブなリスクを恐れる必要がなくなります。
Control

インスペクター & モジュレーションスケーリング

キャンバス上の任意のノードやワイヤを選択すると、より精密な制御を行うための「Inspector(インスペクター)」パネルが表示されます。

特に、CV接続(ワイヤ)を選択した場合、キャンバス上では見えない高度なモジュレーション設定にアクセスできます。

  • Range Scaling (レンジスケーリング): インスペクター内のRangeスライダーを使用すると、モジュレーションが適用される最小値と最大値の範囲(例:20Hz〜500Hzの間だけでLFOを動かす)を正確に定義できます。
  • Lag (スムージング): ステップシーケンサーのような急激なCV変化に対して、Lagパラメータを上げることで、アナログ回路のコンデンサのような「ポルタメント / スルーレート・リミッター」効果を付加できます。
  • Precision Mode: パラメータノブをShiftキーを押しながらドラッグすると、PrecisionDragEngineが介入し、数値を劇的に細かく(例:0.001単位で)調整可能な超高精度モードになります。

応答カーブ (CURVE)

モジュレーション接続を選択すると CURVE スライダーが表示されます。 これは curveExponent パラメータを制御し、モジュレーション信号の応答特性を変形します。

  • 0.50 — √ 曲線 (ルート): 小さな変化に感度が高い。LFO の微細なビブラートに最適。
  • 1.00 — 線形 (デフォルト): 入力と出力が比例する標準動作。
  • 2.00 — 二乗曲線: 変化が後半に集中。エクスプレッションペダルやアクセントダイナミクスに有効。

ソース軸 (AXIS)

ポリアディックソース (Chaos ノード等) からモジュレートする場合、 AXIS スライダーでどの出力軸 (0=X, 1=Y, 2=Z, 3=W) を使うか選択します。 LFO やエンベロープは単一軸のみ使用するため AXIS は無効です。

Sequencer

PianoRoll — 6-Voice ポリフォニック

PianoRoll シーケンサーは同一ステップに複数ノートを配置でき、最大 6 声の和音を同時出力します。 各声部は独立した CV + Gate ペア(計 12 出力ポート)として取り出せるため、 6 台のオシレーターをそれぞれの声部に割り当てるコード演奏パッチが構築可能です。

  • 6声カラーコーディング: 低音から高音の順に HSV 色相でコーディングし、ピアノロール UI 上で視覚的に声部を区別できます。
  • コード名自動検出: 同ステップのノートセットから root + interval を解析し、ステップ下部に "Cmaj" / "Am7" 等のコード名を自動表示。
  • 確率ゲーティング: ステップごとに確率を設定でき、毎サイクル確率判定で声部を間引くジェネラティブなコード展開が可能。
  • 水平ズーム: Ctrl+Scroll でピアノロール内を水平方向にズームし、精細なタイミング編集に対応。
  • サブディビジョン・グリッド: 小節内のサブグリッド線で 1/4 〜 1/16 のタイミング視覚化。
Workflow

QuickNodeSearch — インスタント・ノード追加

WireView 上で Q キーを押すと即座に検索パレットが表示されます。 50 種のノードをタイプ名・カテゴリ・タグで絞り込み、Enter または選択でカーソル位置に直接追加します。

  • インクリメンタル検索: 文字入力と同時にリストが絞り込まれ、"osc" と打つだけで Oscillator 系が即座にヒット。
  • カテゴリフィルター: Generator / Processor / Sequencer / Control など カテゴリ単位での絞り込みに対応。
  • キーボード操作完結: ↑↓ で候補移動、Enter で確定、Esc でキャンセル。完全キーボード操作が可能。
UI/UX

InteractionHintOverlay — ノード操作ガイド

ノードにホバーすると、そのノード固有の操作ヒントを表示するオーバーレイが出現します。 Drag / Scroll / Click / Shift+Click など主要インタラクションを列挙し、 初回利用時でも各ノードをすぐに使いこなせるよう設計されています。

  • 8 種以上のノード対応: LFO / Oscillator / PianoRoll / StepSeq / DrumSeq など主要ノードに個別ヒントセットを実装。
  • コンテキスト依存: ホバー中のノードタイプを自動判別し、適切なヒントを表示。汎用フォールバックヒントも内蔵。
  • 非侵襲的表示: ホバーアウトまたはクリックで即座に消去。操作フローを妨げないデザイン。
Control

Inspector UX 拡張 — Stepper / Parameter Lock / Port Disconnect

インスペクターパネルには V28 にて 3 つの UX 拡張が加わりました。

Stepper ウィジェット

5–10 選択肢のパラメータ、および OCTAVE / TRANSPOSE のような整数ステップ・パラメータは、 Dropdown の代わりに [VALUE] ボックス形式の Stepper ウィジェットで表示されます。 スクロールホイールまたは縦ドラッグ(30px / ステップ)で直感的に値を増減できます。 Shift + DoubleClick でデフォルト値にリセット。

Parameter Lock 完全施行

ロックアイコンをクリックしてパラメータをロックすると、 Slider / Toggle / Segmented / Dropdown / Stepper / IkedaStrand のすべてのウィジェットで ドラッグ・スクロール・クリックがブロックされます(mouseDown 時点で早期リターン)。 Shift + DoubleClick でロックをトグル切替可能。

Port-specific Disconnect

WireView 上で特定のポートを右クリックすると 「Disconnect "PortName"」メニュー項目が追加表示されます。 「Disconnect All Inputs / Outputs」とは独立して、 そのポートに繋がっているワイヤーのみを選択的に削除できます。

Audio Engine

極限的なサンプルレート対応 (192kHz〜768kHz)

SYMBIONTの内部エンジンは、ハードウェアの限界に挑む高サンプルレート(384kHz、さらには384kHzなどの極値)環境でも正確に動作するように設計・最適化されています。

  • オーバーサンプリングの最適化: すでに高いベースサンプルレートで動作している場合、エンジンは自動的に内部のオーバーサンプリング倍率を動的に調整し、不要なCPU負荷の増大を防ぎます。
  • 高周波数帯のエイリアシング防止: OscillatorCoreなどの発電モジュールは、ナイキスト周波数に依存するピッチレンダリングを動的に補正し、超高域における位相の歪みやピッチのズレを完全に排除します。
  • 数学的純度: f64倍精度浮動小数点処理とSIMDベクトル化の組み合わせにより、サンプルレートが極端に高い環境においても、フィルターの発振や非線形モジュレーションの計算が数学的に破綻することはありません。
Workflow

GenerativePanel

P キーで表示されるフローティング・パネル。IGenerativeNode インターフェースを実装するノード(StepSequencer, CircularSeq, DrumSeq, Arpeggiator, PianoRoll 等)を対象に、パターンの生成・変換・ランダマイズを一括で行います。

Generate セクション

  • Randomize — 全ステップの値をランダムに再生成
  • Mutate — 既存パターンを微小変化させる
  • Fill — 空ステップを埋める
  • Euclidean — ユークリッドリズム生成(Onsets / Steps 指定)
  • Density — ステップ充填率 (0–100%)
  • Humanize — タイミングとベロシティに微小揺らぎを付与

Transform セクション

  • Reverse / Invert — パターンの反転・ミラー
  • Rotate Left / Right — パターンの回転シフト
  • Snap to Scale — 指定スケールへの量子化

Drum 専用セクション(DrumSeq ターゲット時)

  • Poly — ポリフォニック / モノフォニック切替
  • Accent — アクセント・パターン生成
  • Density Curve — トラックごとの密度カーブ
  • CV Random — CV 値のランダマイズ
  • Kit Randomize — 接続されたドラムシンセの Pitch / Decay / Tone をランダマイズ

その他

  • Arpeggiator — Mode / Duration / Generate でアルペジオパターン生成
  • MIDI Chord — コードルート / タイプ / インバージョン選択、MIDI キャプチャ
  • Transpose — ±12 / ±1 セミトーン移調
  • Undo / Redo / Clear — パターン操作の完全な取り消し・やり直し対応

対象ノード: IGenerativeNode を実装する全シーケンサー系ノード。SymbiontContext 経由で現在選択中のジェネラティブ・ノードを自動ターゲットします。

UI System

FocusDive

Wire ↔ Focus モードの切替を制御するビューシステム。ダブルクリックでノードの詳細ビュー(Focus モード)に遷移し、全画面に近い描画領域でパラメータを精密に操作できます。

遷移アニメーション

  • トリガー: ダブルクリック (Wire→Focus) / Escape キー (Focus→Wire)
  • 持続時間: 500ms
  • イージング: cubic-bezier(0.16, 1, 0.3, 1) — ReactUI-exact カーブ
  • スナップショット: 遷移中は CellVIZRenderer のスナップショットを補間描画

レイアウトルール

  • Generator / Modulator: フルワイド・パノラミック表示(波形ビジュアライザに最適化)
  • その他 (Processor / Control / Sequencer / Console): Silver Ratio 70.7% × 70.7% 中央配置(データ密度の高い UI に最適化)
  • Bleed レンダラー (Oscillator / Chaos): 75% 高さバウンドで波形オーバーフロー領域を確保

Focus モード操作

  • SpaceITriggerableNode をトリガー(ドラムシンセのワンショット発音)
  • / — InteractionHintOverlay トグル(操作ヒント表示)
  • Tab — ノードサイクル(次のノードへ Focus 移動)
  • Escape — Wire モードへ復帰

アーキテクチャ

  • スレッド安全性: Message Thread only。juce::SafePointer で 500ms 遷移中の参照安全性を保証
  • サブコンポーネント: CellVIZRenderer (ノード描画), InteractionHintOverlay (ヒント), CornerTraceRenderer (フレーム枠)
  • アクセシビリティ: WCAG AA 準拠、スクリーンリーダー・アナウンス対応
Sound Design

応用パッチ・レシピ集

複数ノードを組み合わせた実践的なパッチ構成例です。各レシピはノード間の接続関係とパラメータ設定を示し、 サウンドデザインの出発点として活用できます。

1. サブトラクティブ・シンセ基本パッチ

構成: StepSeq → Oscillator → Filter → EnvVCA → Console

  • StepSeq の CV Out → Oscillator の V/Oct(メロディ)
  • StepSeq の Gate → EnvVCA の Gate(エンベロープ・トリガー)
  • Oscillator の OUT L/R → Filter の Audio L/R
  • Filter の OUT L/R → EnvVCA の Audio L/R
  • EnvVCA の OUT L/R → Console の Ch 1 L/R
  • ポイント: LFO を Filter の Cutoff V/Oct に接続すると動的なフィルター・スウィープが加わり、クラシックなアナログシンセの動きが得られます

2. ジェネラティブ・ドラムマシン

構成: DrumSeq → BD / SD / HH / ElasticPerc → Console

  • DrumSeq の T1–T4 Gate → 各ドラムシンセの Gate
  • DrumSeq の T1–T4 Vel → 各ドラムシンセの Velocity CVT1–T4 CV → per-step パラメータ制御
  • 各ドラムシンセの OUT L/R → Console の Ch 1–4
  • Mutation Rate = 0.05–0.15 でEvolveを定期トリガー → 少しずつ変化するジェネラティブ・ビート
  • 拡張: BernoulliGate を Snare Gate に挿入し、確率的にRingModへ分岐させるとグリッチ的なアクセントが加わります

3. アンビエント・ドローン・エンジン

構成: Oscillator ×2 → ShimmerReverb → Granular → Console

  • Oscillator-A: Wave=Drone系アルゴリズム、Shape/Color を Chaos ノードで変調
  • Oscillator-B: Wave=Pad系、5度上 (+7セミトーン) にデチューン
  • 両 Oscillator → ShimmerReverb (Pitch Shift=+12st, Feedback=0.7, Decay=0.9)
  • ShimmerReverb → Granular (Freeze=ON, Density=5Hz, Size=0.3s)
  • Granular の Position を LFO (0.02Hz, Triangle) でゆっくりスキャン
  • 効果: ShimmerReverbの天上的なきらめきを Granular で凍結・再構築し、時間が停止したようなテクスチャを生成

4. ポリリズミック・パーカッション

構成: Tala + StepSeq + LogicGate → ドラムシンセ群

  • Tala: Rupak (7拍) → Beat をドラムAの Gate に
  • StepSeq: 16ステップ 4/4拍子 → Gate をドラムBの Gate に
  • LogicGate: Tala.Beat と StepSeq.Gate を XOR → ドラムCの Gate に
  • LogicGate の Inverted → ドラムDの Gate に
  • 効果: 7拍と16拍のポリリズムが交差し、XOR出力で「どちらか一方だけが鳴る」隙間のリズムを抽出。Invertedで補完パターンを同時出力

5. フィードバック・グリッチ・ループ

構成: Oscillator → GlitchBuffer → BitCrusher → Delay (フィードバックあり)

  • Oscillator の出力 → GlitchBuffer
  • TuringMachine の Gate → GlitchBuffer の Loop Gate(確率的にバッファ凍結)
  • GlitchBuffer → BitCrusher (Bit Depth を LFO で 0.3–0.8 に変調)
  • BitCrusher → Delay (Feedback=0.6, PingPong=PingPong)
  • 効果: TuringMachine のランダム・ゲートでグリッチが不規則に発生し、BitCrusherで荒らされた断片がPingPongディレイで空間に散乱

6. 自走式カオス・パッチ(外部クロック不要)

構成: Chaos → Comparator → 各種ノード (クロック源として)

  • Chaos ノード (Lorenz等) の X Out → Comparator の CV In
  • Comparator の Gate Out → StepSeq / CircularSeq の Clock
  • Chaos の Y Out → CVProcessor → Filter の Cutoff
  • Chaos の Z Out → Reverb の Size / Decay
  • 効果: カオス・アトラクタの自然な揺動がクロック信号を生成し、テンポが有機的に揺れる非定量リズム。同一アトラクタの3軸から取り出した信号で音色・空間も連動

7. ステレオ・モーフィング・パッド

構成: Oscillator ×2 + BreakpointEnv → Filter ×2 (L/R独立) → Chorus → Console

  • Oscillator-L: Wave=FM系、Shape を BreakpointEnv (LoopStart=0, LoopEnd=5) で変調
  • Oscillator-R: 同一アルゴリズム、Shape を同じ BreakpointEnv の Phase 出力で変調(位相差モーフ)
  • 各 Oscillator → 独立した Filter (異なる Cutoff 設定、LFO で逆位相変調)
  • 両 Filter → Chorus (Stereo Width=1.0) → Console
  • 効果: L/R で微妙に異なるタイミングで波形がモーフし、フィルターも逆位相で動くことで、極めて広大なステレオイメージを持つ進化するパッドを生成

8. マルコフ連鎖 × 確率ゲート・ルーティング

構成: MarkovSeq → BernoulliGate → Oscillator ×2 (異なる音色)

  • MarkovSeq の Pitch → Oscillator-A/B の両方の V/Oct
  • MarkovSeq の Gate → BernoulliGate の Input
  • BernoulliGate Gate A → EnvVCA-A (Oscillator-A 用)
  • BernoulliGate Gate B → EnvVCA-B (Oscillator-B 用)
  • BernoulliGate の Probability を MarkovSeq の State CV で変調
  • 効果: マルコフ連鎖が確率的にメロディを生成し、BernoulliGate がノートごとに音色を振り分け。さらに State CV で振り分け確率自体が変化し、二重の確率性を持つジェネラティブ・メロディ

クイックスタート

Symbiont は「ノードを置いてワイヤでつなぐ」だけで音が出るモジュラー環境です。 ここでは UI の構成・基本概念・最初のパッチ手順・ショートカットまでを一気に押さえます。

UI レイアウト

画面は 4 つのパネルで構成されています。起動直後はこの配置を確認してください。

上部
Control Bar
BPM / Play/Stop / Snapshot A–D / XY モーフィングパッド。プロジェクトの再生状態とグローバルテンポをここで管理します。
Browser
50 種のノードをカテゴリ別に一覧。ドラッグでキャンバスに追加。プロジェクト(.symbiont)の保存・ロードもここ。
中央(メイン)
WireView(キャンバス)
ノードを配置・接続する作業スペース。スクロールでズーム、ドラッグでパン。ポート間をドラッグするとワイヤが引かれ信号が流れます。
Inspector
選択したノード・ワイヤの詳細パラメータを表示。モジュレーション Range / Lag / Curve もここで設定します。

基本概念:3 種の信号

Symbiont のワイヤには 3 タイプがあります。接続できるのは同じタイプ同士のみです(Inspector の色で判別できます)。

Audio(水色)

オーディオ信号。Oscillator や Drum の出力から始まり、Filter → Reverb → Console の順に流れます。最終段は必ず Console に接続しないと音は出ません。

CV(紫)

コントロール電圧。LFO / Envelope / Sequencer の CV 出力をノードのパラメータ入力に接続して連続的に変化させます。Inspector の Range スライダーで変化幅を絞れます。

Gate(橙)

ON/OFF トリガー。Sequencer の Gate Out → Envelope / Drum の Gate In に接続してリズムを刻みます。閾値 0.5 でハイ判定。

V/Oct ピッチ標準

Symbiont は 1V = 1 オクターブの V/Oct 規格を採用。A4 = 432 Hz(MIDI 69)。Sequencer の CV Out を Oscillator の V/Oct に接続するとメロディが鳴ります。

Console(必須)

8 チャンネルのマスターミキサー。どんなパッチでも最後は Console に接続しないと出音しません。チャンネルレベル・パン・Non-Linear Summing をここで設定します。

スカラー CV vs バッファ CV

LFO / Envelope → パラメータの Modulation Slot(k-rate ~750Hz)。Sequencer CV Out → V/Oct などの Connection Slot(オーディオレート)。誤接続すると無音になります。

最初のパッチ:シンプルなシーケンスシンセ

以下の手順で「StepSequencer が Oscillator を駆動し、Filter を通して Console から音が出る」基本パッチを組み立てます。

Console を最初に置く

Browser の Console をキャンバス中央右に配置します。これが最終出力点。すべての音声信号はここに集約されます。まず Console を置くことで「どこへ繋ぐか」が明確になります。

Oscillator を追加する

Browser から Oscillator をドラッグ、または Q キーで QuickSearch を開いて「osc」と入力 → Enter。ノードの右側が出力ポート、左側が入力ポートです。Wave アルゴリズムをキャンバス上でスクロールして変更できます。

Filter を挟んでシグナルチェーンを構成

Filter を追加し、Oscillator の Audio Out → Filter の Audio In、Filter の Audio Out → Console の Ch 1 へワイヤを引きます。ポートをホバーすると型ラベルが表示されます。繋げない組み合わせは自動で弾かれます。

StepSequencer でメロディを書く

StepSequencer を追加。CV Out → Oscillator の V/OctGate Out は後で使います。ノードをダブルクリックして FocusDive(詳細ビュー)を開き、各ステップのピッチをドラッグで編集します。

EnvVCA でダイナミクスを付ける

EnvVCA を追加(Processor カテゴリ)。StepSequencer の Gate Out → EnvVCA の Gate、EnvVCA の ENV → Console の Ch 1 Level CV に接続。Attack / Decay / Release を調整してパーカッシブなエンベロープを作ります。

LFO でフィルターを揺らす

LFO を追加(Modulator カテゴリ)。CV 出力 → Filter の Cutoff CV に接続。LFO の Rate / Depth / 波形をキャンバス上で調整します。Inspector でワイヤを選択すると Range Scaling と Lag(スムージング)が設定できます。

▶ を押して再生

Control Bar の ▶ Play ボタン、または Space で再生開始。BPM スライダーをドラッグしてテンポを変更。StepSequencer はクロックに同期してパターンを進行します。音が出なければ Console チャンネルのレベルを確認してください。

Chaos で有機的な変化を加える

Chaos ノード(Generator カテゴリ)を追加。X/Y/Z 出力をそれぞれ Osc の Shape CV、Filter の Resonance CV、Reverb の Size CV などに接続します。Inspector でワイヤを選択して AXIS を変えれば同一ノードから別軸が取り出せます。アトラクタを切り替えて複雑さを変化させてみましょう。

スナップショットで状態を保存する

Control Bar の A / B / C / D ボタンを長押しして現在の全パラメータ状態を保存。XY パッドをドラッグすると 4 つのスナップショット間をリアルタイムに補間(モーフィング)できます。ライブパフォーマンス中に音色を連続変化させる強力な機能です。

キーボードショートカット

Q QuickNodeSearch を開く — ノード名で即検索・追加
Space 再生 / 停止トグル
Delete 選択中のノード / ワイヤを削除
Cmd Z Undo(全操作に対応)
Cmd Shift Z Redo
Shift + Drag Precision モード — ノブを超高精度で微調整
Ctrl + Scroll PianoRoll の水平ズーム
Double Click ノードを FocusDive(詳細ビュー)で開く
Right Click ポート右クリック → 特定ポートの接続を切断
Shift + DblClick Inspector でパラメータをデフォルト値にリセット / ロック切替
Scroll Inspector の Stepper ウィジェットで整数ステップを変更
Esc QuickSearch / ダイアログをキャンセル、FocusDive 終了
P GenerativePanel を開く / 閉じる
Tab ノードを順次選択(Wire / Focus 両モード対応)
/ FocusDive 内でインタラクションヒントを表示
R Inspector: 現在のノードをランダマイズ
G Inspector: パターン生成(ジェネラティブノード)

パッチ構成例

Subtractive Synth

減算合成パッチ

StepSequencer (CV+Gate) → Oscillator (V/Oct + Gate) → FilterEnvVCAConsole

Oscillator の Wave を Sawtooth に。LFO (Triangle, 0.3Hz) → Filter.Cutoff でスウィープ。Chaos.X → Osc.Shape でテクスチャに揺らぎを加える。

Ambient Drone

アンビエント・ドローン

Oscillator × 3 (Sine / Supersaw / Noise) → Reverb (Size 0.9) → ChorusConsole

Chaos の X/Y/Z を各 Osc の Detune CV に接続。LFO (Drift 波形) → Console の Ch Level CV でゆっくりクロスフェード。BreakpointEnv でロングリリースの音量エンベロープ。

Euclidean Percussion

ユークリッドリズムマシン

CircularSeq (Euclidean mode, 16step/5pulse) → BD + SD + HHDynamicsConsole

CircularSeq の applyEuclidean で各トラックのリズムパターンを生成。Rotation を LFO でモジュレーションしてパターンが徐々に回転。DrumSeq に切り替えると 8 トラック独立制御が可能。

PianoRoll Chord Pad

コードパッド

PianoRoll (6-Voice) → Voice 1–6 CV/Gate → Oscillator × 6ReverbConsole

PianoRoll の同一ステップに複数ノートを配置して和音を自動検出。確率ゲーティングで毎回違う声部間引きが発生。水平ズーム (Ctrl+Scroll) で精細編集。

Stochastic Melody

確率的メロディ

MarkovSeq (8状態) → Oscillator (V/Oct) → BernoulliGateEnvVCAFilterConsole

MarkovSeq で遷移確率行列を編集してピッチシーケンスを制御。BernoulliGate で確率的にノートを間引く。ProbDist で音色バリエーションを確率分布で選択。

Generative Texture

生成的テクスチャ

TuringMachineQuantizerOscillatorSpectralFreezeGlitchBufferConsole

TuringMachine の LFSR シフトレジスタでランダムなピッチ列を生成。Quantizer でスケール量子化。ShiftReg でパターンのシフト・補完。Chaos → SpectralFreeze.Threshold で凍結タイミングを制御。

技術仕様

432Hz
E612 Natural Tuning
5テンペラメント対応
768kHz
最大サンプルレート
f64
内部浮動小数点精度
SIMD Double2最適化
SIMD
ARM Neon / AVX2
76.4%ベクトル化
8×8
モジュレーション ルーティング
カーブシェーピング対応
C++20
JUCE 8 フレームワーク
constexpr / concepts
89
オシレータアルゴリズム
56
ノード種類
17
カオス・アトラクタ
16
フィルタタイプ
11
LFO波形
13
アルペジエーター・パターン

ポートタイプ

audio
ステレオ音声信号
Generator / Processor 間
cv
コントロール電圧
パラメータの連続変調
gate
トリガ / ゲート信号
ON / OFF(閾値 0.5)

RT-Safety 設計原則

原則 実装
メモリ確保なし processBlock 内での new / malloc を一切禁止。全バッファは prepareToPlay で事前確保。
ロックフリー std::atomic とロックフリーキューによるスレッド間通信のみ使用。
SIMD 最適化 JUCE 8 SIMDRegister を活用。ARM Neon / SSE / AVX を自動選択。
例外なし オーディオスレッドで例外を投げない設計。
信号安全性 NaN / Inf / デノーマルを検出して自動クランプ (finalizeOutput)。
境界保護 全 CV 入力に std::clamp を適用し、バッファオーバーランを防止。

チューニングシステム

テンペラメント 説明 基準音オプション
12-TET(平均律) Equal Temperament — デフォルト設定 432Hz / 440Hz / Sacred
Just Intonation 純正律 — 整数比による協和 432Hz / 440Hz / Sacred
Pythagorean ピタゴラス音律 — 5度積み上げ 432Hz / 440Hz / Sacred
Meantone ミーントーン — 長3度を純正に近づけた調律 432Hz / 440Hz / Sacred
Werkmeister III バロック時代の不等分平均律 432Hz / 440Hz / Sacred